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SIE、『CONCORD』開発スタジオ 「Firewalk Studios」を閉鎖。ゲームは永久終了、Neon Koiも閉鎖へ

ソニー・インタラクティブエンタテインメント (SIE) は、ヒーローシューター『CONCORD (コンコード)』の開発を手がけたゲームスタジオ 「Firewalk Studios」 を閉鎖することに決めたようだ。

SIEスタジオビジネスグループのCEOであるハーマン・ハルスト氏は、PlayStationの従業員向けにメッセージを発し、Firewalk Studiosの閉鎖および、その背景と今後の方針について伝えたことがわかった。米The Vergeが伝えた。

『CONCORD』は、発売からわずか2週間後にサーバーがオフラインとなり、そのまま再開されることなく幕を閉じることになる。

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SIEが『CONCORD』開発ゲームスタジオ 「Firewalk Studios」 を閉鎖へ

SIEが閉鎖を決定したFirewalk Studiosは、2023年4月にソニーが買収を発表した米ゲーム開発スタジオ。数々のAAAマルチプレイヤーゲームを手がけてきた同スタジオは、SIEの肝入りだった『CONCORD』の開発を手がけた。

しかし、今年8月にリリースされてからわずか2週間後にサービス終了がアナウンスされており、その際には「プレイヤーの皆さんにより良いものをお届けできるよう、さまざまな選択肢を模索することにしました。」と発表していた。

ハーマン・ハルスト氏は、PlayStationの従業員向けに以下のメッセージを発したという。

We have spent considerable time these past few months exploring all our options,” (中略) “After much thought, we have determined the best path forward is to permanently sunset the game and close the studio. I want to thank all of Firewalk for their craftsmanship, creative spirit and dedication.

抄訳:過去数ヶ月にわたり、あらゆる選択肢を慎重に検討してきました。熟慮の末、ゲームを永久に終了し、スタジオを閉鎖するのが最善の道であると判断しました。Firewalkの皆さんの職人技、創造力、そして献身に心から感謝します。

また、ドイツ ベルリンとフィンランド ヘルシンキにスタジオを置くモバイルゲームメーカーで、Firewalk Studiosと同じくライブサービスを手がけるNeon Koiも同様に閉鎖が決定され、現在開発中のゲームも凍結される見通しであるという。

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肝入りの『CONCORD』が失敗に終わった要因

『CONCORD』は、今年8月にPlayStation 5およびPC向けにリリースされたばかりだったが、売上が振るわず、発売初日からのユーザー数は予想を大きく下回った。PlayStationプラットフォームにおいては未公表のため実態は未知数だが、Steamにおける同時接続プレイヤー数は697人がピークとされ、他の新作と比べてもかなり低い水準に留まったことが明らかになっている。そうした状況から、リリースからわずか2週間後の9月6日にサーバーがオフラインとなっていた。

ハルスト氏は、「『CONCORD』が我々の目標に達しなかったのは残念ですが、ここで得た教訓を今後のライブサービス分野での成長に活かしていく」 と述べ、PlayStationにおけるライブサービスの発展に取り組む意向を示している。

Firewalkからも正式にスタジオ閉鎖に関するアナウンスが発されている

また、同時に閉鎖が決定したモバイルゲーム開発スタジオのNeon Koiについても話題となっている。ソニーは、2022年にドイツとフィンランドのSavage Game Studiosを買収し、それ以降はNeon Koiとして未発表のAAAモバイルライブサービスアクションゲームの開発を進めてきた。しかし、今回の方針転換により同プロジェクトは中止となり、スタジオも閉鎖される運びとなってしまった。

これについてハルスト氏は、「モバイルゲーム市場は引き続き成長の重要分野であり、今回の決定はその戦略を見直す一環です」 と語っている。

The Vergeによると、閉鎖によって影響を受けるFirewalk StudiosおよびNeon Koiの開発者は、一部がSIEの他スタジオでの役割を提案される見込みであるという。しかし、再配置が叶わなかった開発者については新たな職を求めて他の機会を探すことになる。近年、ゲーム業界では多くの企業がレイオフを行っており、今回の決定でさらに多くの開発者が同様の状況に置かれることとなる。

ソニーにとっては、プレイヤーコミュニティとの関係強化と収益性の向上が課題であり、今回の閉鎖によって改めて組織体制の見直しが進むと見られている。

(画像:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)