現地時間25日、スペインのバルセロナで開催されている「MWC 2018」で、韓国Samsungは新型スマートフォン「Galaxy S9」と「Galaxy S9+」を発表した。
今回発表された「Galaxy S9 / S9+」は、昨年6月に発売した前モデル「Galaxy S8 / S8+」から本体デザインの変更はほとんどなく、内蔵プロセッサやカメラ性能が大幅に進化するなど、いわゆるマイナーチェンジモデルとなっている。
本体デザインは前モデルからほとんど変わらず
「Galaxy S9」シリーズには、ディスプレイが端末の上下左右いっぱいに広がるフルスクリーンデザインが引き続き採用。ホームボタンなどの物理ボタンは存在せず、また本体エッジ部分は曲面ディスプレイとなっており、本体ベゼル面積がかなり少ない、いわゆる”ベゼルレスデザイン”が採用されている。
ただし、上下のベゼルは「Galaxy S8」に比べてほんのわずかに狭くなっており、本体エッジもどちらかというと「Galaxy Note 8」のように、わずかに”立った”形状に変化している。
画面サイズは「Galaxy S9」が5.8インチ、解像度は1,440×2,960。「Galaxy S9+」は6.2インチで、解像度はS9と同じ1,440×2,960。画面比率はどちらも9:18.5、ディスプレイにはSuper AMOLEDが採用されている。
搭載されるプロセッサは、「Snapdragon 845」もしくは「Exynos 9810」。「Snapdragon 835」比較で約30%ほど性能が向上しており、AI処理も3倍の速度で処理ができるようになっている。搭載されるプロセッサは販売地域によって異なり、日本で販売されるモデルは未発表だが、おそらく「Snapdragon 845」になると予想される。
「Galaxy S9」の本体メモリは4GBで、「Galaxy S9+」は6GB。内蔵ストレージは64GB/128GB/256GBの3種類用意されているとのこと(販売地域によって異なる)。microSDXCは最大400GBまでサポートする。
カメラ性能の大幅向上、S9+はシリーズ初のデュアルレンズカメラ搭載
「Galaxy S9」シリーズ最大の特徴は、カメラ性能の大幅向上が挙げられる。まずは、背面(メイン)カメラについて。
「Galaxy S9」と「S9+」の背面カメラはどちらも共通で絞り値が可変(F値2.4もしくは1.5)できるようになっており、絞りを調節することで、明るい場所での撮影はもちろん、暗所でも綺麗な写真を撮影することができる。
Samsungによると、絞りはカメラモジュール内にある絞り羽根が機械的に動くことで、変更することができるという。絞りは撮影場所の明るさによってオートで調節される仕組みだが、プロモードにすると自身の手で可変させることも可能。
ちなみに、前モデルの「Galaxy S8 / S8+」でも採用されていた光学式手ぶれ補正機能は今回も採用。撮影時に発生する手ぶれを打ち消してくれる。
さらには、0.2秒の撮影動画を6秒まで引き延ばすスーパースローモーション撮影(最大960fps)ができるなど、「Galaxy S9」のカメラは前モデルに比べて大幅に強化されているようだ。
そして「Galaxy S9+」のみの特権、それはデュアルレンズカメラの搭載。
「iPhone 7 Plus」でデュアルカメラが採用されてから、今では「HUAWEI P10 Plus」や「honor 9」「Moto G5S Plus」など多くのスマートフォンで採用され始めたデュアル仕様に、Galaxyシリーズも初めて対応。レンズが1つから2つに増えたことによって、今まで以上に遠近感のある写真の撮影が可能になった。
レンズは広角レンズと望遠レンズの2種類が搭載され、広角・ズーム撮影が可能になっているとのこと。
Galaxy S9 | Galaxy S9+ | |
---|---|---|
背面カメラ |
シングルレンズ F/1.5〜F/2.4 |
デュアルレンズ |
インカメラ | 800万画素 F/1.7 |
800万画素 F/1.7 |
そして、インカメラについて。こちらは、F値1.7の800万画素カメラが搭載されることが発表された。また、背景をぼかしたセルフィー写真を撮影することも可能だ。
背面カメラの画素数は1,200万画素(Galaxy S9+の場合は1,200万画素+1,200万画素)。インカメラは800万画素となっている。
ちなみに、「Galaxy S9」は背面カメラの下に指紋認証が配置されるようになった。これまではカメラの横に配置されていたため、人によっては使いにくさを感じていたというが、カメラの下に配置されたことによって、指紋認証がもっとスムーズにできるようになっている。地味な改善だが、喜ぶユーザーも多そう。
「Animoji」に対抗する「AR Emoji」機能が搭載
そして、「Galaxy S9」にはさらにもう一つ新機能がある。
それは、搭載されているカメラを使って「AR Emoji」と呼ばれるアバターの作成ができる機能。最大のライバルの「iPhone X」で利用できる「Anomoji」に対抗するためのもので、「Galaxy」の場合はユーザーそっくりのアバターを作ることができる。
作った「AR Emoji」はメッセージアプリなどで送信することが可能。データはGIF画像として保存されるため、TwitterやFacebookなどで公開することもできるだろう。
あと、意外に思うかも知れないが、「Galaxy S9」シリーズは初めてステレオスピーカーを搭載した初めてのGalaxyモデルになった。これまでは底面にモノラルスピーカーが搭載されており、他社のハイエンドスマートフォンに遅れをとっていた。
しかし、「Galaxy S9」シリーズでステレオスピーカーが採用されたことによって、映画やゲームなど音を出すコンテンツをより綺麗で迫力のある音で楽しめるように。さらに、内蔵スピーカーが2つになったことで、最大音量も1.5倍に増強されているとのこと。
同端末に搭載されるステレオスピーカーは、Dolby Atmosベースのバーチャルサラウンド出力が可能となっており、音の調整は傘下のオーディオメーカーAKGが担当しているという。
その他、紹介していない「Galaxy S9」シリーズの仕様は以下のとおり。
- 防水性能は「IP68」の防水・防塵
- ワイヤレス充電に対応
- 充電端子はUSB-C
- バッテリー容量は「S9」が3,000mAh、「S9+」が3,500mAh
「Galaxy S9」と「Galaxy S9+」には、それぞれミッドナイトブラック、コーラルブルー、ライラックパープル、チタニウムグレーの4色のカラーバリエーションが用意されている。
価格は「Galaxy S9」が719.99ドル(約7.5万円)から、「Galaxy S9+」が839.99ドル(約8.3万円)から。3月16日に米国で発売することが発表されているが、日本での発売に関しては未発表となっている。
Galaxy S9 | Galaxy S9+ | |
---|---|---|
ディスプレイ | 5.8インチ SUPER AMOLED(有機EL) 解像度:2,960 × 1,440 |
6.2インチ SUPER AMOLED(有機EL) 解像度:2,960 × 1,440 |
プロセッサ | Snapdragon 845 Exynos 9810 |
|
OS | Android 8.0 | |
メモリ | 4GB | 6GB |
ストレージ容量 | 64GB / 128GB / 256GB | |
外部メモリ | 最大400GB(microSDXC) | |
通信 | Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac Bluetooth 5.0 |
|
背面カメラ |
シングルレンズ |
デュアルレンズ |
インカメラ | 800万画素 F/1.7 |
|
ビデオ | スーパースローモーション(960fps) 4Kビデオ撮影(30fps / 60fps) QHDビデオ撮影(30fps) 1,080p HDビデオ撮影(30fps / 60fps) 720p HDビデオ撮影(30fps) |
|
センサー | 気圧センサー 加速度センサー ジャイロセンサー 地磁気センサー ホールセンサー 心拍センサー 近接センサー 照度センサー |
|
生体認証 | 虹彩認証 / 顔認証 / 指紋認証 | |
バッテリー容量 | 3,000mAh | 3,500mAh |
充電端子 | USB-C | |
ワイヤレス充電 | ○ | |
スピーカー | ステレオ | |
防水・防塵 | IP68 | |
本体サイズ 重量 |
147.7 × 68.7 × 8.5 mm 163g |
158.1 × 73.8 × 8.5 mm 189g |
カラー | ミッドナイトブラック コーラルブルー ライラックパープル チタニウムグレー |
|
価格 | 719.99ドル (約7.5万円) |
839.99ドル (約8.3万円) |
・docomo Online Shop(Galaxy S9 / Galaxy S9+)
・au Online Shop(Galaxy S9 / Galaxy S9+)