Googleは、我々の普段のブラウジング作業における、ユーザーのプライバシーを確保するために「Google Chrome」の一部仕様を変更することがわかった。
Googleは、今年秋にリリースする予定の「Google Chrome 62」で、ユーザーがシークレットモード中にHTTPサイトにアクセスした場合、セキュアなページでないことを表示する機能を追加する。
プレイベートブラウジング中にHTTPサイトにアクセスした場合、「Not Secure(保護されていない通信)」ラベルが表示へ
今年1月から、Googleはパスワードやクレジットカード情報などの重大な個人情報をやり取りするHTTPページにおいて、「保護されていない通信」であることをURL検索欄にメッセージ表示していた。
だが、Googleはこの仕様をさらに広げることを発表。すべてのHTTPサイトにおいて、セキュアでないことを表示するように変更することを明らかにしている。
この変更はあくまでシークレットモードを利用した時のみで適用されるため、通常モードでは警告は表示されない。ただ、HTTPS化していないページは例外なく「セキュアではない」と常に警告されることになるため、もし放ったらかしにした場合、最悪そのサイトのイメージ(心象)が悪くなる可能性がある。
また、「Chrome 56」からはシークレットモード以外の通常モードにおいても、「セキュアでない」と表示されることがある。それは何かしらのデータを入力し、送信するHTTPページであるときだ。
冒頭でも触れたとおり、1月にリリースされた「Google Chrome 56」からは、パスワードやクレジットカード情報を入力するページのみでこの警告が表示されていたが、今後はその範囲が拡大する。おそらくは個人情報(名前や生年月日、電話番号など)の入力が必要なページが対象になるとは思うが、この範囲がどこまで及ぶかは現時点では不明となっている。
Googleは、昨年からメディアに対してHTTPSに移行することを要請している。これはユーザーの個人情報を保護するために必要な措置であることに間違いないわけだが、現状でも非対応のサイトやページはかなり多い。
「セキュアでない」ことにより、直接的にGoogle検索ランクに変動があるではないだろう。ただ、ユーザーからの心象が変わる可能性があるとなれば、メディア側も対応せざるを得ないのではないだろうか。
しかも将来的には、すべてのHTTPページにおいて「非セキュア」であるという表示がなされるように「Google Chrome」の仕様が変更される可能性もあることも考えると、まだSSL化できていないメディアには、早めに対応することを検討していただきたい。