【iPad比較】9.7インチ新型「iPad」と「iPad Pro (9.7インチ)」のスペックや仕様を徹底的に比較してみた　購入するならどっちの端末がベスト？

昨日、Appleは公式サイトの製品ラインナップを一部リニューアル。「iPad」シリーズには、新型モデルとなる「iPad」を追加した。

同端末はスペック的に、実質「iPad Air 2」の後継モデル。すでに販売されている「iPad Pro」に比べて性能は劣るため、新モデルとはいえ廉価版に近い扱いになる。

新型が出ると欲しくなる気持ちも分かるが、まずは落ち着いて同端末の性能を確かめてみよう。

同記事では、「iPad」と「iPad Pro」の性能を比較してみた。もしこれから新規でiPadを購入しようと考えているようだったら、どのモデルを購入するべきなのかぜひ参考にしてほしい。

「iPad」と「iPad Pro」で悩んだら、できれば「iPad Pro」を選ぶべき

まず結論から言おう。「iPad」と「iPad Pro」のどちらを買うべきなのかと聞かれたら、僕は間違いなく「iPad Pro」を買うべきと答える。その理由は、単純にスペックが高いから。

このふたつの端末の違いがどこにあるのか、それを説明する前に、まずは以下の比較表で両端末のスペックを比較してみてほしい。

上記表を見ていただければお分かりいただけると思うのだが、両端末の共通点は結構多い。

ディスプレイはどちらも9.7インチディスプレイを搭載し、解像度は2,048 × 1,536ピクセル (264ppi)。Retinaディスプレイであるため、文字は見やすく、ブラウジングやゲームなど様々なコンテンツを楽しむには最適なディスプレイだ。

あとは、カメラの位置も同じで、有線ポートもLightning。ホームボタンも端末下に配置されており、同じ第1世代「Touch ID」が採用されている。搭載センサーの類もほとんど変わらず、バッテリー駆動時間も同じ。

サイズや重量には若干の違いはあるものの、その差は30グラム程度とほぼ変わらない。見た目的にはどちらの端末を選んでも変わらないだろう。

だが、そのほかの点で両端末には明確な違いがある。それは基本性能とカメラ性能、あとディスプレイの綺麗さだ。

iPad Proを購入して欲しい理由 その1：「基本性能の違い」

まずは基本性能について。iPad Proに搭載されたプロセッサは「A9X」で、iPadに搭載されているプロセッサは「A9」。「A9」はiPhone 6sシリーズで初めて搭載されたプロセッサで、その処理性能は決して低いものではない。

ただ、「iPhone 6s」の発売は2015年秋。つまり、1年半も前の技術ということになる。それに比べて「A9X」は「A9」の処理を高速化させたプロセッサなので、少なくとも「A9」よりも高い性能を発揮してくれるのは間違いないだろう。

最近のiPadはマルチタスクをすることが前提で作られているため、少しでも処理性能が高いことに越したことはない。新型「iPad」はその点で「iPad Pro」に劣る。

iPad Proを購入して欲しい理由 その2：「カメラ性能の違い」

そして次はカメラ性能。iPadには外向きカメラと内向きカメラのふたつが用意されているが、どちらも「iPad Pro」の方が性能が高い。

「iPad Pro」の外向きカメラは1,200万画素、内向きカメラは500万画素の写真撮影に対応しているが、「iPad」はそれぞれ800万画素と120万画素。この差は大きい。

しかも、「iPad Pro」に関しては4K動画の撮影にも対応するなど、「iPad」とは雲泥の差だ。iPadで写真を撮る機会はそこまで多くはないが、ビデオチャットをする際には大きな違いを生み出すので出来れば画質は高い方がいいだろう。

iPad Proを購入して欲しい理由 その3：「ディスプレイの綺麗さ」

あと気にかけて欲しいのは、ディスプレイ性能の違いだ。

あまり語られることの少ない機能のひとつだが、「iPad Pro」には広色域に対応した綺麗なディスプレイが搭載されている。そのため、一般的なsRGBディスプレイに比べて約25%以上も多くの色が出力でき、写真や画像をより鮮明に映すことが可能だ。

しかし、「iPad」にはそれがない。そればかりか、「フルラミネーションディスプレイ」や使用する環境によって画面の色合いを変化させる「True Toneディスプレイ」も搭載されていない。

地味な違いではあるが、綺麗な画面でiPadを操作したいならやはり「iPad Pro」を選ぶべきだと個人的には思う。

iPad Proを購入して欲しい理由 その4：「Apple Pencil」と「Smart Connector」が使える

とても重要な違いをお伝えしなければならない。今回発表された「iPad」は「Apple Pencil」はもちろん、「Smart Connector」を使うことができないということを。

そのため、「iPad Pro」のように絵を描くことができないだけでなく、Apple純正の「Smart Keyboard」に接続してタイプすることもできない。これはかなり不便だ。

「iPad」をスマートに使いこなすなら、これらの機器への対応は必須。それができない「iPad」を選ぶのを正直僕はオススメすることはできない。

その他にも、「iPad Pro」には搭載スピーカーが2つ多かったり、ローズゴールドカラーが存在したりと、「iPad」にはないものが多数存在する。

機能面や性能面で劣る点は何もないので、どちらを買うか悩んだら「iPad Pro」を買っておいた方がいいだろう。数年先まで使うことを視野に入れているなら尚のことだ。

上記で説明した通り、性能的には「iPad Pro」の一択。もし数年先まで使い続けることを前提としているなら、出来れば「iPad Pro」を買うべきだ。

そして、「Apple Pencil」と「Smart Connector」が使えないという点も重要。これらを重視するようだったら、間違いなく「iPad Pro」を買うべきだろう。

もし「iPad」を買うメリットがあるとすれば、それは「価格の安さ」だ。「iPad Pro」の値段は最低でも62,800円(32GB/Wi-Fiモデル)が必要だが、「iPad」は37,800円(32GB/Wi-Fiモデル)で購入可能。その差は25,000円と確かに安い。

コストパフォーマンスという意味では「iPad」に軍配が上がりそう。「iPad Pro」に近い性能を2万以上安く買えると考えると、決して悪い話ではないのかもしれない。

僕は全力で「iPad Pro」の購入をお勧めするが、もし悩んだらこうしてほしい。性能で決めるなら「iPad Pro」、値段で選ぶなら新型「iPad」。購入の際に参考にしていただければと思う。

番外編：「iPad Air 2」との比較

ちなみに「iPad Air 2」との比較表も作成してみた。

ほとんど、新型「iPad」と「iPad Air 2」との違いは、プロセッサー以外ほとんどないと言っていい。そればかりか端末が厚く、重くなっていることに加えて、ディスプレイの性能が若干落ちていることを考えると、むしろ後退している感もある。

もし、「iPad Air 2」からの買い替えを考えているのであれば、今回の新型9.7インチ「iPad」ではなく「iPad Pro」を購入したほうが良さそうだ。

「iPad Pro」の9.7インチモデルと12.9インチモデルの購入を検討する方は、こちらの記事へどうぞ。

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