あの「Galaxy Note 7」が、再び世界で販売されることになるようだ。
韓国経済紙のThe Korean Economic Dailyは、Samsungは世界中から回収した「Galaxy Note 7」を、発火の原因となったバッテリーを交換した上で、再度販売を開始する予定であると伝えている。
小型なバッテリーを搭載した上で、整備済品として販売予定か
2016年8月に発売された「Galaxy Note 7」は、ユーザーから多数の発火・爆発の報告が相次いだことから、二度のリコールを経て販売が中止になった。
そして今年の1月には同端末がなぜ爆発したのかの詳細な調査結果を発表。調査の結果、やはりバッテリーに問題があったことを明らかにしていた。
当時は安全性を考慮し「Safety First」な製品づくりを行うことを約束していたが、まさか問題の「Galaxy Note 7」を再販するとは。
The Korean Economic Dailyによると、Samsungは同端末のバッテリーを安全なものに交換した上で、再度販売する計画であるという。
Samsungはユーザーから306万台の「Galaxy Note 7」をすでに回収済。これは全世界で販売した端末の約98%になるという。この306万台のうち、端末の発火原因を調査するために使用した20万台を除外し、外装などに問題がない端末のみ約250万台を整備済品として販売する計画だ。
搭載するバッテリーに関しては単に新しいものにするだけでなく、もともと搭載していたバッテリー(3,500mAh)よりも小型(3000~3,200mAh)のものに替える予定。
また、内蔵のコンポーネント等に関しては再利用され、ケースは新たに製造される。ユーザーは、ほぼ新品同様の端末が購入できるとのこと。
今回の1件でSamsungが抱えた損失は7兆ウォン。日本円にすると約7,000億円だ。さらに250万台もの端末を廃棄するとなると、またも莫大な金額がかかるのは明らか。
しかも、以前には韓国環境部がSamsungに対して、「Galaxy Note 7」を適切に廃棄しない場合において、環境被害に対する罰金を科すことを示唆していたこともあり、Samsung側がこれ以上の損失を出すことを避けたいと考えるのは自然のこと。これらの費用を削減するために再販しようと考えるのは、理解できる。
だが、二度も爆発・炎上した端末が再び販売されるとは思ってもみなかった。調査の結果ではバッテリーと設計に問題があったことが明らかになっており、再び再発しないとも言い切れない。
もし、再度爆発したとすれば世界中から非難は避けられないだろう。「Safety First」は確実に守られるのか、信用に直結する問題なだけに大きな注目が集まる。
ちなみに、「Galaxy Note 7」の整備済品は先進国では積極的に販売されず、インドやベトナムなど新興国で販売される予定。また、売れ行き次第では韓国国内でも販売が開始される可能性もあるようだが、これについては現段階では話は進んでいないようだ。