
任天堂は11月11日、Nintendo Switch 2の最新システムソフトウェア「バージョン21.0.0」を配信開始した。
今回のアップデートでは、ホームメニューの新機能追加から音声モードの拡張、アクセシビリティ設定の強化まで、多岐にわたる改善が実施されている。
「低遅延」音声モードの追加と、チャット機能の強化
もっとも注目すべきは、「オーディオ」設定に追加された“低遅延”音声モードだ。Switch 2 Proコントローラーを無線接続している際、音声出力モードを「安定」と「低遅延」の2種類から選べるようになった。低遅延モードでは音の遅延が軽減され、よりタイムラグの少ない音声体験が可能となる。一方で、無線環境によっては音が途切れやすくなることもあるという。
また、「ゲームチャット」機能も強化された。チャット中に自動でスリープしないようになったほか、メンバーごとの音声方向(パンニング)をオフにできる設定が追加された。さらに、チャット中にドックから本体を取り外しても、有線から無線への接続切り替えで通話が途切れないよう改善されている。マイページの「いっしょにあそんだ人の記録」には、チャットをした相手も表示されるようになった。
ホームメニューの視認性向上やHDR調整の改善も
ホームメニューでは、ソフトアイコン上に表示されるマークでパッケージ版かダウンロード版かをひと目で区別できるようになった。複数タイトルを同時にダウンロード中のときには、一括で中止できる新機能も追加。さらに、ダウンロードソフトがセットになった本体では、「ソフトを受け取る」アイコンが表示され、eショップから直接受け取り手続きに進むことも可能になった。
映像関連では、「ディスプレイ」設定の「HDR調整」が改善され、テレビ出力時の見え方をより直感的に調整できるようになった。本体画面の設定項目名も「本体画面のHDR出力」に変更され、内容が分かりやすく整理されている。
そのほか、初回セットアップ完了日が「サポート」メニューで確認できるようになったほか、音声読み上げの速度上限が400%に引き上げられるなど、アクセシビリティ面の強化も進んでいる。バッテリー設定では「充電を約80〜90%で停止」に変更され、長期使用を想定した最適化も図られている。
また、バーチャルゲームカードでのデータダウンロード仕様の改善や、通知設定の名称整理、タイ語・ポーランド語の新たな言語対応など、細かいアップデートも多数含まれている。
- HOMEメニューに以下の機能を追加しました。
- ソフトアイコンの上側に表示されるマークで、パッケージ版かダウンロード版かを区別できるようにしました。
- 複数のソフトのダウンロードが行われているときに、それらを一括で中止できるようにしました。
- ダウンロードソフトがセットになった本体で、「ソフトを受け取る」アイコンを表示するようにしました。
・本体がインターネットに接続されている場合に表示されます。
・選択すると、ニンテンドーeショップが起動してソフトのダウンロード手続きに進むことができます。
・HOMEメニューの「ニンテンドーeショップ」を選択しても、ソフトの受け取りが可能です。- マイページの「いっしょにあそんだ人の記録」に、ゲームチャットをした相手を表示するようにしました。
- 「ゲームチャット」で以下の対応を行いました。
- チャット中に自動でスリープしないようにしました。
- チャット音声のパンニング(メンバーごとに音声が聞こえてくる方向を変えて、だれの発言かを区別しやすくする処理)をOFFにできる設定を追加しました。
- チャット中にドックから本体を取り出したとき、インターネット接続が有線から無線に切り替わってもチャットが継続できるようにしました。
- 「バーチャルゲームカード」で、「オンラインライセンスを使う」設定がOFFの場合にも、データのダウンロードだけを行えるようにしました。
- バーチャルゲームカードを選んで、「オプション」→「データのダウンロード」から行えます。
- 「設定」で以下の対応を行いました。
- 「サポート」に、本体の初回設定が完了した日を表示するようにしました。
- 「アクセシビリティ」→「音声読み上げ」がONの時に、日本語キーボードの予測変換文字の説明を読み上げるようにしました。
- 「アクセシビリティ」→「音声読み上げ」で、「読み上げ速度」の上限を300%から400%に変更しました。
- 「オーディオ」で無線接続中のSwitch 2 Proコントローラーの音声モードを変更できるようにしました。
・「安定」と「低遅延」の2種類から選択できます。
・「低遅延」にすると「安定」よりも音声の遅延が低減されますが、無線環境によっては音が途切れやすくなります。- 「ディスプレイ」→本体画面の「HDR出力」の項目名を「本体画面のHDR出力」に変更しました。
- 「ディスプレイ」→「HDR調整」で、テレビの見え方の調整がしやすくなるように、画面表示を改善しました。
- 「通知」→「プラチナポイントの通知設定」の項目名を「Nintendo Switch Onlineの通知設定」に変更しました。
- 「本体」→「バッテリーの充電を約90%で停止」の項目名を「バッテリーの充電を約80〜90%で停止」に変更しました。
- 「本体」→「言語」で、タイ語、ポーランド語を設定できるようにしました。
・タイ語やポーランド語で表示されるのは、それぞれの言語に対応しているソフト内のみとなります。
・ 「言語」はNintendo Switch 2 多言語対応でのみ設定可能な項目です。- いくつかの問題の修正と、動作の安定性向上を行いました。
システム更新は、インターネット接続中であれば自動的にダウンロードされる。手動で行う場合は、HOMEメニューの「設定」から「本体」→「本体の更新」を選択すればよい。
Switch 2のリリースから数か月、任天堂は引き続きユーザー体験の磨き込みを進めている。今回のバージョン21.0.0は、プレイヤーの日常的な操作や音声・映像体験をより快適にするための実用的なアップデートといえるだろう。
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(画像:任天堂)
