
XboxとTeam NINJA、そしてプラチナゲームズは、ハイスピード忍者アクション「NINJA GAIDEN」シリーズの最新作となる『NINJA GAIDEN 4』を、2025年10月21日に発売する。現在、各ストアでは予約受付も始まっている。
発売日が目前に迫る中、東京都内にあるプラチナゲームズTOKYOでは、メディア向けのプレビューハンズオンイベントが開催された。筆者もこのイベントに参加し、一足先に『NINJA GAIDEN 4』をプレイする機会を得た。
今回の試遊では、本作で新たな主人公として登場する「ヤクモ」に加え、これまでシリーズを象徴してきた「リュウ・ハヤブサ」も操作可能だった。筆者自身、「NINJA GAIDEN」シリーズに触れるのは『NINJA GAIDEN 2』以来と久しぶりで、腕前としては超忍には程遠い “日曜カジュアル忍者” といったところだが、本稿ではイベントを通じて体験した激しいバトルの模様を、できるだけ詳しくお届けしていきたい。
『NINJA GAIDEN 4』について改めておさらいしよう
まず『NINJA GAIDEN 4』についておさらいしておこう。本作は、コーエーテクモゲームス傘下のTeam NINJAが手がけるハイスピード忍者アクション「NINJA GAIDEN」シリーズの13年ぶりとなる正統ナンバリング作。『ベヨネッタ』などの人気アクションゲームを手掛けてきたプラチナゲームスとの協業で開発を進めている。
本作では、シリーズの象徴だった従来の主人公「リュウ・ハヤブサ」に代わり、鴉一門の若き天才忍者「ヤクモ」が新たな主人公に。これまでのシリーズを象徴する “超人的かつ超流動的” な戦闘はそのままに、戦況を一変させる新アビリティによって、一段と進化したアクションと戦術性を楽しむことができる。
主人公はヤクモへと変更になったものの、ストーリーの途中ではリュウを操作するパートが用意されているほか、好きなチャプターをプレイできる「チャレンジモード」では、ヤクモでプレイしたチャプターをリュウでプレイできる。ヤクモとリュウの異なる戦闘スタイルを楽しむことができるのも本作の醍醐味と言えるだろう。
13年ぶりの新作『NINJA GAIDEN 4』を先行体験。ヤクモの「鵺の型」が生む戦術の奥行きとは
今回のイベントは試遊の時間がたっぷり用意されており、ゲームの序盤をはじめとした複数のステージをプレイすることができた。
まずはチュートリアルで操作の感覚を掴んで、新しい主人公であるヤクモでチャプター1をプレイ。ステージギミックをワイヤーアクションで飛び越えたり、壁を走って足場のない場所を駆け抜ける「無影脚」を使ったりと、忍者らしいアクションを駆使しながら進んでいく。
戦闘においては、ヤクモは素早い動きで敵を翻弄し、流れるように剣戟を叩き込むスピード重視の戦闘スタイルを持つキャラクターとなっており、爽快感のある戦いを楽しめるのが特徴だ。
ヤクモは鴉一門に伝わる「血楔忍術 (けっせつにんじゅつ)」と呼ばれる忍術を使って武器を作り出して操って戦う。この武器の基本形態は「鴉の型 (からすのかた)」と呼ばれ、左トリガーを長押ししながら攻撃すると、より強力な攻撃を繰り出すことができる「鵺の型 (ぬえのかた)」という形状に変化する。
たとえば、鴉一門に受け継がれる妖刀「鬼神建御名方 (きじんたけみなかた)」は、鴉の型では双刀、鵺の型では太刀になる。鵺の型の間にボタンを長押しすると、広い範囲を攻撃できる「延伸攻撃」が発動可能だ。そのほかにも複数の武器を作り出すことができ、状況に応じて適切な武器に切り替えながら攻撃していく。
鵺の型では強力な攻撃を繰り出すことができ、敵の防御を崩したり、相手の攻撃を防ぎながら相手を仰け反らせるカウンター攻撃を発動できる。ただし、鵺の型を使うには「血楔ゲージ」が溜まっている必要があり、攻撃などのアクションをするたびにゲージが減っていくため、技を連発することはできない点に注意が必要だ。
ヤクモは血楔忍術で作り出した多彩な武器による近接攻撃に加えて、手裏剣による遠距離攻撃や、さらに空中にいる敵を地面に叩き落とす「飯綱落とし」などのシリーズ恒例の体術も使うことができる。
そして、従来のシリーズから受け継がれた「絶技」も重要な攻撃方法のひとつ。チャージ (ボタンの長押し) によって発動できる攻撃で、無敵状態で強力な攻撃を敵に叩き込むことができる。敵との距離があり、敵が近づいてくる間にチャージできれば効率よく敵を倒すことができる。ボス戦などでも優秀なダメージソースになってくれる攻撃方法だ。
敵にダメージを与えていくと、敵の体の一部が欠損することがあり、この状態になると相手を一刀両断するなどしてトドメを刺す「滅却」という技が発動できる。
もちろん敵は無惨な姿になってしまうのだが、バサっと敵を斬り捨てる描写は爽快感があり、いわゆるスプラッター映画などで残酷なシーンを見たときの「うわぁ……」という血の気の引く感覚というよりは、効率よく敵を倒せた高揚感を強く感じた。
敵は欠損状態になると弱体化するのだが、その代わりに自分の命を投げ出した決死の攻撃を繰り出してくることがあり、これを喰らうとなかなか痛い。できれば欠損状態の敵は放置せず、早めに滅却することが重要だ。
ちなみに、「NINJA GAIDEN」シリーズは高難易度ゲームのひとつとしても知られるゲームだが、もちろん本作でもその難易度は健在。チャプター1から大量の敵に囲まれながら戦うことになり、いわゆる雑魚敵相手でも気を抜けない。
敵集団はそれなりに統率が取れているため、何も考えずに攻撃ボタンを連打するような「ゴリ押し戦法」で無理やり戦っていると、遠距離攻撃でジワジワとダメージを喰らってゲームオーバーになってしまうことも。
厄介な技を持つ敵を優先して倒すのはもちろんだが、敵は自分の視界の外でどんどん出現していたりもするため、ただ目の前の敵を攻撃し続けるのではなく、攻撃の合間に一度回避を使って敵集団から離れ、周囲の状況を把握することも重要だと感じた。
また、新要素の「乱殺状態」を使うタイミングも重要だ。画面左下にある円形のゲージが「乱殺ゲージ」で、敵に攻撃を当てたり、「滅却」を発動するなどによって徐々にゲージが溜まっていき、ゲージがフルになると発動することができる。
乱殺状態では、特定の鵺の型の技を繰り出すことで、敵を一撃で葬る「血殺」という技が繰り出せる。これは相手の体が欠損しているときに発動する「滅却」とは異なり、相手がどんな状態でも一刀両断することができるため、苦しい場面を切り抜けるときに有効だ。
筆者としては、実際のプレイを通じてバトルについてここまで分析することができたのだが、やはりどれだけ分析できていても、実戦となると難しいものがある。
通常戦闘においても、操作ミスや欠損状態の敵を放置したことによる大ダメージでヒイヒイ言いながらプレイしていたのだが、とにかくキツかったのがチャプター1のボス戦。攻撃のタイミングを掴むのがすこし難しく、何度かゲームオーバーになってしまった。
最終的には、攻撃のタイミングに合わせて「1、2!」と数字をカウントすることでどうにか回避が成功するようになり、ゲームオーバーになるたびにもらえる救済アイテムで回復しつつ、なんとかボスを倒すことができた。
重みのある一撃と気合の雄叫び。リュウの戦いは健在
このあとチャプター3までひとしきりヤクモで激しいバトルを繰り広げたあとは、チャレンジモードで前作までの主人公であるリュウを操作。これまでのシリーズをプレイしてきた人にとっては、馴染みのある動きやアクションが満載で、懐かしさを覚えるはずだ。
ヤクモはどちらかというとスピード重視の技や動きが多かったが、リュウは一撃一撃に重みがあり、「とおぉっ!」「せいやぁ!」と気合の入った掛け声とともにパワフルに敵を斬り伏せる。ヤクモとはまた違った操作感で、同じステージでも新鮮な気持ちでプレイすることができた。ちなみに、声優はお馴染みの堀秀行さんだ。
リュウの場合、ヤクモの「血楔ゲージ」と似た要素として「気力」ゲージがあり、左トリガーを押しながら攻撃することで「閃華状態」になり、強力な攻撃を繰り出すことができる。ヤクモと同様、閃華状態では攻撃などの行動をすることでゲージを消費するため、使うタイミングはうまく考えながらプレイしたい。
また、ヤクモが複数の武器を扱うことができるのに対して、リュウは複数の「忍法」を使うことができる。忍法もゲージがないと発動できない技になるが、敵に大量のダメージを与えたり、複数の敵を巻き込むことができる上に、ボス戦でも大量のダメージを与えることができる。ゲージは時間で回復するため、溜まったことが確認できたら積極的に活用していきたい。
本作の主人公はあくまでヤクモということで、ストーリーの大半でプレイすることになるのはリュウではなくヤクモということにはなるのだが、チャレンジモードではすべてのチャプターでキャラクターをリュウに切り替えることができる。過去の「NINJA GAIDEN」シリーズのファンには嬉しいサプライズとなったのではないだろうか。
リュウとヤクモ、二人の忍が切り拓く“新たなNINJA GAIDEN”
13年ぶりとなるナンバリングタイトル『NINJA GAIDEN 4』は、シリーズの根幹にある激しさと緊張感をしっかりと受け継ぎながら、新たな試みによって確かな進化を遂げた作品だと感じた。
新主人公「ヤクモ」の登場に加え、「鵺の型」など新たな要素が加わったことで、戦闘にこれまでにない広がりが生まれている。シリーズの魅力を今の時代にふさわしい形で再構築している印象だ。一方で、「絶技」など従来作に登場した技や仕組みも健在で、プレイヤーは多彩な攻撃スタイルを組み合わせながら、自分なりの「最強の忍者」を追求できるのも大きな魅力だろう。
今回のハンズオンでは、まずヤクモをじっくりと操作し、その後にリュウ・ハヤブサも体験することができた。彼も物語の中でしっかりと息づいており、長年のファンにとっては懐かしさと安心感の入り混じった構成になっていたのが印象的だった。同じチャプターをプレイしていても、スピード重視のヤクモと、熟練の技と重みある一撃を持つリュウとで、異なるスタイルの戦いを楽しめるのは非常に面白い。
また、単なるゴリ押しでは突破できない難易度設定も健在で、ただボタンを連打するだけでなく、コンボを組み立てたり、敵の攻撃をあえて待ってからの回避→反撃を狙ったりと、戦略的なプレイが求められる。そこには、昔ながらのアクションゲームに通じる、どこか懐かしい手応えがあった。
チャプター1からすでに歯ごたえのある難易度で、一筋縄ではいかない内容ではあるが、シリーズのファンならきっと満足できる絶妙なバランスに仕上がっている。発売まで約2ヶ月半。今からリリースが楽しみでならない。