
米Metaの日本法人であるFacebook Japanは、自社のソーシャルメディア「Threads」のサービス開始から3周年を前に、都内オフィスで報道関係者向けの説明会を開催。「Threads」の利用動向と今後の戦略について説明した。
直近のグローバルの月間アクティブ利用者数(MAU)は5億人を突破。日本は世界でもトップクラスの成長市場となっており、国内の利用時間は前年比で2.3倍に伸びているという。



Threadsは、SNS上で人と人との会話を活発にすることを目的に開発されたテキスト主体のサービスだ。利用にはInstagramのアカウントが必要で、サービス開始当初はInstagramのフォロー関係を引き継ぐ形で利用されるケースが中心だった。しかし現在は、Instagramとは異なる役割を持つサービスへと変化している。


Facebook Japanの説明によると、ThreadsとInstagramでフォローしているアカウントの大半が異なるユーザーは全体の3分の1を超えた。写真や動画を通じて興味のあるものを見つけるInstagramに対し、Threadsは日常の出来事や考えをテキストで気軽に投稿し、会話を楽しむ場として定着している。
返信文化が根付く日本市場で急成長。3周年を機に新機能を強化

日本では、返信(リプライ)を通じたコミュニケーションが特に活発だ。グローバル全体ではインプレッションの半数以上を返信が占めるが、日本ではその割合がさらに高く、投稿だけでなく返信欄まで含めてコンテンツとして楽しみ、自らも会話に参加する利用者が多いという。
それぞれの投稿の内容にも日本市場の特徴が表れている。サービス開始直後はInstagramの延長として写真や動画を添えた投稿が目立ったが、現在はテキストのみの投稿割合がグローバル平均を上回る。飾らない自然な言葉で日常を共有する文化が広がり、K-POP、育児、スポーツ、ペット、本など幅広いテーマで活発なコミュニティが形成されている。

企業による活用も広がっている。Metaは、Instagramを「新しい興味やブランドと出会う場」、Threadsを「ブランドと利用者が価値観を共有し、対話を深める場」と位置付ける。企業アカウントも一方的な情報発信ではなく、返信を通じたコミュニケーションを重視する運用が増えているという。
広告面でもブランドセーフティを重視しており、第三者機関による検証では広告の隣接コンテンツの99%以上が安全と評価された。運用面では、不適切なキーワードを含む返信の非表示設定や、返信を承認制にできる機能なども提供し、企業が安心して利用できる環境を整えている。
コミュニティ機能やMeta AIで会話体験を拡張
今後は3つの方向性で機能強化を進める。
1つ目は、特定のテーマごとに交流できる「コミュニティ機能」の拡充だ。コミュニティはユーザーが自由に作成する仕組みではなく、特定のトピックに一定数以上の利用者が集まることでシステム側が自動的に形成する。米国ではNBA関連などで先行導入され、日本でも「猫のいる暮らし」や育児、国内アーティスト、スポーツなどのテーマで順次展開が始まっている。
コミュニティでは、その場独自の文化を育てる仕組みも用意される。投稿への「いいね」はコミュニティ独自の絵文字に変更できるほか、「フレア」と呼ばれる属性表示機能も利用できる。例えば野球コミュニティなら応援している球団、本のコミュニティなら好きな作家を表示でき、共通の話題を持つ利用者同士が交流しやすくなる。

2つ目はリアルタイム性の強化。AIが話題になっているトピックを要約し、途中から会話に参加した利用者でも流れを把握しやすくする機能はすでに導入されている。さらに、スポーツ観戦やアーティストの新曲発表などに合わせ、多くの利用者が同時に会話できるライブチャット機能も開発を進めている。ライブチャットは2024年4月から米国の一部コミュニティで提供されており、日本での提供時期は未定だが、今後の展開を予定している。


3つ目はフィード管理機能の充実だ。利用者が自分の興味に合わせて表示内容を細かく管理できる機能群を強化する。

AIとの連携も進める。Threadsでは「@Meta AI」をメンションして質問や依頼を投稿すると、会話形式で回答を受けられる。InstagramやFacebook、Messenger、WhatsAppで提供しているMeta AIと同様の体験をThreads上でも利用できるようにし、日常の会話の中で自然にAIを活用できる環境を整えていく考えだ。
Metaは、日本市場では返信を軸としたコミュニケーションがサービスの成長を支えていると分析しており、今後はコミュニティ機能やAI機能を強化することで、共通の興味や関心を持つ利用者同士がより交流しやすい環境を整えていく方針だ。サービス開始から3周年を迎えたThreadsは、新たなソーシャルメディアとして着実に成熟を続けており、今後もさらなる利用拡大が期待される。



