4月6日、マネックスグループは仮想通貨取引業者「コインチェック」の買収を発表した。買収額は36億円。16日付で全株式(177万5267株)を取得する計画だ。
買収に伴いコインチェックの創業者である和田晃一良社長、大塚雄介取締役は取締役を退任し、執行役員に就く。代表取締役にはマネックスグループの勝屋敏彦最高執行責任者(COO)が就任する。またマネックスグループの松本大CEOも取締役に就任する。
マネックス傘下で経営立て直しを図る
コインチェックは、今年1月に仮想通貨NEMの流出が発生した。被害額は580億円。同流出を受けて、コインチェックは二度の金融庁から業務改善命令を受けていた。
和田晃一良社長、大塚雄介取締役が取締り役を退任する理由は、これらの責任を取ってのことであるとのこと。
今回の買収発表によって、コインチェックの財務状況が明らかになっている。2017年3月期の売上高は約772.3億円、営業利益は約7.8億円、当期純利益は約4.71億円。1株あたり当期純利益は265.5円となっていた。
和田社長、大塚取締役の持株比率はそれぞれ45.2%、5.5%となっているため、買収額から単純計算すると両名はそれぞれ約16.2億円と2億円を受け取ることになる。
マネックスグループはコインチェックの買収によって、本格的に仮想通貨分野に参入する。経営体制を抜本的に見直し、内部管理態勢、内部監査態勢及び経営管理態勢等の強化に取り組むことで、顧客資産の保護を徹底した、安心できる取引環境を提供するとしている。