今年3月発売の新型iPad Pro(2020)には、UWB(ウルトラワイドバンド)を利用可能にする 「U1」 チップが搭載されているとの情報が伝えられていたが、どうやら同チップは搭載されていない可能性が高そうだ。
Appleの内部事情に詳しいJohn Gruber氏が 「新型iPad ProにU1チップは搭載されていない」 と自身のブログ(Daring Fireball)を通して報告している。
新型iPad Proは 「U1」 チップが非搭載
新型iPad Proの 「U1」 チップに関しては、米Apple系メディア9to5Macが開発者向けに配信された 「iOS 13.4 beta 6」 の情報を分析したところ、搭載が確認できたと伝えていたが、John Gruber氏はこの情報を真っ向から否定した。
その理由としては、まずはAppleが公開している技術仕様に記載がなく、プレスリリースなどでも言及がなかったこと。「U1」 チップを搭載したiPhone 11シリーズでは技術仕様に 「空間認識に対応した超広帯域チップ」 と記載があることから、もしiPad Proにも搭載されているのであれば同じように記載があるはず。しかしiPad Proの技術仕様にはそのような記載が確認できない。
また、「U1」 チップ搭載端末ではAirDropでのファイル共有時に端末を向けたユーザーを優先的に表示する機能が利用できるようになっているが、John Gruber氏は新型iPad Proでは同機能が利用できないという点も指摘している。
そして極めつけは、iFixitが公開したiPad Proの分解レポートで 「U1」 チップが確認できなかったこと。基本的にiFixitは搭載されているすべての部品を丁寧に分解するため、「U1」 チップが確認できないということは搭載されていない可能性がかなり高いということになる。
上記の理由から、John Gruber氏は新型iPad Proに 「U1」 チップは搭載されていないと結論づけたとのことだ。
「U1」 チップは前述のとおり、UWB(ウルトラワイドバンド)を利用可能にするAppleの独自チップだ。巷では現在開発中とされる紛失防止タグAirTagに同機能が搭載されており、Apple製品で同製品が括り付けられたものを見つけられるようになるとされている。
しかし、このU1チップが搭載されるのはどうやらiPhoneのみ。つまりiPhoneからでしかAirTagの居場所を見つけられないということになるため、本製品を利用したい方はiPhoneを所有していることが必須条件となりそうだ。
関連記事
・iPad Pro(2020) のRAM容量は6GB 「U1」チップも内蔵
・Appleの紛失防止タグの位置精度は十数センチレベル?iPhone 11からUWBをサポートという情報