
INNOCN(イノセン)は9月10日、日本市場向けの新製品発表会とメディア体験会を開催した。
会場では、同日に発売された49インチのフラットMini LEDウルトラワイドモニター「INNOCN E49M1R」を中心に、49インチのQD-OLEDモニター「INNOCN 49Q1R」、32インチのゲーミングモニター「INNOCN GA32V1M MAX」、クリエイター向けの「INNOCN CB32U1」などを展示していた。
モニター専業メーカーのINNOCNが平面パネルを採用した49インチモデルを国内投入
発表会では、INNOCN Global Marketing ManagerのXinwei LIU氏が登壇し、同社の事業や製品開発について説明した。
INNOCNは2014年に中国・深圳で創業したディスプレイメーカー。現在は70か国以上で製品を展開しており、従業員は3,000人超、そのうち研究開発エンジニアは500人超という。取得特許は260件以上で、グループ全体の年間売上高は500億円超(円換算)としている。
北海、宜昌、南寧、合肥の4拠点に合計33万平方メートルの自社工場を持ち、研究開発から金型製作、SMT実装、最終組立までを自社で行う体制を整えている。
同社が掲げるのは「We Are The Friend Of Every User(私たちはすべてのユーザーの友人である)」というブランドコンセプト。ユーザーの声を聞いて製品を開発すること、実際の使い勝手につながるスペックを選ぶこと、根拠のある数値を提示すること、量産効果を価格に反映すること、購入後もサポートやファームウェア更新を続けることを、製品開発における5つの原則としている。
INNOCNはモニターに開発を集中しており、2021年に日本市場へ本格参入。Amazon公式ストアを開設したほか、2022年には日本で初めてMini LEDモニター「27M2V」を発売した。今回発売したE49M1Rも、こうした同社の製品展開のひとつだ。
E49M1Rは、49インチのウルトラワイドモニター。解像度は5120×1440(DQHD)で、27インチ・2560×1440のモニター2台分に相当する表示領域を、1枚の画面で利用できる。このサイズのウルトラワイドモニターでは曲面パネルを採用する製品が多いが、E49M1Rはフラットパネルを採用しているのが大きな特徴だ。
同社によると、表計算ソフトや金融チャート、CAD、監視画面、データ分析、Webデザイン、動画編集などでは、画面上の直線やレイアウトをそのまま確認したいケースがあるという。曲面パネルでは画面の位置によって見え方が変わるため、こうした用途を想定して平面パネルを採用したとしている。
パネルにはMini LEDバックライトを採用し、1760ゾーンのローカルディミングに対応する。HDRコンテンツでは最大1000ニト、SDRでは標準450nitの輝度を実現。コントラスト比は3000:1となっている。
色域はsRGB 100%、Adobe RGB 96%、DCI-P3 95%(CIE1976カバー率)で、色精度はΔE<2。一般的なPC作業に加えて、写真や動画編集などの用途も想定した仕様となっている。
リフレッシュレートは最大165Hzで、FreeSyncは48〜165Hzに対応。応答速度は2ms(OD)で、MPCS2.0技術も搭載する。Webページのスクロールやウィンドウ操作、ゲームなどで滑らかな表示を実現する。
画面分割機能としてPIPとPBPにも対応する。2台のPCなど異なる映像ソースを1画面に表示でき、左右に並べるPBPと、メイン画面に子画面を表示するPIPを使い分けられる。また、周囲の明るさを検知して画面の輝度を調整する光センサーも搭載する。
インターフェースはHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4×2、USB 3.0×2。5W+5Wのスピーカーも内蔵する。スタンドは高さ調整、チルト、スイベルに対応し、VESA 100×100mmにも対応する。
価格は15万9999円(税込)。9月20日まではAmazon.co.jpで発売記念価格の13万5990円(税込)で販売する。
49Q1Rや4K/160Hz・フルHD/320Hz対応モデルなども展示
会場ではE49M1R以外にも3モデルが展示されていた。
「INNOCN 49Q1R」は、Samsung製QD-OLEDパネルを採用した49インチの曲面ウルトラワイドモニター。解像度は5120×1440、曲率はR1800で、リフレッシュレート144Hz、応答速度0.03ms(GTG)に対応する。
コントラスト比は150万:1で、HDR400 True Blackにも対応。Type-C 90W給電、KVM、PIP/PBP、有線LAN(RJ45)も搭載する。価格は15万9999円(税込、参考価格19万9999円)。
ゲーミング向けの「INNOCN GA32V1M MAX」は、32インチのFast IPSパネルに2304ゾーンのQD-Mini LEDバックライトを組み合わせたモデル。4K・160HzとフルHD・320Hzを切り替えられるデュアルモードに対応する。
画面にはAR+ATWのノングレア処理を施しており、KVM、Type-C 90W給電、背面RGBライティングも搭載する。価格は10万9800円(税込、参考価格11万9800円)。
「INNOCN CB32U1」は、32インチ・4K解像度のIPSモニター。クリエイター向けのモデルで、出荷時に1台ずつカラーキャリブレーションを実施し、ΔE<1の色精度を実現している。キャリブレーションレポートも同梱する。
色域はDCI-P3 99%、Adobe RGB 99%、sRGB 100%。リフレッシュレートは120Hzで、Type-C 90W給電にも対応する。スタンドはピボットに対応しており、画面を縦向きにして使用できる。写真のレタッチやDTP、動画編集などを想定した製品だ。価格は7万9800円(税込、参考価格9万3890円)。
4製品を並べて見ると、INNOCNのディスプレイは用途に合わせてスペックを選びやすいことが分かる。E49M1Rは広い作業領域を重視するユーザー、49Q1Rは大画面でゲームや映像を楽しみたいユーザー、GA32V1M MAXは高解像度と高リフレッシュレートを両立したいゲーマー、CB32U1は色の正確さを重視するクリエイター向けという具合だ。
Macユーザーとの相性を意識した製品が多いことも見逃せない。4Kプロフェッショナルシリーズでは、写真や動画編集を想定して出荷時に色を調整しているほか、Macの表示に合わせた「MacViewモード」を搭載するモデルもある。Macで作業する際の色味を確認しやすいようにした機能だ。
また、CB32U1や49Q1R、GA32V1M MAXはUSB Type-Cによる最大90Wの給電に対応する。MacBookなどとUSB Type-Cケーブル1本で接続すれば、映像出力とデータ通信、MacBookへの給電をまとめられるため、ノートPCを中心に使う環境でも扱いやすい。
さらに49Q1RのようなKVM対応モデルなら、MacBookとWindows PCを1台のモニターに接続し、キーボードやマウスを共有することもできる。MacとWindowsを行き来しながら作業する人にとっては、こうした機能もモニター選びのポイントになるだろう。
Mini LEDやQD-OLEDといった表示技術だけでなく、MacViewモードやUSB Type-C 90W給電、KVMなど、実際の作業環境で使いやすくする機能も揃えているのがINNOCNの製品だ。大画面で作業したい人、ゲームを快適に楽しみたい人、写真や動画の色をしっかり確認したい人など、それぞれの用途に合ったモニターを探しているなら、候補に入れてみてもよさそうだ。
