
Electronic Arts(EA)とBattlefield Studiosは、人気FPSシリーズ最新作『バトルフィールド6』(以下、『BF6』)を2025年10月11日に発売する。
発売に先立ち、8月2日には香港でAPAC向けフォローアップイベントが開催され、日本を含む各国のメディアとインフルエンサーが集結。最新作の先行体験が行われた。

筆者もこのイベントに参加し、会場に並んだハイスペックなゲーミングPCで『バトルフィールド6』をプレイ。マウスとキーボードを握って数分も経たないうちに、「これ、完全にあの頃のBFじゃん!」と思わず口にしていた。
『BF4』を最後にBFシリーズからは離れていた筆者だが、今回のBF6は「原点回帰」を前面に押し出しており、懐かしさと新鮮さが同時に押し寄せる不思議な体験をしてくることができた。
あの頃の「BF」手触りが戻ってきた

『BF6』の舞台は2027年。主要な欧州諸国がNATOを離脱し、アメリカとその同盟国は戦力面で劣勢に立たされていた。その空白を埋めるように台頭したのが、巨大PMC(民間軍事会社)である「PAX ARMATA(パックス・アルマータ)」。豊富な資金力と最新テクノロジーを武器に、国際秩序を代理統治するこの組織と、世界の均衡をめぐる激しい戦いが描かれる。
この時代背景からもわかるように、今回のBFは完全なる現代戦となる。武器も装備も現代でお馴染みのものが採用されていて、『BF3』『BF4』をやり込んだ人なら、お気に入りの武器や装備を迷うことなく選べるはずだ。

マルチプレイヤー対戦では、定番の「コンクエスト」「ブレークスルー」「ラッシュ」に加え、「チームデスマッチ」「分隊デスマッチ」「ドミネーション」「キング・オブ・ザ・ヒル」などの多数のモードで遊ぶことができる。
大規模モードである「コンクエスト」の最大プレイ人数は128人から64人に減った。こう聞くと、最初は「スケールダウン?」と思うかもしれないが、実際はその逆だ。
戦場がギュッと詰まっていて、交戦頻度はかなり高い。常にどこかで撃ち合いが発生しており、無駄に走って人を探す時間はほぼなく、良い意味でカオスな状態が保たれている。

『BF6』のマルチプレイヤーモードでは、プレイヤーはスクワッドと呼ばれる4人編成の分隊の1人として割り振られる。1人でプレイしている場合は自動でどこかのチームに割り振られるが、フレンドがいる場合は一緒に同じチームになることも可能だ。
対戦中には、たとえキルされてしまったとしても、同じチームの中に非戦闘中のメンバーがいれば、そのメンバーの近くから出撃することができる。もしチームの誰かが乗り物に乗っている場合は、その乗り物に乗ってリスポーンすることも可能だ。
待ってました、兵科システム

本作では、お馴染みの「兵科システム」が復活しており、突撃兵、工兵、援護兵、斥候兵の4種類から好きなクラスを選んで戦闘に参加できる。
今回は「トレーニング」システムも加わっていて、敵を倒したり、チームメイトを支援することで成長し、バフやアビリティを得られる。自分の得意分野をさらに強化できる仕組みだ。
筆者のお気に入りは、やはり「突撃兵」。アサルトライフルとアドレナリンの注射器を持って戦場を駆け回る前線特化の兵科で、トレーニングによって体力の回復速度が上がったり、注射器の使用回数が増える。
そのほかにも、スナイパーライフルなどを駆使して遠距離から敵を攻撃することや敵を察知する能力に長けた「斥候兵」、戦車などの車両を修理したり、相手の車両に甚大なダメージを与える「工兵」、味方の弾薬を補給したり、味方を蘇生させるのに特化した「援護兵」がある。
自分が得意な兵科を使うのはもちろん、もし色々な兵科でプレイできるのであれば、チーム内でのバランスを考えて兵科を選ぶことで、バランスの良い分隊が出来上がるはずだ。

兵科を選択して装備を整えたら、いよいよ戦場へ。
最初は小規模戦闘の「ドミネーション」をプレイ。戦車などの乗り物はなく、シンプルに歩兵のみで戦い、マップ上にあるA・B・Cの目標地点を長時間確保することが勝利条件となっている。
マップが小規模だと敵との交戦がかなり早く、展開はかなりスピーディー。こっちが相手を倒したと思ったらすぐに別の敵がやってきてやられてしまい、またすぐにリスポーンしては倒したり、倒されたり。

今作では、倒れた味方を引きずって安全な場所で蘇生することができるようになり、今回の体験中にも何度か味方に蘇生してもらうことができた。
BFシリーズは激しい攻防戦の中で誰かを蘇生している余裕がなく、基本的に蘇生を要請しても誰も助けてくれないことが多かったが、これなら周囲の様子を見ながら蘇生してもらったり、逆に味方を蘇生することも多くなりそうだ。


次はいよいよ本命の「コンクエスト」をプレイ。戦車や装甲車に加えて、頭上をヘリや戦闘機が飛び交う大規模戦闘モードだ。開始早々、戦闘機がものすごい勢いで地面に追突する現場を目の当たりにし、「あぁ、BFだなぁ……」とほっこり。

戦車や装甲車が目の前に来ると、つい乗りたくなってしまうのがBF勢の性。体験中にも「さぁ乗れ!」と言わんばかりにリスポーンしたばかりの味方を拾っていく装甲車がいて、笑いながら便乗させてもらった。

コンクエストでは、Frostbiteエンジン最新版で実装された「Tactical Destruction」がどんなものなのかを身をもって体験することができた。建物の壁を少しだけ壊して射線を作ったり、敵の足元を吹き飛ばして落下させたりと、破壊がそのまま戦術になる。崩れた瓦礫はその場に残るため、そこを登って射線を変えるという戦術もアリだ。
懐かしのマップ「Operation Firestorm」も復刻

『BF6』のマップについて、個人的にテンションが上がったのは「Operation Firestorm」の復刻。あの石油施設の混沌とした戦闘が再び味わえるのは胸熱だ。このほかにも過去作をプレイしてきたユーザーに嬉しいアップデートが用意されているようだ。
個人的には、『BF4』でプレイしまくった「Operation Locker」のほか、敵味方が一緒になって巨大鮫メガロドンの出現を見守る「Nansha Strike」などが復刻すれば面白いなと思っている。
ルールやマップを自由に作れる「Portal」もパワーアップ。災害演出や建物破壊まで仕込めるので、遊び方の幅が広がっている。今後もコミュニティの意見を取り入れて更新していくとのことで、発売後の寿命も長そうだ。
まとめ

今回の『BF6』は、最新のグラフィックと技術で武装しながらも、プレイ感はまるでBF3やBF4の頃にタイムスリップしたようだった。
理由は、マップ構造や戦闘テンポといったゲームデザインが“原点回帰”していること、そして操作感や武器のリコイル感などコア部分の手触りが当時のままだからだ。UIや演出も過去作の雰囲気をうまく取り入れていて、懐かしさと新しさが同居している。

『BF4』以来シリーズから離れていた自分でも、数試合で感覚を取り戻し、気づけば夢中で戦場を駆け回っていた。混沌、緊張感、破壊の爽快感、仲間との連携。全部ちゃんと帰ってきている。
パッケージ版は10月10日、ダウンロード版は10月11日発売。オープンベータは8月9日〜11日と14日〜18日に開催される。往年のBFファンならとりあえずこのベータで戦場に帰還してみてほしい。
(取材協力:Electronic Arts)