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Vision Proを被れば、そこはベルナベウ。Apple Immersive最新作『レアル・マドリード 王者の重圧』先行体験レポート

Appleは、Apple Immersiveの最新作『Real Madrid: The Weight of Greatness』(邦題:『レアル・マドリード 王者の重圧』)を5月22日(金)に配信する。対応デバイスはApple Vision Proで、Apple TVアプリから無料で視聴できる。

今回、正式配信に先立って本作を体験する機会を得た。Apple Vision Proを装着してしばらくすると、「映像を観ている」という感覚が薄れていく。目の前にはスタジアムの通路が広がり、選手が横を通り過ぎ、歓声が空間全体から響いてくる。気づけば、自分がレアル・マドリードの一員として現場に立っているような気分になっていた。

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レアル・マドリードの舞台裏をほぼ「現地感覚」で味わえるドキュメンタリー番組

本作は、世界的フットボールクラブのレアル・マドリードCFに密着した約20分のドキュメンタリーだ。2025年のUEFAチャンピオンズリーグ期間中に5日間かけて撮影され、キリアン・ムバッペ、ジュード・ベリンガム、ヴィニシウス・ジュニオール、ティボー・クルトワら主力選手も登場する。

撮影には30台以上のBlackmagic URSA Cine Immersiveカメラを使用。練習場であるシウダード・レアル・マドリード、本拠地であるサンティアゴ・ベルナベウ、そしてスタジアムのロッカールーム、ベンチ横、地下通路など、通常の中継ではまず見られない場所にもカメラが入っている。

Apple Immersiveは、180度視野の8K・3D映像と空間オーディオを組み合わせた映像フォーマットだ。Vision Proで視聴すると、映像が「画面」として存在するのではなく、空間そのものとして周囲に広がる。だからこそ、観客席から試合を眺めるのではなく、チームの内部に入り込んでいるような没入感を味わえる。

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ピッチのすぐ横に立ってスターたちの試合を観ているような感覚

ビデオを通じて最も印象に残るのは、やはり試合シーンの迫力だ。

選手のすぐ横から撮影されたカットでは、飛んでくるボールの回転感や選手のスパイクによって飛び交う芝の質感、選手同士がぶつかる音までリアルに伝わってくる。テレビ中継で見慣れたサッカーとは距離感がまったく違い、「こんな近さで試合が行われているのか」と驚かされる。

トンネルからピッチへ向かうシーンも印象深い。地下通路を歩く選手たち、その先から聞こえてくる観客の大歓声、緊張感の漂う空気――。Apple Vision Pro越しでも、スタジアム独特の高揚感がしっかり伝わってくる。

ロッカールームでは、試合前の静かな時間も収録されている。選手たちの表情や仕草がすぐ近くで見えるため、ピッチ上とはまた違う緊張感がある。

また、Apple Immersiveならではと感じたのが空間の「奥行き」表現だ。ベルナベウのピッチの下には芝を育てるためのファームが眠っているのはサッカーファンによって有名な話だが、この「地下神殿」を映したシーンでは、通路の長さや空間の広がりを自然に体感できる。普通の映像なら平面的に見えがちな場面でも、Vision Proでは実際にその場所へ入り込んだような感覚になる。

本作では、サポーター側の視点も数多く収録されている。スポーツバーで試合を観る人、観客席で声を張り上げるファン、自宅で祈るように見守るサポーターたち。

それぞれの表情や空気感がとても近い距離で伝わってくる。歓声の大きさだけではなく、「この試合に人生を懸けている」という熱量まで感じられる。空間オーディオの効果もあり、観客のどこから声が上がっているのかも自然に分かるため、ベルナベウの熱狂をそのまま体験しているようだった。

「スポーツ観戦の未来」と感じた理由

本作を観ていて何度も感じたのは、「スポーツ観戦の形が変わるかもしれない」という感覚だ。

筆者はスペインでのサッカー観戦の経験はないが、実は昨年に欧州各国を1ヶ月かけて取材して回った際に、セリエAの試合を見る機会があった。インテルナツィオナーレ・ミラノとASローマだった。

初めての欧州サッカーの観戦ということで緊張と期待に入り混じる複雑な心境のなか現地スタジアムに乗り込んだことを覚えているが、スタジアムに入るや否や感じたあの熱気と高揚感に鳥肌が立ったことを覚えている。

セリエAを観戦したあとイタリアサッカーに興味が湧き、何度かサン・シーロ(インテルナツィオナーレ・ミラノの本拠地、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァとも)の試合をテレビで観ることもあった。しかし、現地で味わった空気感や熱狂までは再現されず、「思い出をなぞる」感覚に近かった。

だが、『Real Madrid: The Weight of Greatness』を観ていると、当時スタジアムで感じた感覚が自然と思い出された。

特に試合シーンは圧巻だ。ピッチレベルの視点で選手たちのプレーを追う感覚は、従来のテレビ中継とは完全に別物だった。ボールが目の前を横切り、選手同士が激しくぶつかり合い、観客の歓声が空間全体を包み込む。その臨場感は、「観る」というより「その場にいる」に近い。

選手インタビュー、試合前後の静けさ、スタジアムの構造美、観客の表情など、スポーツドキュメンタリーとしての完成度も高い。映像と音楽、空間表現の組み合わせも自然で、20分という短さ以上の満足感があった。

現時点ではApple Vision Proが必要で、誰でもすぐ体験できるわけではない。ただ、本作を観終えたあと「今後はこういう形でライブスポーツを観てみたい」と素直に感じたのも事実だ。

『Real Madrid: The Weight of Greatness』は、レアル・マドリードの舞台裏を描くドキュメンタリーであると同時に、Apple Immersiveという映像表現の可能性を強く感じさせる作品だった。5月22日より配信開始となる本作。Apple Vision Proをお持ちの方はもちろん、Apple Storeなどで視聴することができるため、サッカーファンの方や、欧州サッカーの熱気を味わってみたいと思っている方にぜひ体験してみてほしい。

(画像提供:Apple)