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Appleの次世代SoC 「M3/M3 Pro/M3 Max」 詳細まとめ。M2世代からどう進化した?

現地時間10月30日、米Appleは新製品発表イベント 「Scary Fast.」 を開催。新型14/16インチMacBook Proと24インチiMacを発表するとともに、これらのデバイスに搭載する次世代のSoC 「M3/M3 Pro/M3 Max」 を発表した。

Appleは 「M3/M3 Pro/M3 Max」 チップについて、 「これまででもっとも先進的なパーソナルコンピュータ用チップ」 と謳い、先代のM2世代チップに比べて大幅に性能が向上していることを明らかにした。

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次世代SoC 「M3/M3 Pro/M3 Max」 が発表

「M3/M3 Pro/M3 Max」 チップは、業界最先端の3nmプロセスで製造。極端紫外線 (波長13.5nm) を用いる次世代露光技術である「 極端紫外線リソグラフィ」 によって、髪の毛の断面ほどの大きさにトランジスタを200万個を組み込める微細化が可能に。

その結果、トータルのトランジスタ数はM3チップが250億個、M3 Proチップが370個、M3 Maxチップが920億個へと増え、高性能コアは電力効率を維持しながらもM1チップに比べて30%、M2世代に比べて15%高速化。高効率コアについても、M1世代に比べて50%、M2世代に比べて30%高速化を果たしている。

他社のノートPC向け12コアCPUに比べると、同じCPUパフォーマンスに対する消費電力はわずか1/4で済むと、Appleはアピールする。ちなみに、3nmプロセスで製造したSoCは、iPhone向けSoC 「A17 Pro」 ですでに導入されているが、Mac向けSoCとしては初。

M3チップは、8コアCPU/8コアGPUあるいは8コアCPU/10コアGPUで構成され、CPUパフォーマンスはM1に比べて最大64%高速に。

M3 Proチップは、M3の性能をさらに強化した設計で、主にプログラマーやクリエイター、研究者などプロユーザー向けのSoC仕様になっている。11コアCPU/14コアGPUあるいは12コアCPU/18コアGPUの2つのSKUが用意され、CPUパフォーマンスはM1 Proに比べると最大40%高速になっている。

最後にM3 MaxチップはM3 Proのさらに上の性能を持ち、3Dグラフィックのアーティストや高度なビデオ編集者など、負荷の高い作業を行うハイエンドユーザー向けのSoCになっている。14コアCPU/30コアGPU構成と、16コアCPU/40コアGPUの2つのSKUが用意され、CPUパフォーマンスはM1 Maxに比べて最大80%高速化されている。

また、最大の進化はGPU性能の向上にあるという。M3世代のSoCには、Appleシリコンで初となる次世代のグラフィックアーキテクチャと実装し、新たな機能として 「Dynamic Caching (ダイナミック・キャッシング)」 を搭載した。

従来のグラフィックアーキテクチャでは、これから発生するタスクに割り当てるローカルGPUメモリの量をソフトウェアがコンパイルする際に決定。もっとも負荷が大きなひとつのタスクをもとに、各タスクに対して同量のメモリが確保される。これだとGPUを十分に活用することが難しい。

一方で、Appleの次世代アーキテクチャでは、ハードウェアのなかで、ローカルメモリが動的かつリアルタイムで割り当てられる。その結果、それぞれのタスクに必要な量のメモリが消費されるようになり、GPUのアベレージの使用率を下げることができるようになる。この恩恵は複雑な作業、もっと具体的にいうとプロ向けのクリエイティブソフトや3Dゲームなどでパフォーマンスが大幅に向上する。

Appleによると、次世代アーキテクチャの導入によりレンダリングパフォーマンスはM1世代に比べて最大2.5倍、M2世代に比べて最大1.8倍高速になるとのこと。

さらに、ハードウェアレベルのレイトレーシングもサポートすることで、Macではじめてレイトレーシング技術を使用したコンテンツを体験できるようになる。3Dオブジェクトに対して当たった光がよりリアルに反射させることが可能になり、ゲームシーンにおける没入感をより向上させることができる。3D映像の制作にも役立つだろう。

Neural Engine (ニューラルエンジン) についても、一段と早く、高効率なものを搭載するようになった。M1世代に比べると60%、M2世代のチップに比べても15%高速化を果たしたとのこと。データはすべてオンデバイスで処理されるため、プライバシーに関してはしっかりと守られる。

そしてメディアエンジンについては、一般的なビデオコーデックのハードウェアアクセラレーション (H.264/HEVC/ProRes/ProRes RAW) に加えて、新たにAV1もサポートするように。高い電力効率でYouTubeやNetflixの動画をストリーミング視聴することが可能になった。

M3世代のSoCは、いずれも最大128GBユニファイドメモリをサポート。AIデベロッパーは数十億のパラメーターを使って巨大なTransformerモデルを扱うことができるという。

ちなみに、M3 Pro/M3 Maxの一部SKUについては、先代のM2 Pro/M2 Maxに比べてメモリ帯域が減少している。具体的には、M3 Proが200GB/s → 150GB/s、M3 Maxが14コアCPU/30コアGPUモデルのみ400GB/s → 300GB/s となり、M3 Maxの14コアCPU/40コアGPUのみ先代SoCと同じメモリ帯域幅400GB/sを維持するかたちだ。

外部ディスプレイは、M3チップが最大1台の6K/60Hzディスプレイをサポートするのに対して、M3 Proは最大2台の6K/60Hzディスプレイをサポートする。また、M3 Maxに関しては最大4台のディスプレイ (6K/60Hzが3台+4K/144Hzが1台)をサポートする。

「M3/M3 Pro/M3 Max」 はまず新型14/16インチMacBook Proと新型24インチiMacに搭載されるが、今後はMacBook AirやMac mini、Mac ProなどさまざまなMacに同SoCが搭載されていくことが予想される。M3チップについてはiPad ProやiPad AirなどiPad製品にも展開されることになりそうだ。

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(画像:Apple)