
Appleは現地時間10月30日、2025年第4四半期(7〜9月期)の決算を発表した。売上高は1,025億ドル(前年同期比+8%)、純利益は275億ドル(前年同期比+86.4%)、希薄化後1株当たり利益(EPS)は1.85ドルで、いずれも市場予想を上回った。アナリストの予想は売上高1,022億ドル、EPS 1.78ドルだった。
純利益が大きく伸びているが、これは前年同期の決算時において、欧州司法裁判所がAppleに課した130億ユーロ(約2兆円相当)の課徴金を計上したことが影響した結果で、これを除けば前年同期のEPSは1.64ドル相当となり、実質的には成長を維持していると言える。
粗利益率は47.2%と、前年の46.2%から上昇。Appleは株主に対し1株あたり0.26ドルの四半期配当を発表している。なお、支払日は11月13日、基準日は11月10日。
CEOのティム・クック氏は「iPhone、サービスの両部門で9月期として過去最高の売上を達成した」とコメントし、CFOのケバン・パレク氏は「すべての製品カテゴリーと地域でアクティブデバイスのインストールベースが過去最高を更新した」と述べた。
各製品の売上高、会社全体の売上高・純利益(および増減)は以下表のとおり。
| 総売上高 | 1024億6600万ドル (+7.9%) | 
|---|---|
| 純利益 | 274億6600万ドル (+86.4%) | 
| 製品カテゴリー | 売上高 | 
|---|---|
| iPhone | 490億2500万ドル (+6.1%) | 
| Mac | 87億2600万ドル (+12.7%) | 
| iPad | 69億5200ドル (±0%) | 
| Wearable & Home | 90億1300万ドル (-0.3%) | 
| Service | 287億5000万ドル (+15.1%) | 
| 地域 | 売上高 | 
|---|---|
| アメリカ | 441億9200万ドル (+6.1%) | 
| ヨーロッパ | 287億300万ドル (+15.2%) | 
| 中国 | 144億9300万ドル (-3.6%) | 
| 日本 | 66億3600万ドル (+12.0%) | 
| アジア太平洋地域 | 84億4200万ドル (+14.3%) | 
中国の販売が予想を下回るも、他地域は2桁成長
地理別の売上をみると、アメリカが前年同期比+6.1%、ヨーロッパが+15.2%、日本が+12.0%、アジア太平洋地域(中国以外)が+14.3%といずれも堅調だった。
唯一の例外が中国本土を含む大中華圏で、売上高は145億ドル(−3.6%)。市場予想の164億ドルを大きく下回り、今回の決算の “陰” となった。クックCEOはこの点について、「中国市場は依然として重要であり、iPhone 17シリーズの本格的な出荷が進む12月期には改善を見込んでいる」と述べている。
製品カテゴリー別では、
- iPhone:490億ドル(+6.1%)
- Mac:87億ドル(+12.7%)
- iPad:69億ドル(ほぼ横ばい)
- Wearables/Home/Accessories:90億ドル(−0.3%)
- Services:288億ドル(+15.1%)
となり、サービス部門が引き続き成長の柱となった。Apple Music、iCloud、App Storeなどのサブスクリプション収益が堅調で、過去最高の売上を更新している。
iPhone 17シリーズが好調、供給制約も

今期のiPhone売上はアナリスト予想(約502億ドル)をわずかに下回ったが、クックCEOによると「iPhone 17シリーズの複数モデルで供給制約が発生していた」とのこと。特にiPhone 17 Pro Maxは発売直後から品薄状態となり、オンライン出荷が2〜3週間待ちの状況が続いた。 それでもAppleは「販売台数では前年を上回っており、売上の取りこぼしは次期四半期で補われる」としている。
また、9月にはiPhone 17/17 Pro/17 Pro Max/iPhone Airを投入。さらにAirPods Pro 3、Apple Watch Series 11/Ultra 3/SE 3をリリースし、四半期終盤にはM5チップ搭載のMacBook ProとiPad Proも登場した。クックCEOは「ホリデーシーズンに向けて、史上最も充実した製品ラインナップが揃った」と自信を見せる。
通期も過去最高更新、次期四半期は「史上最大」へ

2025会計年度(2024年10月〜2025年9月)の通期売上は4,162億ドル(約63兆円)、純利益は1,120億ドル(約17兆円)と、ともに過去最高を更新。2024年度の3910億ドル/937億ドルから大幅な増収増益となった。
クックCEOは決算説明会において、次の四半期(2025年10〜12月期)について、「売上は前年比10〜12%の成長を見込み、iPhone部門は2桁成長を達成する。これにより、12月期はApple史上最高の四半期となる見通し」と述べている。アナリストが予想していたガイダンス(1323億ドル)を大幅に上回る水準で、成長率11%なら約1,367億ドルに達する計算だ。昨年のホリデー期(1,243億ドル)を軽く上回ることになる。
発表直後、Apple株は時間外取引で一時3.5%上昇。通常取引の終値(米東部時間16時時点)比では横ばい〜小幅高で推移している。市場では「中国の鈍化は一時的」「サービスとハイエンドiPhoneの強さが収益構造を支える」との評価が多く、特にEPSの上振れと高い利益率を好感する声が目立つ。
今回の決算は、中国の減速を除けば極めて堅調だった。iPhoneとサービスがそれぞれ過去最高を更新し、MacもM5チップ投入で勢いを取り戻している。ハードとサブスクリプションという2本柱で収益の安定化が進んでおり、Appleの成長は依然として盤石だ。
次期四半期(10〜12月期)は、iPhone 17シリーズのフル販売期間となる。クックCEOが語る「史上最大のホリデーシーズン」が実現するかどうか。Appleにとって2025年の締めくくりは、再び歴史的な四半期となりそうだ。
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