
Appleは米国時間6月30日、クリエイター向けアプリ群をまとめたサブスクリプションサービス「Apple Creator Studio」の大型アップデートを発表した。Final Cut ProやLogic Pro、Pixelmator Pro、Keynote、Pages、Numbersなどの連携を強化したほか、デバイス上で動作するAI機能を各アプリに追加する。
Apple Creator Studioは、Mac、iPad、iPhone向けに提供されるクリエイティブアプリをまとめたサービス。今回のアップデートでは、アプリ同士のデータ受け渡しを強化し、動画編集、画像編集、プレゼンテーション、音楽制作まで一連の制作フローをよりスムーズに行えるようになった。
Final Cut ProやPixelmator Proの連携を強化、AI機能も追加

Final Cut Proには、音声から字幕を自動生成する「Generate Captions」と、書き出し済み動画から編集点を自動検出する「Edit Detection」を追加した。Generate Captionsはデバイス上のAIを利用し、音声を書き起こしてタイムライン上へ自動配置する機能で、フォントや色、位置、アニメーションも調整できる。なお、現時点では米国英語のみ対応となる。

Mac版では新たに「Auto Mask」も利用できる。肌や髪、空、葉、衣服などをAIが認識し、対象を簡単に選択して色補正やエフェクトを適用できる機能で、既存のマグネティックマスクとも組み合わせられる。あわせて、マッチカラー機能の精度向上や、1フレーム単位でイン点・アウト点を調整できる「Advanced Trimming」も追加された。
Final Cut ProからPixelmator Proへの連携も強化された。編集画面からフレームを直接Pixelmator Proへ送り、サムネイル画像やSNS向けグラフィックを制作し、そのままタイムラインへ戻せる。

Motionではベクター画像のネイティブ対応や、複数レイヤーを効率よく配置できる「Distribute Layers」を追加。CompressorはApple Vision Pro向け180度映像フォーマット「Apple Projected Media Profile」や、Immersive Metadata Viewer、Stereoscopic Video PreviewのAnaglyph Viewに対応する。
iPhone・iPad向けの無料撮影アプリ「Final Cut Camera」では、クリーンHDMI出力をサポートしたほか、ProRes LTを含むProRes形式への対応を拡充。デジタルズームを無効化し、光学画質を維持したまま撮影する機能も利用できる。

画像編集アプリPixelmator ProもApple Creator Studio全体との統合が進む。Keynote、Pages、Numbersでは、書類内の画像を直接Pixelmator Proで開いて編集でき、変更内容は自動で反映される。
Pixelmator Pro、Keynote、Pages、Numbersでは、テキスト入力からベクター図形を生成する機能に対応し、生成した図形はコレクションとして保存できる。また、Pixelmator Proでは自然言語による画像生成や編集機能に加え、高品質な写真やイラスト、グラフィック素材を閲覧できる「コンテンツハブ」も利用できる。
Keynoteには新しいトランジションやビルドアニメーションを追加。PagesはiPhone・iPad版で自動ハイフネーションと不可視文字表示に対応した。Numbersではシートの色分けや非表示機能を利用できるようになる。
iOS 27、iPadOS 27、macOS 27では、フリーボードにも図形生成機能やPixelmator Proとの連携機能が追加されるほか、ダークモード、フォルダ整理、Macでの描画機能も導入される。

Logic Proもアップデートされる。コード解析機能「コードID」を刷新し、転回形やテンションコードなど複雑な和音にも対応。歪んだギターやチューニングがわずかにずれたピアノでも認識精度を高め、Session Playerがコード進行により自然に追従できるようになった。
新たな「Producer Project」では、グラミー賞受賞プロデューサーのKhris Riddick-Tynes氏が手がけた楽曲「Shoulda Never」の制作プロジェクトを収録。マルチトラック音源やMIDIデータ、ボーカルテイクなどを当時の状態で確認でき、実際の制作工程を学べる。
Alchemyには新しいグラニュラー合成モードを追加し、専用の「Granular Alchemy」サウンドパックも提供する。Beat BreakerもMacとiPadへ対応範囲を広げ、新たなフィルターやパンモード、ランダム化機能を利用できる。
Apple Creator Studioのアップデートは本日から提供を開始する。料金は月額1,780円または年額1万7800円で、学生・教職員向けには月額480円または年額4800円のプランを用意する。新規ユーザーは1か月間無料で利用でき、対象のMacまたはiPad購入者には3か月間の無料利用特典も提供する。
なお、Final Cut Pro(5万円)、Logic Pro(3万円)、Pixelmator Pro(8,000円)、Motion(8,000円)、Compressor(8,000円)、MainStage(5,000円)はMac App Storeで買い切り版の購入も可能だ。
(画像:Apple)



