Apple、2022年第3四半期決算を発表。iPhoneの販売堅調も10%減益

現地時間7月28日、Appleは2022年第3四半期(2022年4~6月期)の決算発表を行った。

同四半期の売上高は829億5900万ドル(約11兆1410万円)で、前年同期比2%増。純利益は194億4200万ドルで前年同期比10%減。1株あたり利益は1.20ドル。

参考情報として、昨年同期 (2021年第3四半期) は売上814億3400万ドル、純利益は217億4400万ドルだった。

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iPhoneは堅調維持も、純利益は10%減

各製品の売上高、会社全体の売上高・純利益 (および増減) は以下表のとおり。

総売上高 / 純利益 (カッコ内は前年同期比)
総売上高 829億5900万ドル ( +2% )
純利益 194億4200万ドル ( -11% )
各製品の売上高 (カッコ内は前年同期比)
  売上高
iPhone 406億6500万ドル ( +3% )
Mac 73億8200万ドル ( -10% )
iPad 72億2400ドル ( -2% )
Wearable & Home 80億8400万ドル ( -8% )
Service 196億400万ドル ( +12% )

今期の決算は売上高こそ前年同期比2%増となったものの、中国のロックダウン、サプライチェーン問題などが影響し、純利益は前年同期比11%減となった。

ただし、Appleは今年4月、中国のロックダウンを発端とした部品供給制約により2022年第3四半期の業績が下押しされる可能性があるとしていたが、今回の決算の数字をみる限りこの問題をどうにか乗り切ることには成功したようだ。

地域別の売上高 (カッコ内は前年同期比)
地域 売上高
アメリカ 374億7200万ドル ( +5% )
ヨーロッパ 192億8700万ドル ( +2% )
中国 146億400万ドル ( -1% )
日本 54億4600万ドル ( -16% )
アジア太平洋地域 61億5000万ドル ( +14% )

米国の記録的なインフレやサプライチェーンの制約などで経営環境が厳しさを増すなか、売上を更新できたのはiPhoneの販売が堅調であったことが大きかったとみられる。

半導体不足はiPadやMacなどの販売を鈍らせた。製造数が供給に追いつかなかったことが原因で、iPadの売上は前年同期比2%、Macは前年同期比10%減となった。一方で、iPhoneの売上高は昨年同期比で約3%増となっており、またApple PayやApple Musicなどが入るサービス部門 (前年同期比12%増) も売上増に貢献。iPadやMac、ウェアラブルデバイスの売上減少を補うことに成功したようだ。なお、iPhoneとiPadの売上高は事前の市場予測を上回ったかたちとなる。

米国の景気後退も囁かれているが、しかしCEOティム・クック氏は今後の業績にはやや楽観的のようだ。

2022年第4四半期は主力であるiPhoneシリーズの最新機種が投入される見込みであることに加えて、Apple WatchやAirPodsシリーズの新モデルの投入が予想されている。一部軟調な部門もあるものの、これらの新製品の投入は、業績の売上を押し上げることができると予想している。

地域別に見ると、米国と欧州では2〜5%増加、アジア太平洋地域では14%の売上増となったが、中国では1%減となった。

なお、日本市場における売上減少が続いている。二桁減は2022年第1四半期以来。今期決算に関しては、6月にMac製品の大幅値上げがあったことが影響した可能性がある。また、7月1日にiPhoneを含む各種製品の値上げをおこなっているが、この影響は次回決算(2022年第4四半期)に表れてくるものとみられる。

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