
現地時間9月9日、Appleは新製品発表イベント 「Awe dropping.」 を開催し、完全ワイヤレスイヤホン 「AirPods Pro 3」 を発表、同日より予約受付を開始した。発売は9月19日を予定している。
「AirPods Pro 3」 は3年ぶりの大型アップデートとなっており、世界最高レベルを謳うアクティブノイズキャンセリング(ANC) や新たに搭載した心拍センサー、そしてライブ翻訳機能の追加が目玉となっている。
昨年登場した 「AirPods 4」 は、AirPods Proよりも安価ながらノイズキャンセリング機能を搭載したモデルが登場したことで話題になったが、今回の 「AirPods Pro 3」 とはどれほどの違いがあるのだろうか。
本稿では 「AirPods 4」 と 「AirPods Pro 3」 を徹底比較してみた。どちらのイヤホンが自分に合っているのか、チェックしてみていただきたい。
また、記事の最後ではAirPodsシリーズの中で唯一のオーバーイヤーヘッドホン 「AirPods Max」 との比較表も掲載している。ヘッドホンも含めてAirPodsシリーズ全体で比較したい方はそちらも参考になれば幸いだ。
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AirPodsシリーズのラインアップ
詳細な比較を始める前に、まずは現時点で販売されているAirPodsのラインアップについて簡単に紹介しておこう。

「AirPods 4」 は、エントリーモデルに位置する製品。ノイズキャンセリング機能を搭載しない通常モデルとANC (アクティブノイズキャンセリング) 搭載モデルの2種類があり、ANC搭載モデルのほうが8,000円高いものの、ANCによって快適なリスニング環境を構築できる。

「AirPods Pro 3」 は、AirPodsシリーズのイヤホンの中ではハイエンドの製品で、「AirPods 4」 の上位モデルにあたる製品。「AirPods 4」 と同じオープンイヤー構造ではあるものの、イヤーチップが装着でき、カナル型イヤホンのように密閉度の高い装着感を実現する。
また、Appleは本イヤホンのANCについて、「AirPods 4」 の最大4倍のノイズをシャットアウトできるとアピールしていることから、より静かな環境を構築できるのは 「AirPods Pro 3」 ということになる。
デザイン

AirPodsシリーズは、いずれもポッド (豆) 部分とステム (軸) 部分のふたつのパーツによって構成されている。
AirPodsシリーズといえばポッドから縦に伸びるステムが特長的で、以前は “耳から垂れたうどん” と揶揄されたこともあったが、現在のモデルはいずれもステムが短くなり、手や髪に引っかかりにくくなったほか、デザインも洗練されたことから今では “うどん” と呼ぶユーザーも少なくなり、より多くのユーザーに受け入れた印象だ。
項目\製品 | AirPods 4(ANC非搭載) | AirPods 4(ANC搭載) | AirPods Pro 2 |
---|---|---|---|
イヤーチップ/イヤークッションのカスタマイズ | × | × | ◯ |

デザイン面で大きく異なるのが、ポッド部分にイヤーチップが装着できるか否か。「AirPods 4」 はイヤーチップがないのに対し、「AirPods Pro 3」 はイヤーチップを装着できることから、どちらかというと外音の遮断やフィット感に優れるのは 「AirPods Pro 3」 ということになる。
さらに、「AirPods Pro 3」 は1万以上の耳の3Dスキャンと10万時間に及ぶリスニングテストをもとに設計を最適化したという。AirPods本体をより小型化し、5サイズのイヤーチップ(新たにXXSを追加)を用意することで、より幅広いユーザーにフィットしやすくなった。
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製品サイズ・重量

AirPodsシリーズのサイズ・重量は以下。
項目\製品 | AirPods 4(ANC非搭載) | AirPods 4(ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
本体サイズ | 高さ:30.2mm 幅:18.3mm 厚さ:18.1mm | 高さ:30.2mm 幅:18.3mm 厚さ:18.1mm | 高さ:30.9mm 幅:19.2mm 厚さ:27.0mm |
本体重量 | 4.3g | 4.3g | 5.55g |
充電ケースサイズ | 高さ:46.2mm 幅:50.1mm 厚さ:21.2mm | 高さ:46.2mm 幅:50.1mm 厚さ:21.2mm | 高さ:47.2mm 幅:62.2mm 厚さ:21.8mm |
充電ケース重量 | 32.3g | 34.7g | 43.99g |
イヤホンそのもののサイズは、AirPods Pro 3が少し厚めではあるものの、いずれのモデルもさほど変わらず。充電ケースについても 「AirPods Pro 3」 が若干幅広だが、ポケットやカバンに入れて持ち運ぶ分には大きな違いはないはずだ。
重量も 「AirPods Pro 3」 がもっとも重くなっているが、「AirPods 4」 との差は本体のみの重量で約1g、充電ケース込みの重量でも約10gの違いしかないため、この点もほぼ気にしなくてOKだろう。
イヤホンのコントロール

AirPodsシリーズはいずれのモデルもステム部に感圧センサーを搭載していて、これをプチッとつまむことで音楽の再生・停止などをコントロールしたり、Siriが起動できたりする。
ステムの操作 | AirPods 4(ANC非搭載) | AirPods 4(ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
操作方式 | 感圧センサー | 感圧センサー | タッチコントロール |
モード切り替え | × | ◯ | ◯ |
上下スワイプ | × | × | ◯ |
ANCを搭載した 「AirPods 4 (ANC搭載モデル)」 と 「AirPods Pro 3」 は感圧センサーの長押しでANCと外部音取り込みモードを切り替え可能。さらに 「AirPods Pro 3」 の場合はセンサー部を上下にスワイプすることで音量調節が可能だ。
ANC (アクティブノイズキャンセリング)

AirPodsシリーズの最大の目玉機能であるANC (アクティブノイズキャンセリング) は、従来までは上位の 「AirPods Pro」 モデル限定の機能だったのだが、「AirPods 4」 にANC搭載モデルが登場したことで、3モデルのうち2モデルがANCを利用できるように。
「AirPods Pro 3」 より1万円安い 「AirPods 4」 でもANCが使えるため、予算の関係でANC搭載イヤホンに手が出せなかった人もANCの恩恵を受けられるようになった。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
ANC(アクティブノイズキャンセリング) | × | ◯ | ◎ (AirPods 4よりも高度なノイズキャンセリング) |
ただしANCの性能には差があり、「AirPods Pro 2」 のANCは 「AirPods 4」 の最大4倍の雑音を除去できるという。どれほどのノイキャン性能になっているのかは実機でチェックしたいと思っているため、今後公開予定のレビューをチェックいただきたい。
ちなみに、前モデルの 「AirPods Pro 2」 のANCは、オンにすると周囲のほとんどの音が遠ざかるような感覚があり、他社のイヤホンと比べてANC性能はかなり高いように感じている。さすがに電車の走行音などを完全に消し去ることは不可能だが、飛行機のジェット音やエアコンの空調の音など断続的に低周波の音が鳴る場合には割とうまく消し去ることができる。
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外部音取り込みモード・適応型オーディオ

「AirPods 4」 のANC搭載モデルと 「AirPods Pro 3」 は、ANCに加えて、イヤホンをしている状態であえて外の音を取り込む 「外部音取り込みモード」 に対応する。コンビニでちょっと買い物するときにイヤホンを外さず会計できたり、車通りの多い道を通るときに安全のために外の音を聞いたりと何かと役に立つ機能だ。
ANCと外部音取り込みモードは、ステムの感圧センサーを長押しすることで簡単に切り替えできる。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
外部音取り込みモード | × | ◯ | ◯ |
適応型オーディオ | × | ◯ | ◯ |
会話感知 | × | ◯ | ◯ |
「AirPods 4」 のANC搭載モデルと 「AirPods Pro 3」 は、ANCと外部音取り込みモードを組み合わせて周囲の雑音状況の変化に応じてノイズコントロールのレベルを自動調整する 「適応型オーディオ」 も利用できる。
ただ、筆者が普段イヤホンを使う環境があまり良くないのか、適応型オーディオをオンにしても、ほとんど外部音取り込みモードと同じになってしまい、同モードならではの良さをハッキリと感じることはできていない。同機能についてはおまけ程度に考えておいたほうが良いだろう。
また、上記の2モデルは装着者が誰かと話し始めるとメディアの音量を下げる 「会話感知」 にも対応する。わざわざイヤホンを外さなくてもスムーズに会話を始められるのは便利だ。
音質

次は、イヤホンにおいて最も重要な要素である 「音質」 について。まだ 「AirPods Pro 3」 が発売していない状態ではあるものの、本モデルは前モデルと比べて音質が向上しているとのことなので、「AirPods 4」 に比べて高い音質を実現しているとみられる。
参考として、前モデル 「AirPods Pro 2」 の音は、低〜高音域まで比較的フラットでどんな楽曲でも聞きやすい。高音域よりも低〜中音域が前に出やすいため、派手さはないが安定感のある落ち着いたサウンドを実現している。
AirPodsシリーズは高音質を売りにしたイヤホンというよりは、Apple製品とのスムーズな連携や、ANC性能を重視したイヤホンであることから、SONYのように音質重視のオーディオメーカーの高級イヤホンには敵わないが、BGMの聞き流し用として使う分には十分な音質だと感じている。
また、ユーザーの耳の形に合わせてイヤホンの音質を自動調節するアダプティブイコライゼーションには全モデルが対応。どんな耳の形のユーザーでも音の歪みを感じにくくなっているはずだ。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 2 |
---|---|---|---|
アダプティブイコライゼーション | ◯ | ◯ | ◯ |
ロスレスオーディオ

AirPodsシリーズでロスレスオーディオを楽しめるのは、現時点では 「AirPods Pro 3」 のみ。ただし製品単体では利用できず、「AirPods Pro 3」 をApple Vision Proとペアリングした場合にのみ利用可能だ。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
ロスレスオーディオ | × | × | ◯ (Apple Vision Proと一緒に使った場合のみ) |
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空間オーディオ&ダイナミックヘッドトラッキング

空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキングは、AirPodsシリーズの全モデルで利用できる。しかも、各ユーザーに最適な空間オーディオを実現するパーソナライズ機能も全モデルで利用可能だ。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング | ◯ (パーソナライズ対応) | ◯ (パーソナライズ対応) | ◯ (パーソナライズ対応) |
空間オーディオは、名前のとおり立体的に音楽を聴くことができる立体音響機能。Dolby Atmosに対応したコンテンツで利用でき、前後左右上下あらゆる方向から音が聞こえてくるリッチな音響体験が可能だ。
ダイナミックヘッドトラッキングは、ユーザーの頭の向く方向に合わせて調整された立体音響を楽しめる機能。楽器などの音が鳴っている場所がある程度固定されるため、ユーザーが向いた方向によって特定の音が左から聞こえたり、右から聞こえたり後ろから聞こえたりと、体の周囲から音が鳴っているような体験が可能。
さらに現在販売中のAirPodsシリーズは、各ユーザーに最適な空間オーディオを実現するパーソナライズ機能がいずれのモデルにも搭載されている。どのモデルでも高い没入感を味わえるはずだ。
装着感知

AirPodsシリーズにはユーザーがイヤホンを着脱したことを検知するセンサーが備わっており、ユーザーがイヤホンを装着している間だけ音楽を再生し、イヤホンを外すと再生を自動で停止する。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
装着感知センサー | 光学式インイヤーセンサー | 光学式インイヤーセンサー | 肌検出センサー |
搭載するセンサーは 「AirPods 4」 が光学式インイヤーセンサーで、「AirPods Pro 3」 が肌検出センサー。光学式インイヤーセンサーも肌検出センサーもほぼ確実に装着を感知できていることから、おそらく精度についてはあまり大きな違いはなさそうだ。
心拍数

「AirPods Pro 3」 は、Apple史上最小の心拍センサーを搭載。正確に心拍数を計測し、フィットネスアプリ上でリアルタイムに消費カロリーや運動強度を確認できる。
赤外線を利用したPPG方式に加え、モーションセンサーと機械学習アルゴリズムを組み合わせたAIモデルを活用しており、その学習には実に5,000万時間分のデータが投入されたという。
「AirPods Pro 3」 では、50種類以上のワークアウトを追跡でき、消費カロリーやMoveリングの進捗も反映される。Apple Intelligenceを活用した「Workout Buddy」機能も追加され、リアルタイムでモチベーションを高めるパーソナライズドなアドバイスを提供する。
防塵・耐汗耐水性能

現行のAirPodsシリーズは、「AirPods 4」 が本体・充電ケースともにIP54、「AirPods Pro 3」 がIP57の防塵・耐汗耐水性能をもつ。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
耐汗耐水性能(イヤホン) | IP54 | IP54 | IP57 |
耐汗耐水性能(ケース) | IP54 | IP54 | IP57 |
IP54というと、完全な防塵・防水性能とまでいかないが、動作に支障をきたさない程度に埃の侵入を防げるほか、あらゆる方向からの水の飛沫から本体を保護できる性能をもつ。
上位モデルの 「AirPods Pro 3」 の場合はIP57となっており、プールなどに誤って落としてもすぐに取り出すことで無事に救出できる可能性が高くなっている。より安心して使えるのは 「AirPods Pro 3」 ということになりそうだ。
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充電ポートと急速充電

「AirPods 4」 の充電ケースのポートがUSB-Cになったことで、AirPodsシリーズの充電ケースのポートは全モデルがUSB-Cに。iPadやMacなどに繋いで充電するのが楽になった。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
充電ポート | USB-C | USB-C | USB-C |
急速充電 | × | ◯ (5分の充電で約1時間の再生が可能) | ◯ (5分の充電で約1時間の再生が可能) |
さらにANC搭載 「AirPods 4」 と 「AirPods Pro 3」 は急速充電にも対応する。バッテリーの充電し忘れでバッテリー切れが起こっても、わずか5分の充電で1時間の音楽再生が可能だ。
充電ケースのワイヤレス充電対応

AirPodsを収納・充電する充電ケースは、ANCなしの 「AirPods 4」 のみがワイヤレス充電に非対応で、ANC搭載 「AirPods 4」 や 「AirPods Pro 3」 はQi規格のワイヤレス充電とApple Watchの充電器によるワイヤレス充電に対応する。「AirPods Pro 3」 はMagSafe充電も利用可能だ。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
ワイヤレス充電 | × | ◯ | ◯ |
MagSafe充電 | × | × | ◯ |
Apple Watch充電器 | × | ◯ | ◯ |
バッテリー持ち

バッテリー持ちは、「AirPods 4」 が最大5時間で、ANC搭載モデルでANCをオンにすれば、さらに30分〜1時間ほどバッテリー持ちは短くなる。海外旅行など6時間以上のフライトで使いたい場合には、途中で1度充電する必要がある。
対する 「AirPods Pro 3」 は、ANCや外部音取り込みモードをオフにした状態のバッテリー持ちは明かしていないものの、外部音取り込みモードでヒアリング補助機能を使用した場合は最大10時間と記載されており、ANCや外部音取り込みモードをオフにすると10時間以上使い続けることができる可能性がある。
また、「AirPods Pro 3」 の場合はANCをオンにしても最大8時間使い続けることができるという。日本から北米・欧州方面に向かうフライトの場合、昨今の世界情勢によって遠回りのルートになることも多いことから、一度も充電しないで使い続けるのは厳しいかもしれないが、それでもバッテリー持ちが改善されたことで従来よりも長く静かな環境を保つことができそうだ。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
バッテリー持ち(本体のみ) | 最大5時間 | 最大5時間 (ANC有効時は最大4時間) | 最大8時間 (ANC有効時) (空間オーディオとヘッドトラッキング有効時は最大7.5時間、心拍数センサー使用時は最大6.5時間) |
バッテリー持ち (ケース含む) | 最大30時間 | 最大30時間 (ANC有効時には最大20時間) | 最大24時間(ANC有効時) |
充電ケースを使った充電を含めると、「AirPods 4」 でANCを利用しない場合は最大30時間の音楽再生に対応する。「AirPods Pro 3」 はANCを利用しない場合のバッテリー持ちが開示されていないものの、ANCをオンにした状態で最大24時間使い続けることができるとのことから、「AirPods 4」 でANCをオンにしたとき (最大20時間) よりも長く使い続けられると考えることができるだろう。
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ライブ翻訳機能

「AirPods Pro 3」 の登場にあわせて、一部のAirPodsシリーズにライブ翻訳機能が登場することが案内されている。
AirPodsの両方のステムをタップすると翻訳モードに入り、外国語で話しかけられると装着者の母国語に翻訳し、意味を保持したフレーズ単位で再生。iPhoneの画面には相手の言葉と翻訳文が並んで表示され、音声でも聞き取ることができる。会話中はANCが相手の声を自動的にボリュームダウンし、翻訳音声に集中できるように調整されているとのことだ。
リリース時点では英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語に対応し、年内には日本語、韓国語、中国語(簡体字)、イタリア語が追加される予定。本機能は 「AirPods Pro 3」 のほか、ANC搭載 「AirPods 4」 、前モデル 「AirPods Pro 2」 でもアップデートによって利用できるようになる予定だ。
聴覚をサポートする機能

「AirPods Pro 3」 は、エンドツーエンドで聴覚の健康をサポートする機能が複数利用できる。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
聴覚の健康をサポートする機能 | × | × | ・大きな騒音の自動低減 ・ヒアリングチェック機能 ・処方箋不要のヒアリング補助機能 |
たとえば大音量の騒音から聴覚を守る機能。イヤーチップによって騒音をパッシブに低減しつつ、H2チップが雑音をアクティブに取り除くというもので、外部音取り込みおよび適応型オーディオのリスニングモードでデフォルトでオンになる。
iPhoneやiPadと 「AirPods Pro 3」 を使って、聴覚に問題ないかをチェックする 「ヒアリングチェック機能」 も提供する。トーンが聞こえてきたときにiPhoneやiPadの画面をタップする簡単な検査で、結果はヘルスケアアプリに保存され、医療機関に共有することもできる。さらに、軽度から中程度の難聴が認められる方向けの機能として、処方箋不要のヒアリング補助機能も登場する予定だ。
これらの機能は 「AirPods Pro 3」 と前モデルの 「AirPods Pro 2」 のみで利用でき、「AirPods 4」 では利用できない。
同梱物
同梱物は、「AirPods Pro 3」 のみイヤーチップが含まれるが、「AirPods 4」 は通常モデル・ANC搭載モデルの両方で充電ケース以外の同梱物はなし。なお、いずれのモデルもUSB-C充電ケーブルは同梱されないため、持っていない人は別途用意しておこう。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
---|---|---|---|
同梱物 | ・充電ケース(USB-C) ※USB-C充電ケーブルは別売り | ・スピーカー搭載充電ケース(USB-C) ※USB-C充電ケーブルは別売り | ・スピーカー搭載ストラップループ付きMagSafe充電ケース(USB-C) ・イヤーチップ(5サイズ) ※USB-C充電ケーブルは別売り |
まとめ

以上が 「AirPods 4」 と 「AirPods Pro 3」 の違いだ。やはり 「AirPods Pro 3」 は装着感やノイキャン性能、高い音質など最上位モデルに相応しい性能を持っており、「AirPods 4」 と明確な差別化がなされていると言えるだろう。
ただし、「AirPods 4」 も空間オーディオに対応していたり、ANC搭載モデルを購入することでANCが利用できるなど、「AirPods Pro 3」 よりも価格を抑えつつ、満足のいく性能を手に入れることができる。
今後のAirPodsシリーズの選び方としては、ANCが不要な場合は 「AirPods 4」 、ANCが必要な場合は、まずは 「AirPods 4」 のANC搭載モデルで自分の欲しい機能が網羅されているかチェックしてみて、イヤーチップが欲しかったり、より高性能なANCや音質を求める場合には 「AirPods Pro 3」 を検討するのが良さそうだ。
項目\製品 | AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 2 |
---|---|---|---|
税込価格 | 21,800円 | 29,800円 | 39,800円 |
上記は各モデルの価格差。「AirPods 4」 通常モデルとANC搭載モデルの価格差は8千円、「AirPods Pro 3」 と 「AirPods 4」 ANC搭載モデルの価格差は1万円だ。購入の際には参考にしていただきたい。
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番外編:AirPods MaxとAirPodsシリーズの比較

ここからは番外編ということで、ワイヤレスヘッドホン 「AirPods Max」 と 「AirPods 4」 「AirPods Pro 3」 を表で比較してみた。
AirPods 4 (ANC非搭載) | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods Pro 3 | AirPods Max | |
---|---|---|---|---|
製品デザイン | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
イヤーチップ/イヤークッションのカスタマイズ | × | × | ◯ | ◯ |
ANC (アクティブノイズキャンセリング) | × | ◯ | ◎ (AirPods 4の最大4倍) | ◎ (AirPods 4の最大2倍) |
外部音取り込みモード | × | ◯ | ◯ | ◯ |
適応型オーディオ | × | ◯ | ◯ | × |
会話感知 | × | ◯ | ◯ | × |
声を分離 | ◯ | ◯ | ◯ | × |
アダプティブイコライゼーション | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング | ◯ (パーソナライズ対応) | ◯ (パーソナライズ対応) | ◯ (パーソナライズ対応) | ◯ (パーソナライズ対応) |
ロスレスオーディオ | × | × | ◯ (Apple Vision Proと一緒に使った場合のみ) | × |
心拍数センサー | × | × | ◯ | × |
聴覚の健康をサポートする機能 | × | × | ・大きな騒音の自動低減 ・ヒアリングチェック機能 ・処方箋不要のヒアリング補助機能 | × |
コントロール | ・感圧センサー | ・感圧センサー | ・タッチコントロール | ・Digital Crown ・ノイズコントロールボタン |
搭載チップ | ・H2チップ | ・H2チップ | ・H2チップ ・U1チップ(ケース) | ・H1チップ×2 |
Hey Siri | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
耐汗耐水性能 (イヤホン) | IP54 | IP54 | IP57 | × |
耐汗耐水性能 (ケース) | IP54 | IP54 | IP57 | × |
装着感知センサー | 光学式インイヤーセンサー | 光学式インイヤーセンサー | 肌検出センサー | デュアル光学センサー |
有線接続 | × | × | × | 別売りケーブルで可能 |
探す (Find My) | 本体:◯ | 本体:◯ ケース:◯ | 本体:◯ ケース:◯ | 本体:◯ |
バッテリーケースのスピーカー | × | ◯ | ◯ | — |
バッテリー持ち (本体のみ) | 最大5時間 | 最大5時間 (ANC有効時は最大4時間) | 最大8時間 (ANC有効時) (空間オーディオとヘッドトラッキング有効時は最大7.5時間、 心拍センサー使用時には最大6.5時間) | 最大20時間 (ケースに充電機能なし) |
バッテリー持ち (ケース含む) | 最大30時間 | 最大30時間 (ANC有効時には最大20時間) | 最大24時間 (ANC有効時) | 最大20時間 (ケースに充電機能なし) |
充電ポート | USB-C | USB-C | USB-C | USB-C |
急速充電 | × | ◯ (5分の充電で約1時間の再生が可能) | ◯ (5分の充電で約1時間の再生が可能) | ◯ (5分の充電で約1.5時間の再生が可能) |
ワイヤレス充電 | × | ◯ | ◯ | × |
MagSafe充電 | × | × | ◯ | × |
Apple Watch充電器 | × | ◯ | ◯ | × |
Bluetooth | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.0 |
無料刻印サービス | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
本体サイズ | 高さ:30.2mm 幅:18.3mm 厚さ:18.1mm | 高さ:30.2mm 幅:18.3mm 厚さ:18.1mm | 高さ:30.9mm 幅:19.2mm 厚さ:27.0mm | 高さ:187.3mm 幅:168.6mm 厚さ:83.4mm |
本体重量 | 4.3g | 4.3g | 5.55g | 386.2g |
充電ケースサイズ | 高さ:46.2mm 幅:50.1mm 厚さ:21.2mm | 高さ:46.2mm 幅:50.1mm 厚さ:21.2mm | 高さ:47.2mm 幅:62.2mm 厚さ:21.8mm | 非公開 |
充電ケース重量 | 32.3g | 34.7g | 43.99g | 134.5g |
同梱物 | ・充電ケース(USB-C) ※USB-C充電ケーブルは別売り | ・スピーカー搭載充電ケース(USB-C) ※USB-C充電ケーブルは別売り | ・スピーカー搭載ストラップループ付きMagSafe充電ケース(USB-C) ・イヤーチップ(5サイズ) ※USB-C充電ケーブルは別売り | ・Smart Case ・USB-C充電ケーブル |
税込価格 | 21,800円 | 29,800円 | 39,800円 | 84,800円 |
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(画像:Apple)