
米Microsoftは、ゲーム部門の組織名を従来の「Microsoft Gaming」から「Xbox」へと変更する方針を明らかにした。これは2026年2月にPhil Spencer氏が退任し、新たにAsha Sharma氏がCEOに就任してから約2か月後に公開された所信表明の中で示されたものだ。
公開された文章のタイトルは「We Are Xbox」。社内向けのメッセージとして発信された内容だが、そこではまず、現在のXboxが直面している課題が率直に語られている。コンソールでの新機能投入の遅れ、PC分野での存在感の弱さ、価格上昇によるユーザー負担の増加、検索や発見といった基礎体験の分断など、プレイヤー側の不満が積み重なっているという認識が示された。
We are Xbox https://t.co/QxKTXxGgoj pic.twitter.com/mF7OeqY801
— Asha (@asha_shar) April 23, 2026
加えて、ゲーム業界そのものも大きく変化している。小規模チームや個人クリエイターがヒット作を生み出すケースが増え、『Roblox』のように巨大なユーザー生成型プラットフォームが従来の大作タイトルと競合する存在になっている。また、サブスクリプション中心のプレイスタイルが広がり、継続的な価値提供が求められる環境へと移行している。
こうした状況を踏まえ、同社は改めて「Xbox」というブランドを中心に据え直す。これには単に組織名を変更するということではなく、「どこで遊んでも同じ体験がつながるプラットフォーム」という原点に立ち返る狙いがあるとみられる。
最重要指標は「デイリーアクティブプレイヤー」4領域で再構築へ

今後の指針として掲げられたのが、デイリーアクティブプレイヤー数の拡大だ。日々遊ばれるサービスであり続けることを最優先に据え、その達成に向けて「ハードウェア」「コンテンツ」「エクスペリエンス」「サービス」の4領域での改革が示された。
ハードウェアでは、現行の第9世代機であるXbox Series X|Sを安定した基盤として維持しつつ、新ハードとされる「Project Helix」によって性能面での主導権を取り戻す方針が示された。コンソールとPCの垣根を意識させないプレイ環境や、快適性を重視した周辺機器の強化にも取り組む。また、より多様なデバイスに広げるエコシステムの拡張も重要視されている。
コンテンツ面では、既存フランチャイズの成長と並行して、サードパーティとの関係を見直し、5年間のタイトル計画を強化する。さらに中国や新興市場、モバイルユーザーへの展開を拡大し、運営型ゲームの長期的な育成にも注力する。『Minecraft』や『The Elder Scrolls』『Sea of Thieves』といった、ユーザー参加型のタイトル群を軸に据える方針も明確にされた。
エクスペリエンスでは、検索や発見、ソーシャル機能といった基礎的な使い勝手の立て直しが急務とされる。あわせて、開発者やクリエイターにとっても作品を成長させやすい環境を整え、コミュニティを軸にした体験の再設計を進める。
サービス領域では、サブスクリプションであるXbox Game Passの差別化と収益性の両立を図る。クラウドゲームについても、テレビや低価格デバイスであってもローカル実行に近い体験を目指し、高速性と信頼性の向上を進めるとした。さらに、成長が遅い領域についてはM&Aを活用し、事業拡大を加速させる方針も示されている。
また、独占タイトルの扱いや発売時期の戦略、AIの活用については、今後の検討課題として再評価していく考えが明らかにされた。
今回のメッセージの最後には、プレイヤーとの関係性を重視する姿勢や、スピードと実行力を重んじる組織文化の再構築についても触れられている。トップ交代を経て打ち出されたこの方針は、従来の延長ではなく、事業全体を見直す転換点として位置付けられそうだ。
情報ソース
(画像:Microsoft)




