近いうちに、YouTubeでテレビ番組を見る時代がやってくるのだろうか。Googleは、YouTube上でインターネット配信型テレビ事業の提供を開始する準備を進めていることが明らかになった。
有料テレビ配信サービス「Unplugged」は早ければ年内にもリリース
Bloombergは、YouTubeはオンラインでテレビ番組を配信するサービス「Unplugged」の提供に向け、準備を進めていると報じている。
YouTubeが開発している「Unplugged」は、各ケーブルテレビ会社と提携し、そのコンテンツをYouTube上でコンテンツを放映するというもの。サービス自体は有料ではあるようだが、コンテンツは良質なもので、ネット上でいつでも視聴することができるとのことだ。
「Unplugged」が他のネット配信サービスと異なるのは、現在テレビで放送されているコンテンツもリアルタイム視聴することができるという点だ。また、オンデマンド配信も予定されているとのことなので、見逃した番組をいつでも好きなタイミングで見ることができるという。
見たい時に見たい分だけ視聴できる配信サービス
Googleは同サービスの開発を2012年から着手しており、早ければ2016年、遅くても2017年にはサービスが開始される模様。配信コンテンツに関して、YouTube側としては米CBSやFOXなどの大手メディアと提携したいようだが、まだ契約にまで至っていないとのことだ。
YouTubeは2015年に有料配信サービス「YouTube Red」を米国で開始しており、有料コンテンツの提供を進めている。YouTubeとしては収入源が増えることで、有料サービスの拡大やコンテンツの質を引き上げることができ、ユーザーとしても自分の見たい分だけコンテンツを消化できるようになる。
まだ検討段階であるようだが、「Unplugged」はユーザーが見たい番組やチャンネルだけを契約する仕組みも検討しているようなので、本当に見たい番組が限定されている人にとっては費用を節約することもできるなどユーザーにとってもメリットが大きい。
現代のネット社会では、ネットテレビの需要は非常に高くなっている。ネットさえあれば番組を見ることができるネットテレビは、音楽ストリーミング配信サービスと同等の価値を持つものだと個人的には思っている。
ただ、ネットテレビは誰でも見ることができる反面、コンテンツの権利関係で実現までのハードルが高い。また、有料サービス化した時のユーザー数の確保も同様に難しいものと思われる。
先日、日本でも「Abema TV」が開局されすでに複数チャンネルでのサービスが開始されている。先日起こった熊本地震の際に被災状況などを24時間放送していたこともあり、サービス開始直後なのにも関わらず評価が高まっていた。
サイバーエージェントとテレビ朝日が合弁で設立したネットテレビ。10代~40代のテレビを見ない層に向けたインターネットテレビ配信サービスで、PCだけでなくスマホからも視聴できるのが特徴。
実現までハードルが高いサービスなのかもしれないが、ネットユーザーからすればネットコンテンツが増えることに悪いことはない。YouTubeなどの大手メディアも参戦しつつある現状、今後はネットテレビ業界がアツくなってきそうだ。
ちなみに、有料サービス「YouTube Red」に加入しているユーザーが「Unplugged」を無料で視聴できるのかどうかについては今の段階では不明だ。