
YouTubeは、過去にプラットフォーム上でBANされたクリエイターに対して、新しいアカウント作成の機会を提供する「Second Chance」プログラムを正式に開始した。
対象となるのは、以前のコミュニティガイドラインに違反してチャンネルが削除されたユーザーで、現在のルールでは許容される可能性のあるコンテンツを再度投稿できる。
この動きは、共和党議員やトランプ元大統領による政治的圧力を背景にしたものだ。YouTubeは最近、Covid-19や2020年米大統領選の誤情報に関する独自規制を撤廃。これに伴い、過去にこれらのルールに違反して削除されたチャンネルも再度コンテンツを投稿できる可能性がある。公式ブログでは「多くの削除されたクリエイターはセカンドチャンスに値する」と明言している。
YouTubeは昨年、トランプ元大統領のチャンネル一時停止に関する訴訟で2,450万ドルの和解金を支払っており、こうした政治的圧力への対応の一環とも見られる。プラットフォームは保守系クリエイターの声を重視し、幅広い意見の表現を尊重する姿勢を示している。
「Second Chance」プログラムの仕組み。対象外のクリエイターは?
プログラムは、削除から1年以上経過したチャンネルのクリエイターが対象で、YouTube Studioにログインすると「新しいチャンネルを作成する」オプションが表示される。ただし、すぐに全員に提供されるわけではなく、順次展開される。
審査の基準は以下の通りだ。
- 過去の違反が「深刻かつ継続的」であったか。
- 過去にルール回避を試みたか(例えば、一時停止中に新規アカウントを作成したか)。
- オフプラットフォームでの行動がYouTubeコミュニティに損害を与える可能性があるかどうか。
対象外となるのは、著作権侵害やクリエイター責任ポリシー違反、または自らチャンネルやGoogleアカウントを削除したユーザーだ。
承認された場合、新しいチャンネルは過去のフォロワーや動画、収益化状況を引き継がず、完全にゼロからのスタートとなる。ただし、旧チャンネルの動画で現行コミュニティガイドラインに準拠するものは再アップロード可能だ。新チャンネルも既存ユーザー同様に3ストライク制の対象となり、規則違反があれば削除される可能性がある。
YouTubeはこのプログラムを「限定的パイロット」と位置付け、順次対象クリエイターに提供する方針だ。審査結果はメールで通知され、承認されたクリエイターは新たなコミュニティとの関係構築をゼロから始めることになる。つまりチャンネル登録者数などがゼロからのスタートということだ。
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(画像:YouTube)