
BandsintownがYouTubeおよびYouTube Musicと独占的パートナーシップを締結した。これにより、同社は数十億人規模のYouTubeユーザーに直接コンサート情報を届けられるようになる。
提携内容はシンプルだ。Bandsintown for Artistsに登録されたツアー情報が自動的にYouTube上に表示される。対象はアーティスト動画やショート動画、公式アーティストチャンネルで、今後はYouTubeホーム画面やYouTube Musicでも参照可能になる。
さらに、ユーザーには近隣の公演予定が通知される機能も追加され、動画視聴からチケット購入までの導線が一気通貫で整う。
Bandsintownにとって重要なのは、アーティストやプロモーターに無償で提供している情報発信基盤をYouTubeへ拡張できることだ。アーティストは追加作業なしで新規ファンにリーチでき、会場やフェスティバルもBandsintown Proを通じてイベント情報を自動的にYouTube上に展開できる。
共同創設者のFabrice Sergent氏は「今回の提携は、アーティストに価値と平等な機会を提供するという理念を体現するものだ」と述べる。収益確保が難しい現状において、グローバルな動画プラットフォームと直結する動線は、チケット販売を支える強力な手段になる。
第一弾フィーチャーアーティストには、米シカゴ最大の音楽フェス「ロラパルーザ」のヘッドライナーを務めたサブリナ・カーペンターが選ばれた。彼女のツアー情報はすでにYouTubeチャンネル(登録者1200万人)とBandsintown上で配信され、両プラットフォームのファンを相互に巻き込むケースとなっている。
Bandsintownは過去18か月で、Google、Spotify、Apple、Shazamなどにライブ音楽データを提供する主要情報源に成長した。70万人以上のアーティストと6万5000の会場から集めたデータを基に、年間230万件以上のイベントを掲載している。今回のYouTubeとの提携は、同社が築いてきたグローバル配信ネットワークの最新拡張だ。
(画像提供:Bandsintown)