Xboxアジアパートナーシップ担当の加藤芽奈氏へインタビュー。TGSでのXboxはアジア発タイトルの増加とROG Xbox Allyが鍵に

Microsoftは、東京ゲームショウ2025の初日となった9月25日に「Xbox 東京ゲームショウ 2025 ブロードキャスト」を配信し、合計25のタイトルについての最新情報を発表した。

本配信に先立ち、筆者は日本マイクロソフトのマネージングディレクター (Managing Director), Xbox Asiaを担当する加藤芽奈氏とのグループインタビューに参加。

Xboxが今年のTGSで打ち出す戦略、特にアジア発のタイトル強化、クロスデバイス戦略の核となる新デバイスについて、お話を伺うことができた。

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TGSの目玉:アジア発タイトルが過去最多

今回の「Xbox Show Case」では、合計25タイトルが発表されたが、そのうち16タイトルがアジアで開発されたものになる。アジアタイトルの内訳は以下の通り。

  • 日本:9タイトル
  • 韓国:2タイトル
  • 中国:3タイトル
  • シンガポール:1タイトル
  • マレーシア:1タイトル

ファーストパーティタイトルに関しても、日本をテーマにしたコンテンツが複数登場する。

例えば、『Age of Mythology: Retold Heavenly Spear』の日本拡張コンテンツや、 『Call of Duty: Black Ops 7』の日本マップ(日本をベースにしたマップ)の追加、『Microsoft Flight Simulator 2024』の日本ワールドアップデートに加えて、ファンから最もリクエストが多かった『Forza Horizon 6』のロケーションの発表など。

また、まもなく発売を迎える『ニンジャガイデン 4』の新難易度モードが紹介されている。本モードはTGSのコーエーテクモブースで体験可能だ。

日本のフランチャイズが数多くXboxに来ている状況は、Xboxにとって力強い追い風となっている。

『ロマンシング サ・ガ 2』がXboxでリリースされ、本日からプレイできるというサプライズ発表があった。サガシリーズはファンが多いことから、本作の登場はファンにとって嬉しいサプライズになったのではないだろうか。

さらに、『モンスターハンター ストーリーズ3 ~運命の双竜~』のXboxでの発売日も3月13日に決定。本作に加えて、前作の2作品もXbox対応が発表されており、シリーズ初のXbox同時発売となる。

世界初公開となる映像も用意されており、『Gungrave Gore: Blood Heat』や『零 ~赤い蝶~ REMAKE』の新映像が公開されている。

その他にも、アジアのタイトルとして『Aniimo』や『Starsand Island』、『マトリックス:ゼロ』などの発表や新しい映像の共有が行われている。

加藤氏によると、先日発表した「ROG Xbox Ally/ROG Xbox Ally X」も非常に期待が高まっており、こう言った形で新しいXboxの体験をユーザーに届けることができるのはとてもエキサイティングで嬉しいことであるとのこと。

ROG Xbox Allyを通じて、Xboxが推し進めている、様々な場所で様々なスクリーンでユーザーがゲームをプレイできる「クロスデバイス」の環境を整え、アジアのタイトルをたくさんのユーザーに届ける。Xboxがアジアでやりたいことを推し進めていくということが体現できているのではないかと手応えを感じているようだ。

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パートナーシップ戦略と日本市場への注力

Q: 今回の配信で25タイトルが紹介されますが、加藤さんが特に注目されている点はどんなところですか?

A: 日本のパートナー様と深く1年お付き合いしているところでは、もう既発のものではありますが、「ドラゴンクエスト」であったり、「モンスターハンター」であったり、アイコニックと言われるようなフランチャイズがXboxに来ることはすごく楽しみにしていますので、喜ばしいことかなと思っています。

Q: 日本のコンテンツが多いのは意識的ですか?

意識的ではないものの、日本の皆様にまず届けたいという意識でお声がけをした結果、非常に多くの日本のパートナーに共感していただきました。これは「良いお見合いができた」形です。

当然ですが、各開発スタジオは新しいタイトルやアップデートの情報は一番良いと思われるタイミングで発表します。我々が積極的に日本のファンからの声を開発スタジオに届けているということもあり、今年は特にタイミングよく様々なものが実現しています。

Q: スクウェア・エニックスとの関係は進展していますか?

A: スクウェア・エニックス様とのパートナーシップは数年にわたって様々な話をしてきた結果です。スクウェア・エニックス様がマルチプラットフォーム展開の戦略を新しく立てていらっしゃる中、我々としてはXboxもしっかりとその仲間に加われるようにお話をさせていただいており、この数年で関係性が深まっています。

Q: Xbox Game Passの日本での展開状況について教えてください。

A: Game Passのラインナップは充実しており、特にファーストパーティのタイトルが増え、ボリュームも増してきています。

我々としては世界中の様々なゲームを遊べるのがGame Passだと思っているので、そういう意味では日本のユーザーの皆さんにとってはこれまで遊んだことのないコンテンツを手に取っていただく良い機会になるのではないかと思っています。

今後の展望と課題

Q: 『Avowed』の日本語対応が遅れたことや、『Gears of War: Reloaded』の日本語音声がカットシーンだけ断片的にあるような、日本向けの仕様が少し雑になってしまっている部分があると思うのですが、今後こういった問題にはどのように対策していくのでしょうか?

A: その判断は基本的にスタジオ側で行っています。我々としては日本のユーザーにもっと訴求したいというところで、より密なコミュニケーションを通じて、ニーズも含めてスタジオにお願いし続けるという対応をとっています。

Q: 今年、ドイツのgamescomに行ってXboxのブースを見てきたのですが、かなり大規模なブースで、欧州の人たちがとても盛り上がっていました。日本のTGSではそういった大規模なブースを展開することは現時点では考えていないのでしょうか。

A: 毎年検討はしておりまして、我々としてはパートナーの皆さんのブースで遊んでいただくのが一番近いのかなと思っているのですけども、引き続きブースは検討したいと思っています。

Q: 現状ではgamescomくらいの規模でやるのは難しい?

A: 細かく分散してやるという方法もあると思うんですけど、グローバルで一番効果的なやり方が今年はあのサイズだったという検討結果であると私は聞いております。我々としてはできることを各地域でやっていきましょうという状態です。

Q: XboxのコミュニティはXbox Oneの頃から比べると少しずつ増えてきてはいる印象なのですが、現状と今後どのように増やしていくのかについてお考えはありますでしょうか?

A: 台数というよりもPCユーザーが増えてきている現状ですとか、コンソールではないところでみなさん遊んでいただいているという現状もありますので、そういったデータに基づいていかにいろんな人に訴求するのかというのが重要です。

Game Passもそうなんですけど、そういった形でできるだけ多くのユーザーに手に取って遊んでもらうのが、決してコンソールだけではないのかなと。コンソールももちろん大事ですし、今回ハンドヘルドのような訴求の仕方もあるのかなと思っていますけれども、これが様々なWindowsのデバイスの上で動くものであったりとか、そういった展開をすることによってマーケットシェアというような見方ではなく、とにかく皆さんが持っているデバイスでXboxを乗せていきましょうということです。

先日、自動車のエンタメシステムでXboxがプレイできるという発表もさせていただいたんですけど、どこでもXboxを展開していくというところに我々は注力する形になります。

Q: 小島プロダクションから『OD』の新しい映像が公開されましたし、『NINJA GAIDEN 4』もXbox Game Studiosがパブリッシングしているということでしたが、これからXbox Game Studiosが色々な日本のゲーム開発会社に絡んでいくという機運はあるんでしょうか?

A: 『OD』や『NINJA GAIDEN 4』の2つのタイトルは中心になって動いているメンバーが日本に常におりますので、そのメンバーが中心となって、もちろんこれからも様々な日本のパートナーシップを考えていきたいと考えています。

Microsoft取材
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