
Microsoftは、バーチャルイベント 「Asia Developer Sessions」 を報道関係者向けに限定配信し、アジアの開発スタジオからXboxに登場する5つのタイトルを紹介した。
本稿では、同イベントで発表されたタイトル『13Z The Zodiac Trials』『Kriegsfront Tactics』『Agni Village of Calamity』『Nightmare Circus』『Vapor World: Over The Mind』を紹介したい。
13Z The Zodiac Trials

開発元:Mixed Realms (シンガポール)
シンガポールのインディーゲームスタジオMixed Realmsが手掛ける新作『13Z: The Zodiac Trials』は、プレイヤーが13番目の干支となることを目指す、ハックアンドスラッシュ型ローグライクアクションアドベンチャー。
本作は、東洋のゾディアック (干支) の要素を含んだ内容になっており、ゲーム内ではゾディアックにまつわる謎や神秘性を演出しているのが特徴となる。

プレイアブルキャラクターは以下の3つの動物の精霊たち。いずれも独自の能力とプレイスタイルを持つ。
- キツネ:電光石火の剣技を持つ近距離攻撃に特化した剣士。
- カラス:鋭い羽根による遠距離攻撃を得意とする。
- パンダ:大地を揺るがす強力な武器を振るう。
本作は、シングルプレイヤーモードと最大4人までの協力プレイモードに対応する。協力プレイでは、友人とチームを組んで試練に挑むことができ、より強力な敵やボスが登場するため戦略的な連携が求められる。
また、エレメントの組み合わせによって攻撃が変化し、技の威力が変わるという要素もあり、どのようなエレメントを組み合わせるかによって戦略が変化するのも面白い特徴だ。


なお、本作については、2025年3月に2回目のグローバルプレイテストが実施され、新たに協力プレイモードや新キャラクター「Raven」が追加された。初回のプレイテストでは、4万人以上のプレイヤーが参加し、80%以上が4/5以上の評価を付けるなど、高い評価を得ている。
Mixed Realmsは、プレイヤーからのフィードバックをもとに、ローグライクシステムの強化、スキルの拡充、戦闘メカニクスの洗練、ビジュアルの向上など、ゲームプレイの改善や新機能の追加を進めている。
Kriegsfront Tactics

開発元:Toge Productions (インドネシア)
『Coffee Talk』を開発したことで知られる、インドネシアのゲーム開発スタジオToge Productionsの最新作『Kriegsfront Tactics』は、1970年代の東南アジアを舞台にしたターン制のメカ戦術ストラテジーゲームだ。

プレイヤーは敵陣深くに派遣されたメカ部隊の指揮官として、部隊の管理や資源の運用、メカのカスタマイズを行いながらミッションを遂行していく。ゲーム内では、道徳的な選択を迫られる場面もあり、プレイヤーの判断が物語に影響を与えることになる。

本作の特徴の一つは、ローポリゴンで描かれたメカのデザイン。プレイヤーは機体のボディや武器などを自由にカスタマイズでき、独自のメカを作成することが可能だ。また、パイロットの雇用も可能で、各キャラクターは独自のスキルや背景を持ち、部隊編成の戦略性を高めている。

なお、2024年6月にはプロローグ版となる『Kriegsfront Tactics – Prologue』がSteamで無料配信され、オープニングストーリーと序盤1時間のゲームプレイが体験できる。このプロローグ版では、メカのカスタマイズや戦術的な戦闘、そして物語の導入部分を楽しむことが可能だ。
Agni Village of Calamity

開発元:Separuh Interactive (インドネシア)
『Agni: Village of Calamity』は、インドネシアのゲームスタジオSeparuh Interactiveが開発中の新作シネマティックサバイバルホラーゲーム。インドネシアの文化や風土を背景に、心理的恐怖とサバイバル要素を融合させた作品だ。
本作を手がけるSeparuh Interactiveは、モーションキャプチャーなどの最新技術を駆使し、ゲームでしか表現できないユニークな体験と魅力的な映画手法を活用した、高品質なエンターテインメントを提供することを目指している。

プレイヤーはインドネシアの秘密警察部隊に所属する捜査官のアグニとなり、上層部の命令と不吉な警告を無視し、行方不明のパートナーを探すために異様で不気味なジャワの村へと単身乗り込むのだが、村に足を踏み入れた瞬間から現実は崩れ始め、悪夢と狂気の境界線が曖昧になっていく。そのなかで彼女は常識を覆す恐ろしい現実へと引きずり込まれていくことになる。
『Agni: Village of Calamity』が目指すのは、視覚的恐怖よりも“精神の深部を揺さぶる”恐怖だ。常に不安を煽る音響、現実を歪めるような演出、そしてプレイヤーの選択が直接物語に影響を及ぼす構造が、息の詰まる緊張感を生み出している。
プレイヤーは、非現実的なパズルに挑みながら “殺せない存在” に追われ続ける。物語は「トラウマ」「選択」「手放すこと」といったテーマを深く掘り下げ、デイヴィット・リンチの作品を彷彿とさせる語り口で、現実と幻想の境界を曖昧な世界を描く。プレイヤーが選ぶ選択肢はのちに恐ろしい形で現れ、ゲームが終わった後も「現実とは何か」を問い続けることになる。

ゲームプレイは、クラシックなサバイバルホラーの構造を踏襲。限られた弾薬や回復手段を駆使しながら、探索・戦闘・パズルを繰り返す。『バイオハザード』や『サイレントヒル』に影響を受けた固定カメラや追跡型の強敵なども特徴だ。
展開プラットフォームは、PC/Xbox/PlayStation。具体的な発売日は現時点ではまだ未定となっている。また、日本語対応も検討中であり、需要を調べるためにSteamのウィッシュリスト登録が呼びかけられている。今後の続報に注目だ。
Nightmare Circus

開発元:Fairplay Studio (タイ)
タイのデベロッパー、FairPlay Studiosが手掛ける新作アクションアドベンチャーゲーム『Nightmare Circus』は、プレイヤーを悪夢の世界へと誘うアクションアドベンチャーゲームだ。
プレイヤーは放浪のサーカス団の人形使いとして旅をしている途中、突如見知らぬ悪夢の領域に閉じ込められる。この世界で敵と戦い、手遅れになる前に現実世界への帰還を目指す物語が展開される。


ゲーム内でプレイヤーは悪夢の世界を探索し、その謎を解き明かすことになる。この世界は、奇妙でありながらもどこか親しみを感じさせるサーカスのテーマで彩られており、探索の楽しさを一層引き立てている。ただし、この世界は奥に進めば進むほど悪夢の奥に進んでいくことになり、強力な悪夢のボスが待ち構えているなど、危険が潜む。

本作の最大の特徴は、「ストリングメカニック」 にある。プレイヤーは人形使いの2本の操作棒を巧みに使い、離れた場所に移動したり、敵を撃退できる。また、人形を動かす紐を使って身の回りのものを衝突させる 「コリジョンコンバット」 を活用することによって、敵同士をぶつけてダメージを与えたり、障害物を破壊しながら進んでいく。
対応プラットフォームは、PC(Steam)とコンソールが予定されている。 Steamストアページによれば、リリース日は未定となっており、現在ウィッシュリストへの追加が可能だ。
Vapor World: Over The Mind

開発元:ALIVE Inc. (韓国)
韓国のデベロッパーALIVE Inc. の最新作『Vapor World: Over The Mind』は、いわゆる “ソウルライク” の戦闘システムを土台に、ストーリーに重点を置いた作品。
物語は、主人公の少年が現実から切り離され、暗く歪んだ夢の中へと引きずり込まれる場面から始まり、終わりのない悪夢の中、失われた記憶と過去の断片を探す旅に出ることになる。
夢というテーマを扱いながらも、描かれるのは幻想ではなく、苦悩と後悔から生まれたリアルな内面世界。世界観の根底にあるのは「記憶と痛み」、そして「救済への希望」だ。少年の内面に巣くう闇を象徴する敵たちは、物語の進行とともにその意味を明かし、プレイヤーの行動がその解釈に影響を与えることもある。

敵の攻撃は一部を除いて回避もしくはブロックすることができ、「ディフレクション (パリィ)」を活用して戦うのが特に有効だ。敵の攻撃を的確に受け止め、反撃することでスリリングな戦闘が展開する。

本作は3部作での展開を予定しており、アーリーアクセスだけでプレイタイムは7時間程度になり、これは全体のリリースの半分くらいにあたる。クリアするための全体のプレイ時間は20時間程度を目指しているとのことだ。
(画像提供:Microsoft)