現地時間11月5日、X (旧:Twitter) のオーナーである、イーロン・マスクCTOは、米xAIが開発したAIチャットボット 「Grok」 を、Xの有料プラン 「Xプレミアムプラス」 に加入するユーザー向けに提供開始した。
まずはベータ版として米国に在住する一部ユーザーを対象に早期アクセス版を提供し、その後ほかの地域やユーザーにも展開される予定だ。
AIチャットボット 「Grok」 がXプレミアムプラス加入ユーザーに提供開始
xAIは、AI技術で先行するOpenAIの 「ChatGPT」 やGoogleの 「Bard」 に対抗するため、イーロン・マスク氏が立ち上げたAI関連企業。今年はじめに独自のAIチャットボット 「TruthGPT」 を開発していることを明らかにしていたが、最初にリリースされたチャットボットは 「Grok」 となった。
「Grok」 の特徴は、Xプラットフォームに投稿された情報を使って回答を作成でき、時にはリアルタイムで起こっていることに関する質問にもすぐに回答を作成できるという。Xは、これまで様々な施策によってフェイク情報を排除しようとしてきたが、その理由の一つがこの 「Grok」 にあったのかもしれない。
また 「Grok」 は、他のチャットボットでは回答を拒否するような不適切 (あるいは難しい) 質問にも答えることができるほか、ウィットに富んだ質問にも答えるように設計されている。その上で、xAIは同チャットボットについて、「やや反抗的な性格を持っている」 とし、「ユーモアが嫌いな人は使わないでほしい」 と発言している。
Grokの学習の基となったエンジンは、「Grok-1」 というLLM (大規模言語モデル)。4ヶ月にわたって開発した同LLMは、330億のパラメータをもつプロトタイプLLM 「Grok-0」 を、推論とコーディングの能力を大幅に向上させるため2ヶ月間トレーニングしたものになっている。
標準的なLMベンチマークでLLaMA 2 (70B) の能力に近いものの、トレーニングリソースの半分しか使用していない。HumanEvalコーディングタスクで63.2%、MMLUで73%を達成し、かなりパワフルな性能を持っているとアピールする。
なお、サービス名の 「Grok」 は、ロバート・A・ハインラインのSF小説『異星の客 (Stranger in a Strange Land / 1961年) 』に登場する造語。単なる情報の理解を超えて、何かを完全に理解し、それと一体化することを意味する言葉である。
「Grok」 はまだ初期のベータ版製品であるとのこと。xAIは利用者からのフィードバックを広範にわたり募集し、そのフィードバックをもとに 「週を追うごとに急速に改善されることが期待される」 としている。
ちなみに、同サービスが利用できるXプレミアムプラスは、今年10月に提供が開始されたXの最上位有料プラン。Xで提供される機能すべてにアクセスできるほか、「おすすめ」 と 「フォロー中」 に表示される広告数がなくなり、返信ブーストの効果も 「最大」 になる。料金は、WEBブラウザ経由の場合は月額1,960円あるいは年間20,560円(税込)。
▼ Apple公式サイトでMacBook製品をチェック
・MacBook Air
・MacBook Pro
▼ Macアクセサリ
・Magic Keyboard
・Magic Trackpad
・Magic Mouse
・その他
▶︎ 学生・教職員向けストア
(画像:xAI)