
ソニーは2月27日、完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「WF-1000XM6」を発売する。直販価格は4万4,550円。2023年発売の「WF-1000XM5」から約2年半ぶりの後継機となる。
新モデルは高音質ノイズキャンセリングプロセッサー「QN3e」を搭載し、処理速度は従来比で約3倍に向上。ノイズキャンセリング性能は約25%向上し、通話品質も同社史上最高レベルとされる。新設計ドライバーやマスタリングエンジニアとの協業により音質面も進化した。
一方で、バッテリー持続時間や防水性能は前モデルと同等。デザイン変更に伴い重量はわずかに増加している。
本稿では、WF-1000XM5を日常的に使用しているユーザーを想定して性能を比較し、買い替えるべきかどうかを整理してみた。
スペック比較
| 項目 | WF-1000XM5(2023) | WF-1000XM6(2026) | 主な変化 |
|---|---|---|---|
| プロセッサー | QN2e + 統合プロセッサーV2 | QN3e + 統合プロセッサーV2 | 処理速度 約3倍 |
| ノイズキャンセリング | 高性能 | 約25%向上 (中高域・風切り音強化) | XM6が優位 |
| マイク数 | 片耳3基(計6基) | 片耳4基(計8基) | XM6が優位 |
| ドライバー | 8.4mm | 8.4mm 新設計 (ノッチ形状エッジ) | 低域の質感向上 |
| コーデック | SBC/AAC/LDAC | SBC/AAC/LDAC/LC3 | LC3追加 |
| 本体デザイン | 光沢仕上げ、丸みのある形状 | マット仕上げ、直線的・幅11%スリム化 | 取り回し向上 |
| 重量(片耳) | 約5.9g | 約6.5g | 微増 |
| 重量(ケース) | 約39g | 約47g | 微増 |
| バッテリー(NCオン) | 本体8時間/合計24時間 | 本体8時間/合計24時間 | 同等 |
| 防水性能 | IPX4 | IPX4 | 同等 |
| 価格(直販) | 市場価格3万円前半 | 4万4,550円 | 約1万円差 |
デザイン・装着感:実用性を重視した改良
WF-1000XM6は本体を約11%スリム化し、エルゴノミック設計を強化。長時間装着時の耳への負担軽減を図った。通気構造も見直され、足音や咀嚼音などの体内由来ノイズの低減にも配慮している。
外装は全面マット仕上げで指紋が付きにくく、滑りにくい仕様。充電ケースも直線的なデザインとなり、開閉しやすさが向上した。高級感ではXM5に魅力があったが、実用面ではXM6が扱いやすい設計だ。
ノイズキャンセリング:中高域と風切り音で差
QN3eの処理性能向上とマイク増設により、ANCは中高域や風切り音への対応が強化された。電車内やカフェといった日常環境での静粛性向上がポイントになる。WF-1000XM5も高い評価を得ていたが、XM6は装着状態による性能差を抑え、より安定した遮音を実現した。
通話品質:屋外利用で違い
風ノイズ低減構造、骨伝導センサー、AI処理を組み合わせ、WF-1000XM6は屋外や風の強い環境での通話明瞭度を高めた。テレワークや移動中の通話が多いユーザーにとって実用的な進化といえる。
音質:解像感と情報量の向上
新設計8.4mmドライバーと32bit処理により、音の解像度や空間表現、低域の質感が向上。DSEE Ultimateは圧縮音源の補完精度を高めている。
WF-1000XM5も完成度は高いが、細部表現や音場の広がりを重視する場合はXM6の変化を体感しやすい。一方で、音作りの好みによっては差を大きく感じない可能性もある。
バッテリー・機能:堅実な継続
バッテリー持続時間はNCオンで本体8時間、ケース込み24時間と従来と同等。急速充電やワイヤレス充電も継続して利用できる。
また、新たにLC3コーデック(LE Audio対応)をサポートし、接続安定性も向上。Ambient Soundモードも調整が加えられているが、使用感を大きく変える要素ではない。
まとめ:買い替え判断のポイントは?
WF-1000XM6は着実な性能向上を遂げたモデルだが、体感差は使用環境や重視するポイントによって変わる。自分の使い方に照らして整理すると判断しやすい。
▼ 買い替えを検討しやすいケース
- 通勤・通学でANCや風ノイズ対策を重視する
- 屋外通話やオンライン会議が多い
- 音の解像感や情報量をさらに求める
- 実用性重視のデザインを評価する
▼ 継続使用でも十分なケース
- WF-1000XM5の音質・ANCに満足している
- 価格差を重視する
- 軽量性を優先したい
通勤・通学など騒音環境での使用が多く、より高い静粛性や通話品質を求める場合は、進化の恩恵を受けやすい。一方で、現行モデルに大きな不満がない場合は、無理に買い替える必要はないだろう。
性能は着実に向上しているが、方向性は「正統進化型」だ。旧世代モデルのバッテリー劣化が進んでいる場合や、ANC・通話性能をより重視する場合には検討する価値があるだろう。
ソニーストア各店舗では2月13日から実機の先行展示が行われているため、最終的な判断をするには、店頭での聴き比べが有効だ。発売後の実機レビューも参考にしながら、自身の使用環境に合わせて選んでいただきたい。
(画像:SONY)
