現地時間6月10日、Appleは開発者向けイベント 「WWDC24」 の基調講演を実施。空間コンピュータ 「Apple Vision Pro」 向けの次期OS 「visionOS 2」 を発表した。
「visionOS 2」 では、Apple Vision Proをコントロールする新たなジェスチャーが追加されるほか、写真アプリで2D写真を空間写真にする機能などが提供される。
写真アプリで2D写真を空間写真にできるように
Apple Vision Proでは、思い出の写真を奥行きのある立体的な写真として見ることができる 「空間写真」 がもっとたくさんの写真で利用できるように。
「visionOS 2」 では、写真アプリで通常の2D写真から空間写真を作り出す新機能が追加。これは機械学習を活用した機能で、Apple Vision Proが2D写真をもとに左右両方の目で見た状態を生成し、奥行きがある自然な写真を作り出すという。
写真アプリではSharePlayを使って空間写真を共有することも可能。各ユーザーが空間Personaによって同じ物理的空間にいるように感じながら、パノラマ写真や空間写真、空間ビデオを楽しめる。
また、年内に発売予定の新しい空間レンズを使うことで、空間ビデオがCanonのEOS R7デジタルカメラでも撮影できるように。これにより、難しい光の条件下でも綺麗な空間ビデオを撮影できるとしている。
撮影した空間ビデオは、Mac版 「Final Cut Pro」 で編集することも可能に。また、空間ビデオはApple Vision Proのために作られたVimeoアプリにアップロードでき、他の人が撮影した空間ビデオを楽しむこともできるようになるとのことだ。
新しいジェスチャーが追加
「visionOS 2」 では、新たに手のひらを上に向けて指をタップすることで、簡単にホームビューを開けるように。また、手のひらを返せば時刻やバッテリー残量が確認でき、その状態でさらにタップすればコントロールセンターにアクセスできる。
これらの新機能により、Macの仮想ディスプレイや通知などの機能によりすばやくアクセスできるようになる。
Macの仮想ディスプレイに 「Wide」 「UltraWide」 が登場
Macの仮想ディスプレイを表示する機能がアップデートされ、仮想ディスプレイの解像度が高くなり、より広い画面でMacを操作することが可能に。
具体的には、通常の 「Normal」 に加えて 「Wide」 「UltraWide」 が選択できるように。「UltraWide」 を選択した場合は4Kモニター2台に相当する画面で作業できる。
家族や同僚をゲストとして追加可能に
「visionOS 2」 では、新たに家族や同僚をゲストユーザーとして追加できるように。追加したゲストユーザーの目と手のデータは30日間保存される。
これまでは、コントロールパネルから毎回 「ゲストモード」 を起動してトラッキングのセットアップをする必要があったことから、Apple Vision Proを複数人で共有して使うのがより便利になる。
そのほか、以下の機能が追加。
- マウスのサポートが新たに追加
- 環境やアプリで完全イマーシブ状態でも物理的なMagic Keyboardが表示されるように
- トラベルモードが電車に対応
- ホームビューでアプリを並べ替えるなどパーソナライズが可能に
- Apple TVアプリで最大5本のストリームを同時視聴できるように
- マインドフルネスアプリに 「呼吸に合わせる」 機能が追加
開発者向けには、アプリ開発のための新しいAPIやフレームワークが追加。HealthKitもVision Proで利用できるようになる。さらに年内には、「Apple Immersive Video」 のコンテンツ作成のために、Blackmagic Designが史上初の一般向けカメラシステムを発売し、DaVinci Resolve Studioのアップデートを公開予定であるとのことだ。
「visionOS 2」 は本日から開発者向けベータが公開されており、7月にはパブリックベータが公開予定。正式版のリリースは今秋を予定している。
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(画像:Apple)