ユナイテッド航空、5月15日よりStarlink Wi-Fiを一部路線で提供開始。実際に試した通信速度は200Mbps超

ユナイテッド航空は、SpaceXの衛星インターネットアクセスサービス「Starlink」を利用した高速Wi-Fiサービスを、2025年5月15日より一部の地域路線で正式に開始すると発表した。

同社によれば、初日の対象便はシカゴ・オヘア国際空港(ORD)発デトロイト・メトロポリタン空港(DTW)行きのユナイテッド・エクスプレス5717便で、以降はナッシュビルやシャーロッツビルなどへの路線にも順次拡大していく。

スポンサーリンク

ダウンロード200Mbps超の速度も確認。マイレージ会員は無料・デバイス無制限で利用可能

Starlinkは、スペースXが提供する低軌道衛星インターネットサービスで、既存の機内Wi-Fiよりも高速な接続を可能にする。ユナイテッド航空は、約8か月前にこの計画を発表しており、いよいよ提供が始まる形。

それではどれほど高速に通信できるのだろうか。サービス開始に先駆けて実施された報道関係者向けの試乗フライトに参加した記者によると、Starlinkを利用した機内Wi-Fiサービスを使いフライト中に通信速度を計測してみたところ、最大で222Mbpsのダウンロード速度、26.8Mbpsのアップロード速度が計測された。

YouTubeアプリ (約300MB) を高速でダウンロードするだけでなく、動画のHDストリーミングやSpotifyの再生に加えて、Zoom会議やFaceTime通話 (※商用便では通話禁止) も問題なく行えたという。

(画像:NerdWallet)
(画像:The Points Guy)

速度は利用状況によって変動があり、最低で8.15Mbps程度まで落ち込む場面もあったとのこと。ただし、これはメディア向けのテスト飛行で多数の端末によるストレステストが行われていたためで、通常の商用運航ではより安定したパフォーマンスが期待される。

このWi-Fiサービスは、ユナイテッドのロイヤルティプログラム「MileagePlus」会員であれば無料で利用可能。接続には「Unitedwifi.com」ネットワークにアクセスし、アプリやウェブ経由での認証と広告視聴が必要だ。スマートフォンでログイン後、表示されるQRコードを使えば、タブレットやノートPCも簡単に接続できる仕組みになっている。

また、サービスはゲート出発から到着までの「ゲート・トゥ・ゲート」で提供される。離陸後10,000フィートに到達するまでWi-Fiが使えないといった制限もなく、座席に着いた瞬間からインターネットに接続できるとのこと。

航空業界全体に広がる「無料Wi-Fi」トレンド

ユナイテッド航空はまず、リージョナルパートナーであるSkyWestが運航するEmbraer 175型機を中心にStarlinkを導入しており、2025年末までにすべての2クラス制リージョナル機材で利用可能にする計画。さらに、年内には本体直営の主力機材にもStarlinkを搭載する予定だ。

将来的には、機内エンターテインメントと連携した新機能も提供される可能性がある。具体的には、手荷物のターンテーブル番号の表示や、遅延時の再予約処理などが座席画面から行えるようになるという。ユナイテッドの新サービスは、単なる高速化にとどまらず、フライト体験の質全体を大きく引き上げるものとなりそうだ。

ユナイテッド航空は、競合のデルタ航空に続き、全機材に無料Wi-Fiを提供する計画を掲げている。すでにハワイアン航空やカタール航空がStarlinkによる無料接続を提供しており、今後はエールフランスやスカンジナビア航空(SAS)も導入予定だ。アメリカン航空も2026年から無料Wi-Fiを導入するとしており、航空業界全体で “つながる空の旅” へのシフトが進んでいる。

情報ソース

IT旅行
FOLLOW US
タイトルとURLをコピーしました