PlayStation Studiosに新スタジオ「teamLFG」誕生。Bungie発の野心的インキュベーションプロジェクトが独立

SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は5月7日、新たなファーストパーティスタジオ「teamLFG」の設立を正式に発表した。

スタジオはBungieの社内インキュベーションプロジェクトからスピンアウトする形で誕生し、PlayStation Studiosファミリーに加わる。スタジオの本拠地は米ワシントン州ベルビュー。チームはアメリカとカナダに分散しており、リモートおよびオンサイトで稼働している。

PlayStation Studiosの新スタジオ「teamLFG」。第1作目はチームベースのアクションゲーム

PlayStation StudiosのトップであるHermen Hulst氏によれば、teamLFGは「Bungieを起点に、業界各所から集まった開発者たちによって結成された」とのことで、既にフルチーム体制で始動しているという。

現時点では具体的な開発陣の名前は明かされていないものの、公式発表では『Destiny』『Halo』『League of Legends』『Fortnite』『Roblox』『Rec Room』などのタイトルに関与してきたベテランから、新進気鋭のクリエイターまでが在籍していると説明されている。

現在開発中の第1作は、チームベースのアクションゲーム。ジャンルとしては格闘ゲーム、プラットフォーマー、MOBA、ライフシム、そしてフロッグ系ゲーム(frog-type games)など、多様なジャンルから着想を得ているとされる。

舞台は “神話的でサイエンスファンタジーな新世界”。コメディ調の世界観と、プレイヤー同士の掛け合いが生きる設計が強調されている。

スタジオ名「LFG」に込められた意味

teamLFGの「LFG」は「Looking For Group」の略で、マルチプレイヤーゲームで仲間を探す際に用いられる用語だ。彼らの掲げるビジョンは「友情・コミュニティ・帰属意識を感じられるゲーム体験の創出」。プレイヤーがログインした時に、仲間がすでに集まっていて、そこから自然と物語やミームが生まれるような体験を目指すという。

開発チームは「アクション性に富んだゲームプレイ」「瞬間瞬間の手触り」「濃密なソーシャル体験」を核に据え、長時間にわたって学び、遊び、極めることのできる作品づくりを掲げている。開発段階からプレイヤーのフィードバックを取り入れる早期アクセスプレイテストを積極的に実施し、リリース後も継続的に成長させていくライブサービス型のタイトルを想定しているとのことだ。

teamLFGの設立は、ここ数年で混乱が続いていたPlayStationのライブサービス戦略にとっても大きな意味を持つ。SIEは2022年にBungieを買収し、ライブサービス分野への大規模な展開を掲げていたが、2024年には複数のプロジェクトが中止・縮小され、開発スタジオFirewalkの閉鎖なども起きていた。

とりわけ、2024年にリリースされたヒーローシューター『Concord』はローンチに失敗し、後にサービス終了。こうした状況下で、Bungieが社内インキュベーションとして開発していたタイトルをPlayStation Studiosの新スタジオとして再出発させることになったのがteamLFGというわけだ。

「プレイヤーが仲間を見つけ、語り合い、記憶に残る体験を共有する」──。そんな原点回帰的なマルチプレイ体験が、PlayStationの新たな武器となるのか。teamLFGの今後の動向に注目したい。

関連リンク

(画像:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

SIE
FOLLOW US
タイトルとURLをコピーしました