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麻布台ヒルズの 「チームラボボーダレス」 先行内覧会レポ。新作も含め展示が大幅パワーアップ、開業は2月9日

アート集団チームラボは、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」 (以下、「チームラボボーダレス」 ) を明日2月9日(金)にオープンする。

「チームラボボーダレス」 はチームラボが手がける 「地図のないミュージアム」 。東京・お台場から移転するかたちで麻布台ヒルズにオープンし、新たな作品や日本未公開作品も多数加わる。

オープンに先立ち、2月5日に報道関係者向けに先行内覧会が実施。筆者も参加し、ひと足さきに 「チームラボボーダレス」 の全館を見てくることができたので、当記事ではそのレポートをお伝えしたい。

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アートが部屋から出て他の作品と影響しあう、まさに “ボーダレス” なミュージアム

「チームラボボーダレス」 は、それぞれのアートが部屋から出て移動し、他の作品と影響を受けあって混ざり合う “境界のないアート群” によって構成されている。人々は境界のないアートに身体ごと没入し、「境界なく連続する1つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する」 ことになる。

ミュージアム内のアートは人々の振る舞いや周囲の他のアートから影響を受け、増えたり消えたりしながら、どんどん他の部屋に移動していく。50以上の作品群が複雑に関係しあい、ミュージアム内の様子は刻々と変化していく。

ミュージアムの中心部である大きな空間を訪れると、《人々のための岩に憑依する滝》《花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour》《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:境界を越えて飛ぶ》の3つの作品が混じり合っていた。

初めはまっすぐ流れていた滝だったが、カラスの動きによって流れに変化が生じていく。その様子に見入って立ち止まっていると、足元では花が生まれては周囲に広がっていき、周囲が赤や黄色の花でどんどん埋め尽くされていく。気がつくとカラスが部屋を出ていっており、また滝の流れがまっすぐに戻っていた。

「Light Sculpture – Flow」 シリーズは、光の線の集合によって巨大な渦巻きのような立体的な光の彫刻が生まれては押し寄せ、広がり、人々を飲みこんでいく。じっと見ていると、自分が今いる空間がどうなっているのか分からなくなるほどの高い没入感を感じる作品だ。

無数の光る球体群によって埋め尽くされたこの作品は《Bubble Universe》。人々が球体に近づくと光が強くなり、その周囲にもどんどん広がっていく。球体内部がビー玉のように見えるものもあるので、じーっと目を凝らして探してみよう。

《マイクロコスモス – ぷるんぷるんの光》は、無限に広がる空間の中を無数の球体が走り続ける不思議空間。ひとつひとつの球体は一定の間隔で明滅しながら、レールの上を走っていく。

それぞれの球体は一定のリズムで明滅しており、とあるタイミングでほとんどの球体が光り終わり、一気に暗くなることがある。この後にふわっと周囲が明るくなり始めるタイミングが個人的にはお気に入りポイント。

真っ暗な部屋の中に四角い物体がいくつも浮かぶ部屋では、赤い花がいくつも咲いては散っていく《生命は闇に咲き闇に帰る微小な光》の作品のあとに《人々のための岩に憑依する滝》に移り変わる瞬間を見ることができた。

廊下のような長い通路で、《Walk, Walk, Walk:探し、遠ざかり、また出会う》に遭遇。カエルをはじめとした動物たちや人がずらりと並び、竹林を進んでいく。

こちらは《中心も境界もない存在》。中心のように見える黒い核のようなものに触ろうとすると、不穏な音とともに核が散っていってしまい、追いかけても中心を触ることはできない。生き物のような不思議な作品だ。

お子さんと一緒に 「チームラボボーダレス」 に遊びに来たら、《スケッチオーシャン》を訪れてみてほしい。来場者が描いた魚が目の前の海で泳ぎ出し、部屋の中にいる人々にインタラクティブに反応しながら、部屋を出ていく。

たくさんの魚の中でも、マグロはミュージアムの物理空間を超える存在。世界の他のチームラボの展覧会からマグロの群れを引き連れてきて、海の中が一気に賑やかになる。筆者が訪れたときは、群れの先頭の方のマグロに 「Beijing」 と書かれていたことから、北京の展覧会から来たマグロたちだったのかもしれない。

《スケッチオーシャン》で描いた魚は、「スケッチファクトリー」 でTシャツやトートバッグ、缶バッチなどにして持ち帰ることもできる。スケッチファクトリーは 「チームラボボーダレス」 の外、麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1Fの駅前広場にあるのでお間違えのないように。

ミュージアムの中をたくさん歩き回って足を休めたいときには、ティーハウス 「EN TEA HOUSE」 へ。ここでは緑茶や焙じ茶などのお茶や緑茶のジェラートを、アートと一緒に楽しむことができる。

お茶が入った容器には花が咲き、器を動かすと花は散ってしまう。また器をテーブルに置くと花が咲き、お茶を飲むたびに花が咲いたり、散ったりする。

緑茶のジェラートには、花ではなくお茶の木が生えてくる。秋の終わり頃には花も咲くようだ。たまに蝶々も遊びにきて、花や茶の木、蝶々たちを見ながらのんびり休憩できる。

今回紹介できた作品は 「チームラボボーダレス」 で楽しめる作品のほんの一部でしかなく、季節や時間帯、人々の振る舞いや作品同士の影響によって、常にミュージアム内は変化し続ける。そのとき、そのタイミングでしか見ることができない特別な空間は、素敵な思い出になること間違いなしだ。

新生 「チームラボボーダレス」 は、2月9日にオープンを予定している。

©チームラボ