
ソニーセミコンダクタソリューションズと台湾TSMCは5月8日、次世代イメージセンサーの開発・製造に関する戦略的提携に向け、法的拘束力を伴わない基本合意書を締結したと発表した。両社は、ソニーが過半数株式を保有する合弁会社(JV)の設立を視野に入れ、熊本県合志市に新設したソニー工場での開発・生産ライン構築を検討していく。
イメージセンサーはスマートフォンカメラだけでなく、自動運転、監視システム、産業機器、ロボティクス分野でも需要が拡大している。AI活用の広がりに伴い、周囲の状況を高精度で認識するセンシング技術への要求も高まっており、ソニーとTSMCは今回の提携で、そうした次世代用途への対応を加速させる考えだ。
AI時代を見据えた大型提携 熊本を開発・生産拠点に
今回の提携では、ソニーが持つイメージセンサー設計技術と、TSMCの先端プロセス技術や製造能力を組み合わせる。両社は長年にわたり半導体分野で協業関係を築いてきたが、今回は合弁会社設立まで含めた、より踏み込んだ形になる。
検討中のJVでは、熊本県合志市に新たに建設されたソニー工場への開発・生産ライン整備を進める方針。あわせて、ソニーによる長崎の既存工場への追加投資も視野に入れており、市場需要に応じて段階的に実施するとしている。投資については、日本政府からの支援を前提に協議を進める。
対象となるのは次世代イメージセンサー。スマートフォン向けだけでなく、車載、ロボティクス、産業用途など「フィジカルAI」関連分野での活用も想定している。AIが現実空間を認識・判断するうえで、カメラやセンサーは重要な役割を担うため、今後の成長市場として注目されている。
なお、JV設立には今後締結される法的拘束力を持つ最終契約と、一般的なクロージング条件の充足が必要となる。
ソニーとTSMC首脳がコメント 「協業を次の段階へ」
ソニーセミコンダクタソリューションズ代表取締役社長 CEOの指田慎二氏は、「長年にわたるTSMCとの協業を通じて培ってきた信頼関係を基盤に、両社のパートナーシップを新たな段階へ進める合意ができた」とコメント。本JVについて、「次世代イメージセンサー分野における技術と事業の進化を目指す重要な取り組み」と位置付けた。また、「ソニースピリット」のもと、独自技術による新市場創出に挑戦していく考えも示している。
一方、TSMC シニア・バイス・プレジデント兼副共同最高執行責任者のケビン・ジャン氏は、「AI時代における次世代センシング技術を牽引する重要な一歩」と今回の提携を評価。「業界をリードするセンシング技術と製品を提供していくという、両社共通のコミットメントとビジョンを示すもの」と述べた。
ソニーセミコンダクタソリューションズは、ソニーグループ傘下でイメージセンサー事業を展開する半導体メーカー。スマートフォン向けCMOSイメージセンサーで高いシェアを持つ。TSMCは1987年設立の世界最大級ファウンドリーで、先端半導体の受託製造を手掛けている。
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