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AppleはSiriのため新しい自然言語生成(NLG)をテスト中か。Siriの返答が多少賢くなるかも?

昨今、テック業界では 「ChatGPT」 などのジェネレーティブAIが話題だ。ユーザーの質問や命令、相談に対して最もらしい返答ができるというもの。正答率は100%とはいかないまでも、これまでのAIの比べものにならないくらい賢いこともあり、日本でもインターネットを中心に話題になっている。

先日もAppleが独自のジェネレーティブAIを開発していると噂が出ていた (このことは著名記者に否定されている) が、これとは別に、AppleはSiriの新しい自然言語生成機能 (NLG) を利用して、Siriの受け答えの改善に力を入れている可能性があることがわかった。

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Appleは新しい自然言語生成機能でSiriの受け答えを改善中?

AppleがSiriの新しい自然言語生成機能 (NLG) をテストしていると、米Apple系メディアの9to5Macが独自情報として伝えている。

9to5Macによると、今月15日に開発者向けに配信された 「tvOS 16.4」 の最新ベータ版で、「Siri Natural Language Generation (Siriの自然言語生成機能)」 という新しいフレームワークが有効になっていることが確認されたという。

自然言語生成 (NLG) は、データ入力 (Siriの場合はユーザーからの指示) に基づき、人間が理解できる言語で応答を生成する機能になる。ただし、Siriの自然言語生成機能は、現時点ではApple TVにおいてSiriがジョークを言うためだけに使用されている状態で、これをAppleはタイマー機能においても同機能が使えるように実験中であるという。

また、この新しい自然言語生成機能は、現時点ではApple TVでのみ有効だが、同機能のコード自体はApple TV以外にiPhoneやiPad、Mac、HomePodにも含まれており、Apple TV以外では有効化されていないだけであることも判明しているとのこと。

Siriの新しい自然言語生成機能が、Apple TVをはじめ各種Appleデバイスで利用できるようになれば、Siriがユーザーからの指示に対してより正しい受け答えができるようになるかもしれない。

ちなみに、勘違いをしてはいけないのが、今回9to5Macが伝えているAppleの新たな自然言語生成(NLG)は、ChatGPTのような大規模言語モデル (LLM:Large Language Models) とはイコールではないということ。

前述のとおり自然言語生成機能 (NLG) は、ユーザーの質問に対して発する返答を生成するための機能で、Siriを構成するものの一部分に過ぎない。そもそも自然言語生成 (NLG) は、おおまかに自然言語処理 (LNP) と自然言語理解 (NLG) のふたつの技術を利用している上に、自然言語生成 (NLG)の他にも音声言語理解 (SLU) なども使用されている。 

そして、現状のSiriはユーザーの質問に対して柔軟に言語を生成して返答する力は持っておらず、あくまでも決まりきった返答・アクションをするというテンプレート的なものでしか出力できない。9to5Macが伝えている情報が正しければ、Appleが開発している新たな自然言語生成(NLG)はSiriの返答がすこし柔軟になる程度のアップグレードになる可能性が高く、先日のNew Tork Timesが伝えていた 「Appleが独自の大規模言語モデルを開発している」 という報道とはまったく異なるものになる。

また、この報道については、米Bloombergの著名記者Mark Gurman氏が否定していることから、Appleが自らChatGPTのようなジェネレーティブAIを開発しているという報道は (現時点では) 懐疑的に見るべきだろう。

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(画像:Apple)