iPhone 6s / 6s Plusに搭載されているCPU「A9」の問題が話題になっており、このサイトでも最新の情報をお伝えしてきた。
だが本日、今までのベンチマーク結果と真逆の「Samsung製A9の方がTSMC製A9より性能が上」という、驚きの検証が登場してきたのでお伝えする!
「Chipgate」問題のおさらい
この「Chipgate」とは、iPhone 6s / 6s Plusに搭載されているCPU「A9」が韓国のSamsung製か台湾のTSMC製かで性能(バッテリー持ち)が違うという問題。
これまでに様々なベンチマークによる検証が出されてきたが、どれもTSMC製の方が性能としては上だという結果が出ていた。
Samsung製「A9」の方が高い処理性能であるという結果も!
ベンチマークスコアに定評のあるTom’s Hardwareによるベンチマークテストでは「今までのベンチマーク結果は日常生活を考慮した使い方を反映していない」というAppleの指摘を正しいと結論付け、今までのベンチマークテスト結果を否定している。
その上で、Tom’s Hardwareが行ったテストでは、複数のテストでSamsung製がTSMC製を上回っていることを明らかにしている。
彼らが行ったベンチマークテスト結果はこちらだ。
[ via Tom’s Hardware ]
一番上の「Basemark OS II」では、TSMC製に比べてSamsung製の方が性能は劣っているという結果が出ているが、それ以外のベンチマークテストでは、一部項目以外Samsungの方が性能は上であることが書かれている。
特に「Geekbench 3」のシングルコアとマルチコアのスコアを見ると、0.63%と0.81%分、性能が良いという結果になっている。
バッテリー性能はSamsung製の方が上!!
[ via Tom’s Hardware ]
このバッテリーテストを見てみると、なんとSamsung製の方が、TSMC製を「全ての項目」で上回っているという驚愕の結果が出ている!
特に、「Basemark OS II」では16分もバッテリー持ちがいいという結果も出ている!
Tom’s Hardwareによると、「Basemark OS II」では、CPUの効率性やパフォーマンスを図る上でふさわしい方法で測定を行い、「GFXBench3.0」では3Dゲームのプレイを想定してスコア測定を行ったとのこと。
チップ性能はどちらも互角、バッテリー持ちはSamsung製「A9」の勝利
確かにこれらの結果を見ると、どちらの「A9」も純粋な処理性能差はほとんどなく、もしあったとしても性能差は2%以内に収まっていることがわかる。
バッテリーテストの方では、今まで報じられていたベンチマークテストとは真逆で、Samsung製の「A9」チップの方が3.5〜10.8%ほど上回るという結果だった。
Tom’s Hardwareによると、これらの調査結果では、「ユーザーが普段使いをすると、Appleの指摘した通り『2〜3%程度の違い』か、もしくは気付かないレベル」ということが言えることのこと。
どうしてSamsung製が上回る結果が出たのか
Tom’s Hardwareは、ベンチマークテストは正しい条件で行うことが大事で、例えばスクリーンの明るさであったり、同じアプリをインストールしているか、バックグラウンドでどういったプロセスが動作しているかだけで、結果は15%以上変動する、と指摘する。
また電圧の差自体がバッテリーやパフォーマンスの差に繋がることもあるとし、これにはより留意する必要があるとも指摘する。
ベンチマークというものはより厳密に、より正確に行うことで正しい結果が出るのであって、今までのベンチマークはあまり良い結果ではなかった可能性があるようだ。
iPhone 6s / 6s Plusユーザーは安心して使おう!
先日、おそらくこの問題が原因でAppleがCPUの発注をSamsungから減らすことが報じられていたが、この結果はAppleにも我らユーザーにとってもいい結果だと言えるだろう。
そして、このサイトに「自分の買ったiPhone 6s / 6s PlusがSamsung製」であったことを報告してくれた方々が複数人いらっしゃったが、是非その方々は安心して使っていただきたい。そして、有難いご報告に対して、心よりお礼を申し上げます!
[ via Tom’s Hardware ]