Appleが今秋リリースを計画している3つのiPhoneのうち、低価格モデルの「6.1インチ液晶ディスプレイモデル」は、他2つの上位機種から2ヶ月ほど発売が遅れる可能性があるようだ。
これを報じたのは、韓国メディアのThe Bell。噂の低価格モデルには、「iPhone X」スタイルのノッチ付きディスプレイが搭載される予定だが、この画面の生産が思うように進んでいないのが生産遅れの原因なのだとか。
「ノッチ」のおかげで生産が難航か
通常の画面であれば例年通り滞りなく生産できるものの、やはり「ノッチ」の存在が生産を難しくしているという。具体的に言うと「光漏れ」の問題が発生しており、生産を受注しているジャパンディスプレイ(JDI)やLGディスプレイが手こずっているとみられる。これによって、もちろんだがiPhoneの生産にも遅れが生じている。
昨年発売した「iPhone X」は有機ELディスプレイを搭載していたのに、なぜ液晶ディスプレイモデルが作られているのか。その理由は「コストの削減」にある。厳密に言うと、ハイエンドモデルを必要としない層に対して、低価格モデルを提供しようという、Appleの戦略だ。
「iPhone X」に搭載されているディスプレイはSamsungが製造しているのだが、一社体制で生産を行なっているため、Appleはコストの引き下げ(値切り)をしづらい状況が続いている。そのため、AppleはLGディスプレイに対して、有機ELディスプレイ工場建設のための投資を行っている。
しかし、それでもコストが安い有機ELディスプレイの生産が追いつかない、あるいは工場自体の建設が間に合わないことから、今年は大幅な値下げを行うのは難しい可能性がある。そのために、Appleは従来の液晶ディスプレイを搭載した低価格モデルも同時に発売すると予想されているのだ。価格は700ドルから800ドル(76,000円~87,000円程度)になる見通しだ。
今回の報道によると「液晶ディスプレイ」に「ノッチ」を設けるには技術的な問題も残されている様子。この報道が正しいと仮定するならば、もし次期iPhoneの購入を考えているなら、高いハイエンドモデルを9月に購入するか、それとも値段が安い低価格モデルを11月に購入するのか、の二択になるのかもしれない。
ちなみに、生産が遅れているのは液晶ディスプレイモデルだが、上位機種となる有機ELディスプレイモデルについては順調に計画が進んでいるとのこと。今年9月の発売に向けて量産体制が整いつつあるという。
[ via iDB ]