「iPhone X」の品薄は、「Face ID」の認識精度を引き下げることで徐々に改善されることになるのかもしれない。
Bloombergによると、Appleは各サプライヤーに対して「Face ID」の仕様の緩和を通達しており、3D顔認証検出コンポーネントの歩どまり問題を解消する予定であるとのことだ。
「Face ID」のコンポーネント製造を簡単にし、製造数を増やす狙いか
以前から「iPhone X」は、世界の需要に対して生産が追いついていないことが予想されている。その原因は、立体的に顔を認識するための赤外線ドットプロジェクタにあるとされていたが、Appleは同コンポーネントの品質基準を引き下げ、ドットプロジェクターのモジュールの製造速度を加速させているようだ。
もともと、Appleは同コンポーネントを製造する3社のサプライヤーに対し、高い品質基準を要求していた。ただし、Bloomberg曰く、このコンポーネントは非常に壊れやすく、製造は容易ではないという。
この3社のうち、1社のサプライヤーは品質基準を満たせないため、サプライヤーから降りることになったとのこと。現在は、残る2社で製造を行なっているとみられる。
その2社はLGとシャープ。しかし、この2社もドットプロジェクタの製造に苦戦しており、思った以上に生産数は伸びていない。
Bloombergによると、この状況を憂慮したAppleは「Face ID」の仕様を緩和し、コンポーネントの品質基準を引き下げたとのこと。レポートではこの”仕様”をどのように変更したのか触れられていないため、顔認識の精度がどの程度下がるのかは不明。
ちなみに、Appleの発表によると「Face ID」の誤認識率は1/1,000,000だが、前の「Touch ID」は1/50,000。多少、精度が落ちたとしても「Touch ID」よりは優れた性能を持っていることが予想されるが、その辺りは実際に使ってみないと分からないだろう。
ただ、製造は以前よりも簡単になったことで、「iPhone X」の製造数が増えるとみられる。すぐにとはいかないが、品薄を解消することができるのかもしれない。
「iPhone X」は10月27日(金)16:01から予約受付が開始され、11月3日(金)に発売予定。年内の出荷数は世界でわずか2,000万台と言われていることから、購入する予定の方は当日に予約受付を行うようにしよう。
Appleの発表によれば当日販売も行われるが、数はかなり少ないとみられるため、当日に並ぶ人も事前予約にチャレンジすることをお勧めする。