Appleの新型iPhoneの「iPhone X」の発売が、刻一刻と迫っている中、KGI Securitiesの著名アナリストMing-Chi Kuo氏が、とても興味深いレポートを公開している。
彼のレポートによると、「iPhone X」は生産に大きな遅れが発生しているものの、iPhoneの成長見通しは順調、むしろAndroidデバイスを1.5年~2.5年置き去りにするほどのポテンシャルがあると指摘している。
「TrueDepthカメラ」の搭載で、Android端末を最大2.5年分リードできるかも
Ming-Chi Kuo氏は先日、「iPhone X」の出荷台数の予測を打ち出した。彼は、2017年内にAppleが出荷できる「iPhone X」の台数は4,5000万台であると伝えており、のちに4,000万台に減少すると伝えていたが、今回のレポートではこれからさらに減少の、3,000~3,500万台に減少すると予想している。
生産台数がこれまでに少ない理由は、「iPhone X」のフロント部分に搭載されるTrueDepthカメラにあり。複雑な構造をした同カメラの製造は一筋縄ではいかないようで、Appleはとても苦戦しているようだ。
しかし、この製造の遅れがあったとしても、iPhoneの売れ行きは依然としてポジティブであるとのこと。しかも、Kuo氏によれば、同技術は他のAndroid端末を1.5年~2.5年ほどリード(先行)する可能性があるものになるという。もし、この技術が世界中のユーザーから評価されたなら、AndroidからiPhoneへ切り替えるユーザーも多くなり、iPhoneの売れ行きに好影響をもたらすことになるのだとか。
さらに、Ming-Chi Kuo氏によれば、「iPhone 8」シリーズ(特に「iPhone 8 Plus」)の売れ行きも好調であることから、iPhoneシリーズ全体の長期的な売れ行きも心配する必要はないという。
「iPhone 8」が初代iPhoneから続くシリーズの終着点だとすれば、「iPhone X」はこれから始まる新しいiPhoneの歴史の始まり。
iPhoneのデザインが停滞した頃や、CEOがスティーブ・ジョブズ氏からティム・クック氏に変わったことで、何度かiPhoneシリーズの不調が囁かれたこともあったが、iPhoneシリーズは今後も順調に成長を続けていくのかもしれない。
[ via 9to5Mac ]