「iPhone X」で初めて導入される顔認証機能「Face ID」。この機能は、「iPhone X」のホームボタン廃止に伴い、これまでiPhoneシリーズで取り入れられていた指紋認証機能「Touch ID」の代わりとなる機能だ。
Appleの発表を聞く限り、この「Face ID」はまさに「Touch ID」の上位互換とも言える機能なわけだが、残念ながら”とある点”において「Touch ID」に劣ることがある。それは、ひとつの顔しか登録できないということ。
One thing I got wrong: Face ID only supports one face :/ pic.twitter.com/QHyCkWtaWe
— Guilherme Rambo (@_inside) 2017年9月13日
今までホームボタンに搭載されてきた「Touch ID」は、最多で5本の指まで登録することができた。本人の指を5本登録することもできるし、自分の指の他にも家族や恋人の指を登録することもできた。
しかし、「Face ID」は使用者の顔だけを登録し、その他の人の顔を登録をすることができない。
なぜ、「Face ID」には複数の顔を登録することができないのか。詳しい理由は明かされていないが、勝手に想像するに指紋のある指はユーザーひとりにつき5本以上あるのに対して、顔はひとつだけしかない。つまり、そもそも複数の顔を登録する必要性がないということだろう。
そもそも今まで5本の指を登録できた理由は、右手と左手で持ち変えた時に認証する指が変わるから。あくまでユーザビリティを考えたものであって、Appleとしては、iPhoneを複数人で使うことを前提としていないということ。
ただ、この変更は今まで家族や恋人の指紋を登録してきたユーザーにとっては不便になりかねない。他のユーザーが「iPhone X」のロックを解除したい時、「おい、ちょっと面貸せや」と言って使用者本人の顔認証を済ませる必要があるからだ。パスコードの入力で補うという方法もあるが、やはり「Touch ID」に比べると不便になることは間違いないだろう。
今回の変更は、本人だけで使う場合はセキュリティを高めるという点で安心感があるものの、複数のユーザーで使いづらくなるというのは若干のマイナス点とも言える。
個人的に疑問なのは、「iPad」や「Mac」にこの「Face ID」が導入された際のこと。これらの端末は複数のユーザーで共有して使うことも多いはずで、Appleは「Face ID」に登録できる数を増やすことを計画しているのだろうか。今後を考えると、この点はとても気になるところだ。
[ via PhoneArena ]