いよいよ開催が迫ってきたAppleの新製品発表イベント。「Let’s meet at our place.」と題された今回のイベントでは、多数の新製品が発表されることが予想されている。
特に注目を集めているのは、初代iPhoneの発売から10周年を記念したプレミアムモデルの新型iPhone。「iPhone 8」や「iPhone Edition」「iPhone X」など様々な呼称が予想されている同端末だが、どのような端末になるのかはAppleのファンはもちろんのこと、世界中のユーザーが関心を寄せている。
当記事では、このプレミアムモデルに関する最新情報をまとめてみた。そして、同時に発表される他の新製品についても、改めておさらいしてみたいと思う。
以下、発表が予想される製品について、個別に紹介していく。関連記事も掲載しておくので、Appleの新製品に興味があるようだったら、そちらもさらっと目を通していただけると幸いだ。
世界が注目する新型iPhone、10周年を記念したアニバーサリー端末
今回の発表イベントで最も注目されている新製品は、やはり新型iPhoneだろう。今年、Appleは3つの新型iPhoneを用意していると言われ、そのうちの最上位モデルが「iPhone 8」と呼ばれている。
冒頭でも少し触れたが、この「iPhone 8」という名称はあくまで予想。本当は「iPhone Edition」「iPhone 8 Edition」「iPhone X」など多数の呼称が予想されており、どれが本当かは現時点では分かっていない。
ただ、少なくとも明らかなのは、端末デザインは従来端末から大きく変わり、多くの新機能が搭載されるということ。
「iPhone 8」の主な特徴(確実視されているもの)
- 有機ELディスプレイの採用
- 画面サイズは5.8インチ
- ホームボタンの廃止
- 端末のベゼルレス化
- ホームボタン廃止に伴い、「Touch ID」を廃止
- 「Touch ID」の代替機能として、顔認証機能「Face ID」の導入
- 「A11」プロセッサの搭載
- RAM容量は3GB
- ワイヤレス充電への対応
- 高い防水性能
- ヘッドホンジャックは引き続き搭載せず
以下は現時点で真偽不明
- カラーラインナップは「ブラック」「ホワイト」「ブラッシュ・ゴールド」の3種類
- ストレージ容量は64GB/256GB/512GB
- 価格は999ドル (約11万円)〜
- 予約開始は9月15日(金)、発売は9月22日(金)
※ただし、発売は10月以降になるという情報もあり
最新の情報では、新型iPhoneは5.8インチの有機ELディスプレイを搭載する予定。ディスプレイの薄型化や省電力化を実現できるだけでなく、今まで以上に明るく、ハッキリとした色彩表現ができるようになるとされる。そして、正しい白や黒の表現が可能になるため、画面周囲のベゼルとの境界を曖昧にすることができるとされている。
この特性を活かして、同端末上部にはセンサーやレシーバーなどを置くための”ノッチ部分”が、画面に食い込む形で配置される。
黒ベゼルに白画面では、奇妙な形状をしているように見えるかもしれないが、この凹部分の左右に時計やアンテナピクト、バッテリー残量の表示ができるようになるため、メイン画面を広く使うことができるようになる。
And this is what the floating dock looks like on iPhone when invoked in apps pic.twitter.com/542r1SWMAr
— Guilherme Rambo (@_inside) 2017年8月30日
そして、ホームボタンの廃止に伴い、画面下部にはホームボタンの代わりを果たす操作領域が設けられることになるという。具体的には、「iOS 11」をインストールしたiPadで使えるDockが導入される予定で、画面下にあるバーを上にスワイプすることで、「Dock」の呼び出しが可能になる。
iPad app switcher works fine on iPhone. “iPhone 8” will probably use a similar approach. (Control Center not supported in simulator) pic.twitter.com/wJTaW4JRpd
— Guilherme Rambo (@_inside) 2017年8月31日
また、さらに画面上部までスワイプすることで、アプリスイッチャーが表示される仕組み。アプリの切り替えなど、ホームボタンが廃止されることによって、操作方法が大きく変わるようだ。
また、ホームボタンが廃止されることで、行き場を失った「Touch ID」は「Face ID」に置き換えに。これまで指紋を読み取ることで行なっていた生体認証を、ユーザーの顔を撮影することで認証を行うようになるとされている。
この「Face ID」がどれほどのレベルの認識精度を持っているのかは不明だが、とある情報筋によるとわずか数ミリ秒でユーザーの顔を認識することができる。机に横たわらせた状態でも認識が可能で、Apple Payを使うときでもスムーズに顔認識ができるともされる。
また、顔認証機能を搭載したスマートフォンはiPhoneが初めてではなく、最近ではSamsungの「Galaxy S8」シリーズや「Galaxy Note 8」も顔認証が可能だが、これらの端末は顔写真でも端末ロックを解除可能。しかし、新型iPhoneの顔認証センサーは立体的な認識ができるため、1枚の写真をかざすだけでは突破することができないとも言われている。
一時は、Appleも「Touch ID」を存続させることを検討していたようだが、有機ELディスプレイに埋め込むのは今の技術では難しいため、今回は導入を見送ったとの情報も。いずれ「Touch ID」が復活することもあるのかもしれない?
端末デザインについて話を戻そう。「iPhone 8」の背面は従来の金属パネルから、ガラス製に置き換えられる。この理由はワイヤレス充電に対応するためで、ワイヤレス充電規格「Qi」に対応したワイヤレス充電パッドの上にiPhoneを置くことで、端末を充電することができるようになるとされる。要は、今までよりはちょっとばかり充電が楽になります、という程度の話。
しかも、次期iPhoneは急速充電に対応するとも言われており、早く充電したい場合は引き続き有線で接続する必要があるのかもしれない。
そのほか、プロセッサは「A11」プロセッサを搭載し、RAM容量は3GB。ストレージ容量は64GB/128GB/256GBが妥当だとは思うが、64GB/256GB/512GBの3種類になるという情報もある。
次期iPhoneのプレミアムモデル、性能はとても高いものになりそうだが、価格もプレミアムなものになりそう。著名アナリストやリーカーからの情報によると、「iPhone 8」の価格は最安モデルで999ドル、日本円にすると11万円を超える予定。さらに最も大きなストレージ容量を持つ端末になると1,199ドル(13万円以上)になり、あと1万円ほど追加すれば最新の「MacBook」を買える金額になる。アメイジング。
同端末の予約開始日は9月15日(金)、発売は9月22日(金)になると報じられていたが、最近では10月以降に発売するという情報がチラホラ。生産が今月になってようやく開始されたと報じられているため、早くても10月に入らないと手に入れることはできなさそうだ。
【追記】
9to5Macが入手した「iOS 11」のGM版から、「iPhone 8」についての様々な新情報が明らかになっている。詳細については以下の記事からどうぞ。
プレミアムモデルと同時に発表される2つの新型iPhone「iPhone 7s / 7s Plus」
「iPhone 8」の他に、Appleが用意している残り二つの新型iPhone、名前は「iPhone 7s」と「iPhone 7s Plus」。
これらは、どちらも昨年発売した「iPhone 7 / 7 Plus」のアップグレードモデルと言われており、デザインや機能面で大きな変更点は少ないとされる。
ただし、大きな変更点が2点だけある。1点目は背面パネルに使用される素材が金属製からガラス製に置き換えられるということ。この理由は、「iPhone 8」と同様にワイヤレス充電に対応するからで、電波を通しやすいガラスのパネルが背面に使用される予定。つまり、本体デザインも背面に関しては変更されることが予想されている。
そして2点目は、次世代のプロセッサ「A11」チップが搭載されるということ。「A11」プロセッサは10nmプロセスで製造されているため、従来のプロセッサよりも早い処理能力を持っているとされる。
その他、変更点はほとんどなし。カメラは「iPhone 7s」は単眼カメラ、「iPhone 7s Plus」はデュアルレンズカメラを搭載し、ホームボタンも引き続き搭載予定。「Touch ID」が引き続き搭載され、「Face ID」は搭載されない見通し。
価格も従来のものから変更なし、あるいは少々安くなる可能性あり。この辺りの細かい情報は当日のイベントで発表されるまで真偽は不明だ。
LTEに対応する第3世代「Apple Watch」
今回の発表イベントに関して、最も注目されているのは新型iPhoneであることに異論はないが、個人的にはもう一つ注目している製品がある。それは、新型「Apple Watch」について。
第3世代「Apple Watch」の主な特徴
- LTE通信が可能に
- バッテリー性能の向上
- 次世代プロセッサの搭載
- 防水性能の向上
- 新ワークアウトの追加
- 血中糖度の計測が可能に
早くも第3世代になる「Apple Watch」はいよいよLTE回線に対応する可能性が出てきた。さすがに、セットアップなどはiPhone経由で行うことになるとは思うが、新たにLTEに対応することでiPhoneと離れた位置でも利用することができるようになると予想できる。例えば、FaceTimeやSkype、メッセージの送受信など、スタンドアローンでできるようになるかもしれない。
さらに、次世代プロセッサの搭載で処理能力が今まで以上に早くなる可能性あり。また、防水性能の向上や新ワークアウトの追加など、運動に関する機能の向上や新機能が追加される可能性も指摘されている。
しかし、その他に新型「Apple Watch」に関する情報はほとんどない。そもそも新型端末の名称が「Apple Watch Series 3」になるのかも不透明。価格や発売日についても同様だ。
一時は血中糖度を図るセンサーが搭載されるという話もあったが、これに関しても最近ではほとんど情報もない状態。本体のデザインにも変更は加えられないとされているため、新型モデルはあくまでもマイナーアップデート程度に留まり、従来モデルをすでに持っている方にとっては、マストバイな商品ではない可能性がある。
4K/HDR動画に対応した「Apple TV (第5世代)」
2015年、Appleは9月のiPhone発表イベントで新たに「Siri Remote」が同梱された「Apple TV (第4世代)」を発表したが、そのちょうど2年後にあたる今年、Appleは「Apple TV (第5世代)」を発表する予定だと噂されている。
「Apple TV (第5世代)」は、iTunes Storeの購入履歴から「4K/HDR」を示唆する記述が発見されており、12月に発売予定の「HomePod」のファームウェアからも同様の記述が見つかっていることから、4K/HDR動画への対応が期待されている。
また、「Apple TV (第4世代)」ではCPUに「A8」プロセッサが搭載されていたが、今回発表される「Apple TV (第5世代)」には次世代のプロセッサが搭載され、処理がより高速になるとみられる。
さらに、Appleは4Kコンテンツの導入のため、4K映画の配信についてハリウッドの各スタジオと協議を重ねていると伝えられている。
ただし、まだ価格について両者は合意に達することができておらず、AppleとしてはHD画質と同様の1本20ドルほどで販売を行いたい意向だが、各スタジオからは25ドルから30ドルほどの価格を提示されているとのこと。もしかすると4K映画の配信がスタートされるのは「Apple TV (第5世代)」の発売後しばらく経ってからになってしまうかもしれない。
新製品の発表イベントは日本時間13日午前2時から
以上が、今回のスペシャルイベントで発表されるとみられる新製品。
新製品発表イベント「Let’s meet at our place.」は、米国時間9月12日午前10時から開催される予定。日本時間では9月13日午前2時から。当日はストリーミング配信が実施されるため、ウェブ上でイベントの様子を視聴することが可能だ。
また、新製品の他には次期OSの「iOS 11」「macOS High Sierra 10.13」「watchOS 4」「tvOS 11」の一般リリース日が発表される予定。
注目の新型「iPhone」や「Apple Watch」の発売日や価格については不明な点も多いが、これまでの情報から今月から来月にかけて発売される可能性が濃厚だ。
これらの端末は注文が殺到する可能性があるため、予約で出遅れるとしばらく入手困難になる可能性がある。もしも新型モデルの購入を考えているようだったら、新製品の情報を随時チェックしておくことをお勧めする。
次期iPhoneの名称がほぼ確定しましたが、あなたは新型iPhoneを買いますか?また買うならどのiPhoneを買いますか?教えてください! https://t.co/Mx9L5IkKre
— NANA@夏イベ掘り完遂 (@NANA_CoRRiENTE) 2017年9月9日