Appleは、来週から始まる「WWDC 2017」で次期iOSの「iOS 11」を発表する予定だ。「iOS 11」に関する情報はあまり多くはないため、現時点ではどのような変更が行われるかほとんど分かっていない状況だが、少し気になる情報が新たに登場している。
それは、音声アシスタントの「Siri」について。Reuterによると、Appleは「iOS 11」から音声アシスタント機能の「Siri」の機能を拡張し、より多くのサードパーティアプリと連携できるような工夫が施されているという。
「iOS 11」ではより多くのサードパーティー製アプリで「Siri」が使えるように?
Appleは、昨年の「WWDC 2016」で「iOS 10」を発表したが、同OSではサードパーティアプリとSiriを連携させるためのSiriKitが、デベロッパー向けに提供された。
これによりiPhoneやiPadでは、サードパーティアプリをSiri経由で利用できるようになった。しかし、SiriKitが使えるカテゴリはある程度限定されており、Uberの車両呼び出しやメッセージの作成、写真検索やモノに対する支払い、VoIP通話など一部の機能でしか使うことができなかった。
しかし、Reuterは「iOS 11」でこれらのカテゴリの拡大が予定されており、もっと多くのサードパーティアプリで「Siri」が使えるようになると報じている。
具体的に拡大されるカテゴリについては触れてはいないので、どれくらいSiriが進化するのかについて詳細は不明だが、しかしながらAppleがSiriに力を入れる理由にはひとつ心当たりがある。
それは、秘密裏に開発してきたSiri搭載スピーカー。「WWDC 2017」でその正体が明かされる可能性が高い同端末だが、Siriを搭載することで普段の生活をアシストしてくれるような機能がふんだんに盛り込まれることが予想されている。
察しのいい読者ならおそらくすでにお分かりだと思うのだが、このSiri搭載スピーカーの評価は「Siri」の音声認識技術にかかってくる。もっと言えば、いかにSiriと連携ができるのかがミソになる。
話し手の言葉を正しく認識できることも重要だが、それ以外にも言葉を聞いたアシスタントが、ユーザーのために何ができるかが重要になるからだ。
おそらく、Siri搭載スピーカーにもtvOS App Storeのようなサードパーティアプリが進出できるプラットフォームが用意される(もしくはwatchOSのようにiOSとの連携が必須なものに?)ことになると思われる。AppleがSiriの技術を向上させるという話は、当然といえば当然なのかもしれない。
「iOS 11」のリリース時期は例年通りなら今年の9月頃。そして「Siri搭載スピーカー」の登場は2017年後半と言われている。
同スピーカーの発売日と発表日が大きくずれるのは、発売までの間にデベロッパーにたくさんの専用アプリを開発してもらうためである可能性が高い。多くのアプリが揃った状態であることが好ましいため、世界中のデベロッパーが集結する「WWDC 2017」で先行公開するのには、そういった理由があるものと考えられる。
KGI SecuritiesのMing-Chi Kuo氏は、同スピーカーの登場を50%と予想しているなど、Siri搭載スピーカーがそもそも発表されるのかどうかも定かではない状態だが、もし発表されるならSiriの向上はほぼ確実に行われていると考えていいだろう。
音声アシスタント「Siri」がどこまで使えるようになるのか、そういった点でも「WWDC 2017」は注目だ。
[ via MacRumors ]