先日、AppleがiOS端末向けに独自のグラフィックチップを開発中であることが明らかになっていたが、次は独自のPMIC(電源を制御するICチップ)を開発しているという情報が入ってきた。これによって、iPhoneはバッテリー持ちが大幅に改善されることになるかもしれない。
ロイター通信によると、AppleはiPhone向けに独自のPMICコンポーネントの開発を進めており、2年後の2019年には、iPhoneに現在搭載されているDialog社のPMICの一部を独自のカスタムシリコンチップに置き換えることを検討しているという。
Appleが独自のPMICを採用することで、iPhoneのバッテリー持ちが改善されるかも
この情報を伝えているのは、ドイツのプライベートバンクBankhaus LampeのアナリストKarsten Iltgen氏。
Iltgen氏によると、AppleはDialogなどのサードパーティサプライヤーから優秀な技術者を積極的に引き抜いており、すでに独自設計のPMICの開発を始めているとのこと。引き抜いてきた技術者たちは、Appleが設計したPMICに関わる重要なチームに配属されているという。
PMICはデバイスのコンポーネント間の電圧と電源を管理する部品であり、バッテリー持ちに影響する部分。デバイスのバッテリー持続時間を改善するためには力を入れる必要がある。
Appleは他社との競争で優位に立つため、製品に組み込まれるコア部分の技術を作りたいと昔から語っており、先日もGPUチップを独自で開発することが明らかになったばかり。今回の情報は、ここ最近のAppleの方針に則っているとも言える。
Iltgen氏の情報が正しいかどうかは定かではないが、もし2019年発売の新型iPhoneに独自PMICが採用された場合、iPhoneのバッテリー持ちがより改善される可能性がある。ひょっとすると、将来的にはiPhoneを毎日のように充電する必要がなくなるかもしれない。実現するのは早くても2019年なので、まだまだ先の話ではあるが。
ちなみに、今回の報道を受けてDialog社の株価は約20%ほど下落。ただ、Barclays Researchは今後のDialog社の見通しは悲観的なものではなく、Appleが関係を完全に断ち切る可能性は低いと報告しているとのことだ。
[ via 9to5Mac ]