2017年秋に発売が予定されている次期「iPhone」の「iPhone 8」はホームボタンが廃止され、前面のディスプレイサイズが大型化、端末全体にディスプレイが広がるベゼルレスモデルになることなどが予想されているが、新たにFaceTimeカメラ(内向きカメラ)にも大きな変更が加えられる可能性があることが分かった。
発売前のiPhoneに関して、いつも確度の高い情報を提供するKGI SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏は、「iPhone 8」のFaceTimeカメラには3D空間(立体空間)を認識することができる赤外線モジュールが搭載され、性能が大幅に向上する予定であると伝えている。
3Dセルフィー写真の撮影やユーザーの顔認識が可能に?
Appleが「iPhone 8」に搭載しようとしている赤外線モジュール。Kuo氏によればAppleが2013年に買収した企業PrimeSenseの技術が応用されたものであるようだ。
同社はMicrosoftのKinectのアクティブセンサーを開発した企業でもあり、非常に優れた3Dセンサー技術を保有していることで有名だ。
モジュールには赤外線の送信と受信を感知できるセンサーが盛り込まれ、一度送信した信号が跳ね返ってきたことを感知することで、深度情報を得ることができるようだ。これがあれば2D画像に対して被写界深度の情報を加えることができるという。
例えばセルフィー写真を撮るとき、被写体の背景をぼやかすことで今までよりも立体的なセルフィー写真に仕上げることができるようになると思われる。
また、立体的な顔写真が撮影できるようになることで仮想空間において自身の顔データを使用できるようにもなる。応用すれば3Dゲームなどの立体的なキャラクターに対して、自身の顔をあてがうことが可能になるとのこと。
この赤外線モジュールは噂の顔認識機能や虹彩認識なども可能にするとしていて、ホームボタンが廃止される予定の「iPhone 8」にはマストな技術となるだろう。フロントカメラ自体はSONY製となるほか、赤外線モジュールの送信機はLumentum、受信機はSHARP(Foxconn)のものが使われるとKuo氏は予想している。
ちなみに、今回の赤外線センサーの搭載に関する情報は、実は初めての報道ではない。以前にもCowen and CompanyのアナリストTimothy Arcuri氏が同モジュールの搭載を予想していた。顔認識機能を実現するには、今回の赤外線モジュールの搭載が必須とみていいのではないだろうか。
最近では次期「iPhone」の全貌が明らかになりつつある。
2017年に発売するiPhoneは、従来の4.7インチと5.5インチモデルをアップデートさせた「iPhone 7s / 7s Plus(仮)」の2機種に加えて、5.8インチモデルの「iPhone 8(仮)」が登場。全3モデル体制になることが予想されている。
「iPhone 8」に関しては冒頭でも触れたとおり、ホームボタンの廃止に伴いディスプレイサイズが大型化。端末全体がディスプレイ化する予定で、ホームボタンの代わりに「ファンクションエリア」と呼ばれる操作スペースが設けられる。イメージとしては「MacBook Pro 2016」の「Touch Bar」のようなものが搭載されるのだろう。
チラホラと新しい情報が出てきている「iPhone 8」。一時は錯綜していたが、少しずつ情報がまとまってきた感がある。今回の情報もかなり確度の高いものであることから、内向きカメラの赤外線モジュールの搭載は今後の注目点の一つとなりそうだ。
[ via 9to5Mac ]