10月末に発売が発表されていたAppleの純正ワイヤレスイヤフォン の「AirPods」。今月にも発売が予定されていると報じられているが、未だに音沙汰もなく、発表からすでに3ヶ月以上が経過した。
「AirPods」の発売が遅れている原因についてはまだ明らかにされておらず、一部では内部チップに問題が発生したのではないかと囁かれていたが、どうやら問題があったのはBluetooth関連だった模様。WSJが報じている。
原因は二つのBluetoothチップとの同期がうまくできない点
Wall Street Journalによると、「AirPods」が抱えている問題は「デュアルBluetooth」での接続にあり、二つのBluetoothチップとの同期がうまくできていないからであるとのこと。
この問題はやはり「AirPods」の独特な構造が原因で起こるものである可能性が高い。と言うのも、現在市販されている普通のワイヤレスイヤフォンであれば、左耳用と右耳用の二つのイヤーピースが1本のケーブルを介して一つにつながっているため、Bluetoothチップは一つでことが足りる。
だが、「AirPods」は普通のワイヤレスイヤフォンとは違い、左耳用と右耳用のイヤーピースがそれぞれ独立しているのが特徴だ。つまり、Bluetoothチップがそれぞれ片方ずつに入っており、iPhoneなどのデバイスに対して、両方ともペアリングする必要性があるのだ。
二つのBluetoothチップに対して音楽データを送信する場合、そのどちらにも同じタイミングで音楽を流さないと、音楽をまともに聞くことができない。となると、ちょっとしたズレも許されないものになるため、技術的には非常に難しいものとなりそうだ。
問題はこの他にも、片方の「AirPods」をなくしてしまった時や、片方の「AirPods」のバッテリー残量が低下してきた時にどのような対処をするかなどクリアしないといけない問題が山積しているとのこと。
「デュアルBluetooth」接続を採用している製品は、すでにいくつかあるため実現が困難なものではない。だが、「AirPods」の発売がこれだけ遅れていることを考えると、かなり難しい調整が続いていたようだ。
先日、AppleのCEOティム・クック氏は、とあるユーザーに対してEメールを送った。これによると、今後数週間のうちに発売する予定としていることから年内に発売になる可能性が高い。おそらくクック氏が同コメントをしたということは、調整も最終局面に来ているということだろう。
まもなく発売になることが期待されている「AirPods」。すでに別のワイヤレスイヤフォンを買ってしまった人もいるかもしれないが、登場を根気強く待っているユーザーも多い。Appleからの正式な発表が待たれる。
【追記】2016年12月13日、「AirPods」がついに発売に。購入はこちらからどうぞ。
[ via 9to5Mac ]