『ポケモンレジェンズ Z-A』ハンズオンレビュー:ミアレシティの夜に息づくリアルタイムバトル

今月20日〜25日にかけて、独ケルンでは欧州のゲーム見本市 「gamescom 2025」 が開催され、世界各国から多くのゲームファンが詰めかけた。

そして、今年は任天堂がブースを展開しており、そのなかでポケモンの期待の最新作『Pokémon LEGENDS Z-A (ポケモンレジェンズ Z-A)』のプレイアブル展示が行われていた。

欧州においてもポケモンの人気は凄まじく、多くのユーザーが試遊台に行列をなした。

筆者は初日のプレスデーで『Pokémon LEGENDS Z-A』を試遊することができた。プレイ時間はわずか20分程度と限られていた上に、言語設定もドイツだったので100%理解には至らなかったが、画面に広がるミアレシティの光景と新しいバトルシステムは、それだけでシリーズの未来を予感させるのに十分だった。本稿はそのレポート記事となる。

熱気あふれる試遊会場
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夜のミアレシティに包まれる体験

(画像提供:株式会社ポケモン)

『Pokémon LEGENDS Z-A』は、オープンワールド型アクションRPG『Pokémon LEGENDS アルセウス』に続くシリーズ第2作だ。ひとつの街を舞台に物語が展開し、これまでにない「ポケモンのバトル」と「アクション」が融合した、シリーズの新たな挑戦作となっている。

物語の舞台は、カロス地方最大の都市・ミアレシティ。人とポケモンの共存を目指して再開発が進むこの街で、主人公は「ホテルZ」に滞在しながら、さまざまな出来事に立ち向かっていく。

街には自然と調和した公園やカフェが点在し、再開発エリアの一角には野生のポケモンが暮らす「ワイルドゾーン」も設けられている。プレイヤーはそこに足を踏み入れ、物陰から忍び寄ったり、バトルで体力を削ったりしてポケモンを捕まえることができる。

まず目を奪われるのは街そのものだ。昼間は整然とした大都市が広がるミアレシティだが、夜になるとガス灯を思わせる街灯やネオン看板が輝く。

遠くからは雑踏やポケモンの鳴き声が聞こえ、従来作では味わえなかった「都市の息づかい」が感じられる。街を歩くだけでも強い没入感があり、過去作のどこか無機質だった街並みから大きく進化したことを実感した。

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クールダウン制とリアルタイムアクション

今作のトレーナーとのバトルは、ポケモンとトレーナーがリアルタイムで行動するシリーズ初のバトルシステムが採用されている。

トレーナーとポケモンは基本的に一緒に行動し、トレーナーの指示によってポケモンが技を繰り出す。技の射程や発動タイミング、さらには交代の判断まで、これまで以上に戦略性が求められる仕組みだ。

技はX、Y、A、Bボタンに割り当てられており、ZLで相手をロックオンしたうえで指示を出すと、ポケモンは対象に向けて技を発動する。

ポケモンの技はX、Y、A、Bボタンに割り当てられており、ZLでターゲットをロックオンして技を指示することで、ポケモンが指示通りにロックオン対象に向けて技を放つ。

また、従来の「PP」は廃止され、各技にはクールダウンが設定されている。つまり同じ技を連続して出すことはできず、テンポよく攻めたいなら技の組み合わせを考える必要がある。攻撃後の隙をどう繋ぐか、どの技をどう組み合わせるかが重要となり、単なるボタン連打では通用しない。

特に良いと感じたのは、これまであまり使われなかったデバフ系の技(例:「なきごえ」など)が、攻撃技のクールダウン中に活用できる点だ。従来のバトルにはなかった新しい戦い方を楽しめるようになっている。

また、戦闘中のポケモン交代は即座に行えるようになっていて、敵の攻撃属性を見て瞬時にポケモンを切り替えるという戦略性が生まれていた。従来の「交代に1ターン消費」する感覚とはまったく違い、まるでアニメで描かれてきたスピーディーな指示を実際に行っているような没入感がある。

ステルス要素も導入されていて、相手トレーナーのポケモンに背後から近づいて奇襲を仕掛ければ有利に立ち回ることができる。

ただし、せっかく背後を取れたにも関わらず、「どのポケモンで戦おうかな……」と悩んでいるうちに、トレーナーが振り返って通常バトルに突入してしまうということがあったので、ポケモンの回復や交代などはバトル終了後に行っておいて、いつでもバトルに挑めるように準備しておいた方がよさそうだ。

回復アイテムなどの使用もクールダウン制に組み込まれている。ただしシングルプレイではインベントリを開いた際に時間が止まるため、慌ててボタンを連打する必要はないようだ。

暴走メガアブソルとの死闘

別の試遊台では、ルカリオと共闘して暴走メガシンカしてしまったメガアブソルと対峙するシナリオが用意されていた。通常のアブソルのシルエットから一転、紫色の禍々しいオーラを纏った姿で襲いかかってくる様子は圧倒的な迫力だった。

暴走メガシンカしたポケモンとのバトルは、『アルセウス』で主人公がシズメダマを投げて戦うキング・クイーン戦の要素をリアルタイム戦闘に組み込んだようなイメージ。今作ではシズメダマではなく、自分のポケモンの技を当てて暴走メガシンカしたポケモンの体力を削っていく。

アブソルがメガオーブを落としている様子
フィールドに落ちているメガオーブを拾ってルカリオをメガシンカさせる

暴走メガシンカしたポケモンとのバトルにおいては、相手に技を当てると「メガオーブ」を落とすため、これを拾って自分のポケモンをメガシンカさせることで、強力な一撃を繰り出せる。

実際の戦闘は常に動き続けることが求められ、回避と攻撃の緊張感が途切れない。HP量が多く、攻撃力も高いメガアブソルの暴走を止めるには、通常のバトルよりも多くの時間を要する。

また、相手がたまに使ってくる強力な技 (エフェクトが派手なので見た目ですぐにわかるはず) を喰らうと大ダメージを受けてしまうため、危ない攻撃が来そうなら回避を優先するなど臨機応変に戦うことも大事になってくるはずだ。

約5分間の戦闘は長く感じるほど密度があり、従来の「ターン待ち」では味わえなかったライブ感を強く感じた。

『ポケモンレジェンズ Z-A』は次世代のポケモン体験へ繋がる作品になるかも

試遊会場に聳え立つミアレシティのプリズムタワー

『ポケモンレジェンズ Z-A』は、従来のターン制RPGが持つ安心感と快適さを残しながら、アニメさながらのスピード感あるリアルタイムアクションを融合させた意欲的な作品だ。

デモプレイでは、夜のミアレシティを舞台にバトルが展開された。ネオンが灯る街並みを背景に、トレーナーとポケモンが一体となって動き、攻撃をかわし、間髪入れずに反撃を繰り出す。

これまでテレビアニメで描かれてきた迫力ある戦いを、自分の手で操作して体験できる――その瞬間に、長年のファンが夢見てきた「ポケモンバトルの進化」がついに形になったと強く感じた。

わずか20分という短い試遊だったにもかかわらず、その印象は鮮烈で、「これはシリーズにおける大きな分岐点になる」という確信に至った。単なる新作ではなく、ポケモンバトルの表現そのものを新しい次元へ押し広げた作品といえるだろう。

『ポケモンレジェンズ Z-A』は、2025年10月16日にNintendo SwitchおよびNintendo Switch 2向けに発売予定。これまでのファンはもちろん、新たにシリーズに触れるプレイヤーにとっても忘れられない体験になるはずだ。発売日が待ち遠しい。

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※画面は開発中のものです。

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