
任天堂は6月5日、待望の新型コンソール「Nintendo Switch 2」を発売した。
2021年10月に発売したNintendo Switch(有機ELモデル)以来の新型コンソールで、世代的には2017年に発売した初代Nintendo Switchの後継機種にあたる。画面の大型化や処理性能の向上などにより、ゲーム体験が大きく向上している。
今回、筆者はマイニンテンドーストアの第2回抽選で見事当選し、Nintendo Switch 2の実機を発売当日にゲットすることに成功した。
さっそく実機をあれこれチェックしたほか、Nintendo Switch 2の専用タイトルや、アップデートでSwitch 2に最適化したタイトル、Nintendo Classicsで配信が開始されたゲームキューブタイトルなどを遊んでみたので、そのレポートをお伝えしたい。
Nintendo Switch 2の本体をチェック

まずは開封の様子から。今回筆者が購入したのはNintendo Switch 2(日本語・国内専用モデル)。
本体に加えて、付属品はドックとJoy-Con 2、Joy-Con 2のストラップ、Joy-Con 2のグリップ、充電アダプタ、充電ケーブル(USB Type-C)、HDMIケーブル。
本当は、新しいProコントローラーの購入も考えたのだが、今後発売するNintendo Switch 2向けの新作タイトルにあわせて特別カラーのコントローラーが出てくることを見越して現時点での購入は見送った。
さっそく電源を入れると、「Nintendo Switch 2」 のロゴが現れると同時に、本体更新が必要とのメッセージが表示されたので、数分かけてアップデートを実施。
アップデート後には、現在使っているSwitchから「まるごと転送」を使ってセーブデータや各種設定を移行した。まるごと転送をするには、Switch・Switch 2の両方ともACアダプターに接続する必要があるため、準備をお忘れなく。

転送が完了してSwitch 2の準備が整ったら、本体をひと通りチェック。画面とJoy-Conで構成されているのはこれまでと同じだが、画面が6.2インチ(有機ELモデルは7インチ)から7.9インチとかなり大きくなり、映像はかなり見やすくなっている。解像度は1920×1080ピクセルで、HDR表示に対応。最大120Hzの可変リフレッシュレートに対応したことで、より滑らかな映像が楽しめる。

なお、画面には液晶ディスプレイが採用されている。筆者は元々液晶モデルでプレイしたため画面の鮮やかさには違いは感じなかったが、有機ELモデルを使っていた人からしたら画面品質が下がったと感じる人もいるかもしれない。

Joy-Con 2はこれまでのスライド式ではなくマグネット式になったことで、従来よりも簡単に取り外しできるように。近づけるだけでマグネットでパチっと装着、外すときは後ろの取り外しボタンを押すだけでスルッと外すことができる。従来のスライド式の接続方法は着脱に地味に時間がかかっていたが、Switch 2は一瞬で着脱可能だ。
Joy-Con 2の持ったときの感覚や、ボタンの押し心地は基本的にSwitchとおなじ。ただし、スティックはSwitchよりも滑らかに動くようになってわずかながら使いやすくなった印象だ。
HOMEボタンの下の「C」ボタンはゲームチャット機能を呼び出すためのものだ。ゲームチャット機能は2026年3月31日までは期間限定で誰でも無料で利用できるため、この機会にお友達とおしゃべりしながらゲームを楽しんでみてはどうだろうか。ちなみに、2026年4月1日以降に利用するには、有料の「Nintendo Switch Online」に加入する必要がある。


本体背面にはキックスタンドが用意されていて、フリーストップ式になったことで使いやすい角度に調整できるように。先代のSwitchのスタンドはかなり簡素なもので、ちょっとした衝撃で簡単に折れてしまいそうだったことから、しっかりとしたスタンドになったことで安心感も増している。


本体上部には、電源ボタンや音量ボタン、ヘッドホンジャック、ゲームカードスロットに加えて、新たにUSB Type-Cポートが搭載。こちらのポートは、本体の充電やアクセサリの接続用であり、映像出力には対応しない点に注意だ。
本体下部にもType-Cポートが搭載されている。こちらはこれまで同様に本体充電のほか、ドックに接続して映像出力を行うためのポートとなっている。

本体上部にType-Cポートが新たに設けられたことで、テーブルモード時にも本体を充電しながら長時間遊べるように。従来まではテーブルモードで充電しながらゲームをプレイするにはサードパーティ製のアクセサリなどを使う必要があったことから、より便利にテーブルモードが利用できるようになったと言えるだろう。

また、前述のキックスタンドの裏側に、本体のストレージ容量を拡張するためのmicroSD Expressカードスロットが用意されている。スタンドを開くと右下あたりに確認できるはずだ。Nintendo Switch 2向けのタイトルは、品質が向上したことに伴いゲームデータの容量が大きくなっていることから、複数のタイトルを保存しておきたい場合には同スロットを使うことがあるはずだ。
3つのモードで使い心地を試してみた

実際に手に持ちながら、使用感を探っていこう。
まずは、携帯ゲーム機として使用する「携帯モード」から。前述のとおり、画面が7.6インチになったこともあり、最初に見たときの第一印象は「思ったより本体・画面が大きい」だった。


これは筆者がこれまで「Nintendo Switch あつまれ どうぶつの森セット」を使っていて、有機ELモデルは購入しなかったため、より大きく感じたのかもしれない。ただ、大型化したことでより高い没入感を得られるようになったほか、『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』のような細かい文字が出てくるタイトルなどはプレイしやすくなったと感じる。

次は、Nintendo Switch 2をテーブルなどに置いて使用する「テーブルモード」で使用してみた。同モードでは、ProコントローラーやJoy-Con 2を使ってワイヤレスで操作できる。

取り外したJoy-Con 2は、付属のグリップに装着することで、Proコントローラーのように使うことが可能だ。
グリップへの装着は本体と同様、マグネットでピタッとくっつけるだけ。取り外しも同じ要領で、スムーズに行える。グリップのサイズはSwitch用とほぼ変わらず、操作感が大きく変わることはなかった。

また、Joy-Con 2を両手に持って振って遊ぶ際に、手から飛んでいかないようにするためのストラップも付属している。こちらはマグネットではなく、下部から「カチッ」と物理的にはめ込むタイプ。取り外すときは、本体やグリップと同じく、取り外しボタンを押すだけで簡単に外せる。

Switch 2では、Joy-Con 2の側面を下に向けて滑らせるように動かすことで、マウスのように操作することもできる。マウス操作はJoy-Con 2に何も装着していない状態で使うこともできるが、ストラップをつけていると滑りが良くなってより操作しやすくなることから、ストラップはマウス操作時にも活用するようにしたい。



最後は、「TVモード」。ドックに本体を差し込むことで、テレビに映像を出力できるモードだ。最大解像度が4K(3840×2160ピクセル)に対応したことで、より高精細な映像でゲームをプレイできるようになった。フレームレートは最大120fpsに対応するが、4K出力時には60fpsに制限される仕様。フレームレートを重視するなら、1920×1080/2560×1440ピクセルを選択する必要がある。

ドックの側面には、アクセサリ接続用のUSB Type-Aポート (USB 2.0仕様) が2つ搭載。TVモード時にカメラなどのアクセサリを使うときにはこちらのポートを活用しよう。

ドック背面のカバーを開けると、ACアダプター接続用のType-Cポートと映像出力用のHDMIポート、有線LAN接続用のLANポートが搭載。また、表面からは見えないが右半分には冷却用ファンが内蔵されており、長時間プレイ時にも発熱を抑え、安定した動作を実現する。ちなみに、ドック背面のカバーは完全に取り外せるようになっている。
専用タイトル『マリオカート ワールド』で次世代ゲームを体験。既存タイトルもSwitch 2対応
Nintendo Switch 2の本体を隅々までチェックしたあとは、いよいよゲームをプレイ。今回はSwitch 2の専用ソフト『マリオカート ワールド』と『Nintendo Switch 2 のひみつ展』のほか、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム Nintendo Switch 2 Edition』、そしてNintendo Classicsで配信が始まったゲームキューブタイトル『ゼルダの伝説 風のタクト』『ソウルキャリバーII』をプレイしてみた。
なお、ご存知の方も多いと思うがNintendo Switch 2は、先代のNintendo Switch向けタイトルの多くをプレイできる後方互換性がサポートされている。実際にプレイしてみたところ『スプラトゥーン3』など多数のタイトルを試してみたが、いずれも読み込み速度が向上していたりと快適にプレイできるようになっているため、Nintendo Switch 2タイトルでなくとも既存タイトルもがっちり楽しむことが可能だ。
マリオカート ワールド

まずは新作の『マリオカート ワールド』から。4つのコースを走って合計ポイントを競う「グランプリ」で肩慣らし。テーブルモードで、これまでSwitchで愛用してきたProコントローラーを使用してプレイした。
プレイ途中にフレームレートが落ちることもほぼなく、動作は終始快適だった。処理性能の向上のおかげか、ステージ内のギミック(お邪魔キャラクターやレースに関係ない一般の車など)が多くなっていて、よりハチャメチャ度がアップしていた。
最大24人という大人数でレースをするのもとても新鮮だった。これまでは最大でも12人までだったので、その2倍の人数でレースをすることになる。6位〜12位くらいにいると、こうらやバナナなど大量のお邪魔アイテムが飛んできやすいこともあって、レース展開がカオス化しやすいが、逆に先頭集団の方にいれば、あまりアイテムが飛んでこないこともあって、自分の走りに集中できた。
グランプリは各コースを一定回数周回するいつもどおりのレースで、ゴール時の順位に応じてポイントが割り振られ、4つのコースをすべて走り終わった後にポイント数が最も高い人が優勝となる。
よりシームレスなレースを楽しみたいなら、難易度は上がるが「サバイバル」がオススメ。特定の順位以内に入っていれば次のコースにそのまま参加できるが、規定の順位よりも下になるとリタイアになってしまうというシビアな条件のモードになっていて、コースとコースの間はもちろんレースになっているため、片時も休むことはできない。
サバイバルでは、BGMは1ループするごとに別のBGMにシームレスに切り替わるため、レース展開と一緒にBGMの変化も楽しめる。ファミコンやスーパーファミコン時代のBGMのアレンジ曲もあり、昔からマリオ作品をプレイしてきた人は知っている曲が流れるとテンションが上がること間違いなし。筆者が確認できたのは、初代『ドンキーコング』『スーパーマリオカート』『ヨッシーアイランド』など。


プレイしはじめの頃は、なんとなくプレイしているうちに新しいカートや新キャラクター、キャラクターの衣装などがどんどん追加されていくため、「おっ、キャサリン使えるようになった!」「ベビィロゼッタのセーラー服かわいい〜」と1人プレイでもかなり楽しむことができた。
ただし、このまま何時間もプレイし続けると飽きが出てくる可能性があるため、1人でプレイするときには1日1〜2時間くらいでインスタントに楽しむ、というプレイスタイルになりそうだ。


自宅に友人を呼んで2人でローカルプレイをしてみた。2人プレイだと画面分割は縦に割れる仕様で、視界は狭まるもののローカルプレイの懐かしさも感じた。2人でコースのギミックやBGM、道端にいるキャラクターについておしゃべりしながらレースをするのは結構楽しく、あっという間に時間が溶けていく。
今作はカメラを使って友達とビデオ通話をしながらレースできることもあり、以前のような完全オンラインのマリオカートというよりも、少しローカルプレイに寄った体験が楽しめる作品なのかなと感じた。
Nintendo Switch 2 のひみつ展

『Nintendo Switch 2 のひみつ展』は、Switch 2の新機能や特徴をミニゲームで試したり、クイズ形式で学ぶことができるソフト。すべて紹介しているとキリがないので、特徴的な「マウス操作」と「HD振動2」について紹介する。

まずはSwitch 2の新しい操作方法である「マウス操作」に関して。Joy-Con 2を縦にして手で握るように持ち、名前のとおりPCのマウスのような操作を実現するため、スティック操作やジャイロ操作よりも精密な動きができる。
このマウス操作を、上から落ちてくる鉄球をマウス操作で避けるミニゲームで体験。鉄球は大量に落ちてくることから、確かにスティックでは操作しづらそう。マウス操作で隙間を縫うようにスイスイっと自機を動かして、なんとかクリアできた。

「HD振動2」は、SwitchのHD振動をさらに進化させたもの。従来のHD振動も様々な触感を作り出せていたが、今回のSwitch 2ではさらに振動が強くなり、よりリアルな触感や速い振動も実現できているという。
このHD振動2をマラカスで体験できるミニゲームがあったので体験。左手は細かい粒のようなものが入ったリアルなマラカス、右手はゴムボールが入ったマラカスに設定したところ、左手は普通のマラカスを振っているような感覚に近かったが、右手はゴムボールが中で跳ね返るような弾力のようなものを感じるマラカスになっていて、HD振動の進化を実感できた。
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム Nintendo Switch 2 Edition

Switchで発売したソフトをSwitch 2に最適化して、グラフィック向上や新しいゲームモードなどを追加した「Nintendo Switch 2 Edition」のソフトはどうだろうか。今回は『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のNintendo Switch 2 Editionを試してみた。
やはりSwitch 2に最適化されていることもあり、動作はかなり滑らかになっていて、グラフィックもとても綺麗。Switch版では雨が降っていると遠くが霞んで見えにくくなりがちだが、Switch 2 Editionでは遠くもくっきりと見えるようになった。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、賢者として覚醒した仲間の分身を呼び出すことができ、その仲間の固有の能力を使えるのだが、この分身を呼び出していると動作がちょっと重いのが地味に気になっていた。Switch 2 Editionでは仲間の分身がいても動作はかなりスムーズで、能力を使ったとき(例えばユン坊の能力で周囲が炎上したとき)の微妙な動作のカクつきもほぼなくなった印象だ。
これほど快適にプレイできるなら、他のSwitch 2 EditionもSwitch版に比べて大きな恩恵がありそう。まだクリアしていない作品のSwitch 2 Editionが出ているのなら、ぜひSwitch 2で遊んでみていただきたい。
ちなみに、Switch 2 Editionが出ていない作品でも、アップデートによってSwitch 2に最適化して快適に動作するようになっている。同じくSwitch 2を手に入れた友人からの情報によると、『ポケットモンスター バイオレット』をSwitch 2でプレイしたところ、動作が明らかに軽くなっており、フィールドのポケモンの出現数も多くなっているとのこと。
友人は『ポケットモンスター バイオレット』を購入したものの、フィールドでの動作のカクつきが気になって途中でプレイをやめてしまっていたのだという。Switch 2で快適にプレイできるようになったことでプレイ意欲が復活したそうで、「今度オンラインで一緒に遊ぼうよ〜」と誘われてしまった。近いうちにプレイすることになりそうだ。
Nintendo Classicsでゲームキューブタイトルをプレイ

Nintendo Switch 2では、「Nintendo Switch Online」加入者のみ「Nintendo Classics」でゲームキューブタイトルをプレイできる。
Switch 2発売時点では『ゼルダの伝説 風のタクト』『ソウルキャリバーII』『F-ZERO GX』の3タイトルが配信されていて、このうちの『ゼルダの伝説 風のタクト』『ソウルキャリバーII』をプレイしてみた。

今回のSwitch 2の発売に合わせて、任天堂はワイヤレス接続に対応したゲームキューブコントローラーを発売しているが、実はWii UもしくはSwitch向けに発売したゲームキューブコントローラ接続タップがあれば、オリジナルのゲームキューブコントローラーを有線接続して当時の感覚のままでプレイできる。
特に『ソウルキャリバーII』のような格闘ゲームは、当時のコントローラーの感覚でプレイしがち。新しいコントローラーは綺麗だが、スティックが固すぎて自分好みに仕上がっていないことから、使い慣れたコントローラーが使えるのは嬉しい限り。ただ、『ソウルキャリバーII』は武器やキャラクターが全然出ていないので、時間を見つけてちょこちょこプレイして友人や家族と対戦する用意を整えておこうと思っている。

こちらは『ゼルダの伝説 風のタクト』のスクリーンショット。まだリンクが「エビシャツ」を着ている冒頭部分ではあるが、ゲームキューブでプレイするよりも映像は明らかに綺麗になっていて、今日からでもまたプレイを始めたいくらいのクオリティだ。
Nintendo Classicsのゲームキューブタイトルは、今後もどんどん増えていくと思われるため、ゲームキューブ作品が好きだった人は今後のアナウンスをお楽しみに。個人的には中古価格が高くて当時買えなかった『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』の配信が待ち遠しい。
バッテリー持ちはどう?

Nintendo Switch 2のバッテリー駆動時間を『マリオカート ワールド』で計測してみた。テーブルモードで100%の状態から25分プレイしたところ、バッテリー残量は81%になっていた。そのまま同じペースでバッテリー残量が減っていくと、約2時間でバッテリーがなくなる計算になる。
また、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』についてもおおよそ同じくらいの駆動時間になったため、電源がない状態だと2時間くらいが目安になるのではないだろうか。
Switch 2の場合はプレイするゲームによってバッテリーの減りが変わるため、あくまで参考として考えていただきたいが、飛行機の長距離フライトでプレイする場合には、座席のコンセントやモバイルバッテリーを使って給電しながらプレイする必要がありそうだ。
周辺機器あれこれ

Nintendo Switch 2には、USB Type-A・Type-Cポートが複数搭載されているため、様々な周辺機器を接続できる。
たとえば、前述の「ゲームキューブコントローラ接続タップ」があれば、オリジナルのゲームキューブコントローラーを有線接続できた。
そのほか、筆者がSwitchに使っていたサードパーティ製のアクセサリを試してみたところ、スマートフォンの電源アダプタほどのサイズで純正ドックのようにSwitchの映像出力に対応する「GENKI Dock」は、本体の充電はできるが映像出力には非対応。
出張の多い筆者は『スプラトゥーン3』のフェスなど特定の日時に限られるイベントに参加するために重宝していたのだが、残念ながらSwitch 2では使えなくなってしまったようだ。
同じく映像出力ができるということで重宝していたDockcaseの「Explorer Edition Smart USB-C Hub 7-in-1」も、本体充電には対応するものの映像出力には非対応だった。
初代Nintendo Switch向けのサードパーティ製品の多くは、Nintendo Switch 2には非対応である可能性が極めて高いことから、もし購入する場合には最低でも「Nintendo Switch 2対応」を謳った商品を購入するべきだろう。
ちなみに、Nintendo Switch 2に搭載されているUSB Type-Cポートは電力の供給も可能であるため、裏技としてスマートフォンを充電することができた。公式では推奨されていないものになるため利用する際には自己責任でお願いしたいが、スマートフォンのバッテリーが切れた際には役立つかもしれない。
実機を触ってみて感じた「Nintendo Switch 2」の魅力とは

熾烈な抽選戦争をくぐり抜け、なんとか発売日にNintendo Switch 2を手に入れることができた筆者。電源を入れようとしたその瞬間、ふと初代Nintendo Switchの発売時のことが脳裏をよぎった。
あの頃、筆者は「Nintendo Wii」を最後にしばらく任天堂のコンソールから離れていた。WiiやWii Uといった独特なゲームスタイルが、どうにも自分にはしっくりこなかったからだ。だからこそ、新たに発表されたNintendo Switchにも、正直あまり期待を抱いてはいなかった。
しかし、発表後に公開されたローンチタイトル『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のトレーラーを見た瞬間、まるで電流が体を駆け巡るような衝撃を受けた。広大で美しいハイラルの風景、まるで命を吹き込まれたかのように息づくキャラクターたち。そして、ゼルダ姫がリンクの前で大粒の涙を流すあのシーン。「今回は、これまでとはまったく違うゼルダだ」と確信した筆者は、気がつけば予約戦線に身を投じていた。
必死の思いで手に入れた初代Switchでは、その後も数々の名作をプレイし、実に素晴らしい体験をさせてもらった。あれは間違いなく、印象深いコンソールだったと思う。
では、今回のNintendo Switch 2はどうか。ローンチ時の目玉タイトルが、実質的に『マリオカート ワールド』のみだったこともあり、正直なところ初代Switchのときほどの感動はなかった、というのが本音だ。
それでも、実際に手に取りゲームを遊び始めてみると――徐々に心が躍り始めている自分に気づいた。結論としては、「Nintendo Switch 2はただのマイナーチェンジではない」ということ。初代Switchから数えて7年という歳月がもたらした進化は、スペック表の数値以上に体感としてプレイヤーに訴えかけてくる。
携帯モードでは視認性の高まった7.9インチディスプレイが、テーブルモードではフリーストップ式のスタンドや追加された上部Type-Cポートが、そしてTVモードでは4K/60fpsの滑らかで美しい映像表現が、それぞれのプレイスタイルをワンランク引き上げてくれる。
また、パフォーマンスの向上はプレイを開始するまでの待ちを減らし、作品への没入を妨げるものを減らすことに成功している。加えて、マウス操作という新たなUIの追加や、ゲームチャット機能の導入など、オンラインでの遊び方にも広がりをもたらしている。

個人的に嬉しかったのが、新規ソフトはもちろんだが、既存のSwitch向けソフトやSwitch 2 Editionが想像していたよりもずっと快適に遊べるようになっていて、すでにクリア済みの『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などももう一度Switch 2で改めてプレイし直したいなと感じたほど。Switch 2の正式アナウンスがあってから、続編の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
』の攻略は敢えて途中でストップしてSwitch 2 Editionに備えていた。Nintendo Switch 2も無事入手できたことだし、快適になったハイラルを走り回って楽しみたいと思っている。
もちろん、すべてが完璧というわけではない。液晶ディスプレイの採用は、有機ELモデルを使ってきたユーザーには一歩後退と映るかもしれないし、Proコントローラーなどの周辺機器には今後の展開への期待が残る。だが、それらを踏まえたうえでなお、「これは次の時代のスタンダードになりうるゲーム機だ」と胸を張って言える完成度をSwitch 2は持っている。
7年ぶりに訪れた「Switchの再定義」。それは、次の7年を見据えた新たなゲーム体験の入口であり、遊びの未来を担う大きな第一歩だ。