
NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は7月30日、法人向けのフラッグシップAI PC「
1kgを切る軽量ボディに、最大約40時間のバッテリー駆動時間を備えた本モデルは、Microsoftが定義する「Copilot+ PC」に準拠。ハイブリッドワークや外回りが多いビジネスユーザーに向けて、「攻め」の姿勢で投入された新時代のモバイルPCだ。
NECPCではこれまで、個人向けでは“世界最軽量”や“世界最薄”といった革新的な製品を多数展開してきた一方、法人向けでは「安定性」「信頼性」を重視した守りの開発姿勢が主流だった。しかし、デジタルワークが激変する時代を迎え、今や法人市場においても革新と挑戦が求められている。VersaPro UltraLite タイプ VYは、この変革の第一歩として、NECPCが法人分野においても「攻め」に転じた象徴的なモデルだ。
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1kg未満の重量と最大40時間のバッテリー駆動を実現、モバイルワークに最適なノートPC
「VersaPro UltraLite タイプ VY」は、最新のインテルCore Ultra 200Vシリーズのプロセッサと東レ製カーボン素材を天面部に採用したことで、MIL規格(MIL-STD-810H)に準拠した堅牢性を保ちながらも、約995g(軽量モデル、バッテリーL搭載時)の軽量化を実現した。
加えて、大容量バッテリーと独自の省電力設計により、動画再生で最大約20.1時間、アイドル時では約40.2時間の連続駆動を可能にした。Copilot+ PCとしては業界最長クラスのスタミナを誇り、モバイルワークでも電源の心配なく業務に集中できる。
実際に社内検証では「朝9時から17時までWeb会議5本+資料作成+スマホへの20%充電」という現実的な業務シナリオで、バッテリー残量が約57%残った。これは単なるカタログスペックではなく、実務において “ACアダプタ不要” なワークスタイルが成立することを示している。
長時間のバッテリー駆動を支えるのは、ハードウェアとソフトウェアの両面から施された独自の省電力設計だ。
まず、最新のインテルCore Ultraプロセッサとあわせて、NECPC独自のファン制御技術を導入。従来機比で約30%の省電力化を達成し、冷却性能と消費電力のバランスを最適化している。
さらに、NECPC独自のAI制御機能「ロングバッテリーモード」も搭載。Web会議や動画視聴時に不要な電力をカットし、さらにはユーザーのスケジュールに応じてAIが電力使用を最適化する仕組みだ。F10キーひとつで簡単にエコモードへ切り替え可能な設計も、現場目線の工夫と言える。
例えば、1日8時間の勤務でオンライン会議5回+資料作成などをこなした場合でも、約50%のバッテリー残量が残るという。これならACアダプターやモバイルバッテリーを持ち歩かずとも安心して作業できそうだ。
NECPCが長年培ってきた “省電力技術” と “法人ユーザーの使い方” に合わせた制御ロジックが融合したかたち。また今後は、内蔵NPUを活用してバッテリー残量の推定精度を向上させるAIロジックを年内にアップデートで提供予定だ。
長寿命設計&スマート充電機能でバッテリーのヘタりを抑制、ユーザー自身での交換も可能
法人市場で特に重要となる「耐久性」と「保守性」にも配慮した。搭載バッテリーには、充放電による劣化を抑える長寿命設計が採用されている。加えて、NECPC独自の「スマート充電機能」がユーザーの行動を学習し、最適なタイミング・容量での充電を自動制御。
特にバッテリーがヘタる2大要因とされる「電源つなぎっぱなし」「充放電繰り返し」による劣化を防ぎ、5年後のバッテリーのヘタりを抑制する。これにより、5年使用後でも約71%の容量を維持できると見込まれている。
さらにバッテリーはユーザー自身の手で交換が可能となっており、ネジ4本を外すだけで基板に触れることなく脱着できるうえ、脱落防止リング付きのネジにより異物混入のリスクも最小限に抑えられている。
タッチ操作対応も選べる13.3型液晶やThunderbolt 4ポートなど基本スペックも充実
ディスプレイは、13.3型WUXGA液晶(ノングレア/タッチ対応モデルあり)を採用。従来比16.8%の低消費電力を実現したLCDパネルを採用したことで画面表示にかかるエネルギーを削減しており、これもまたバッテリー駆動の長時間化に寄与している。
メモリは16GBまたは32GB(LPDDR5)を選択可能、ストレージは最大1TBまでの暗号化対応SSDを選択できる。
インターフェースも充実しており、USB 3.2 Gen2(Type-A×2/Type-C×2)に加えて、LANポート、HDMI、microSDスロットを搭載。一部モデルのUSBポートは4ポート中2ポートがThunderbolt 4となる。
通信面でも最新のWi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応し、LTE通信オプションも選べる。OSはWindows 11 Pro、保証は1年間。バッテリー(S)を搭載する最軽量構成では本体重量は約885gとなっている。
VersaPro UltraLite タイプ VYは、Copilot+ PCとして、Windows 11の「Recall」「Live Captions」「自動字幕生成」など標準のAI機能もフル活用可能。NECPCの独自AIソリューション「AI Plus Biz」も搭載し、社内マニュアルやQ&Aと連携して、トラブル解決を高精度でサポートする。
希望小売価格は税込481,800円から。販売は7月30日から開始され、出荷は9月中旬を予定している。
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「VersaPro UltraLite タイプ VY」スペック表
項目 | 通常モデル | 軽量モデル |
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ディスプレイ | 13.3型ワイド WUXGA液晶 | |
タッチパネル | あり / なし | あり |
プロセッサー | インテル Core Ultra 7 プロセッサー 258V / 256V インテル Core Ultra 5 プロセッサー 238V / 236V / 226V | |
メモリ | LPDDR5X オンボード 32GB / 16GB | |
SSD | 暗号化機能付 1TB / 512GB / 256GB | |
無線LAN | Wi-Fi 7 | |
WWAN | LTE / なし | なし |
インターフェース | Type-A ×2、Thunderbolt 4 または Type-C (PD/DP) ×2、RJ45、HDMI、microSD、ヘッドフォンジャック ×1 | |
Webカメラ | Full HD解像度 (1080p) 対応カメラ、顔認証 (Windows Hello) 対応 | |
キーボード | キーピッチ:18.5mm キーストローク:1.2mm | |
セキュリティ | 顔認証 (Windows Hello) 指紋認証 あり / なし (Windows Hello) | 顔認証 (Windows Hello) |
バッテリー(CRU対応) | バッテリー(L) / バッテリー(S) | |
駆動時間 (JEITA3.0) 動画再生時 / アイドル時 | バッテリー(S)/タッチパネル搭載:約8.8時間 / 約17.6時間 バッテリー(S)/タッチパネル非搭載:約8.2時間 / 約14.6時間 バッテリー(L)/タッチパネル搭載:約20.1時間 / 約40.2時間 バッテリー(L)/タッチパネル非搭載:約18.7時間 / 約33.2時間 | |
本体寸法 | 299mm × 214mm | |
本体厚 | 18.2mm | 17.9mm |
本体質量 | バッテリー(S):約921g バッテリー(L):約1,031g | バッテリー(S):約885g バッテリー(L):約995g |