「Meta AI」 に単体アプリが登場。ChatGPT・Geminiと同じ土俵へ

Metaは米国時間4月29日、最新の大規模言語モデル 「Llama 4」 を搭載した単独のAIアプリ 「Meta AI」 の提供を開始した。対応

これまでFacebookやInstagram、WhatsApp、Messengerといった自社のSNSアプリを通じて提供されてきたMetaのAIアシスタントが遂に単体アプリとして登場したかたち。OpenAIの 「ChatGPT」 やGoogleの 「Gemini」 など、他のAIサービスと本格的に競合する位置付けとなる。

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「Llama 4」 搭載の単独AIアプリ 「Meta AI」 が提供開始

「Meta AI」 アプリには、テキストおよび音声による会話機能を中心に、リアルタイムなWEB検索、画像生成・編集機能、そして他ユーザーのAI活用例を閲覧・共有できる 「Discover」 フィード機能を搭載する。

音声対話では、全二重音声技術を活用した機能がデモとして提供され、ユーザーは自然な会話でAIと対話することが可能だ。この音声機能は、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国で先行提供される。

Metaは、「Meta AI」 の強みとしてユーザーの趣味や興味を自ら学習し、よりパーソナライズされた情報が提供可能である点を強調している。FacebookやInstagramのプロフィール情報、「いいね」したコンテンツ、ユーザーのエンゲージメントデータなどをもとに、Meta AIはより関連性の高い回答を生成する。特に米国とカナダでは、旅行好きや語学学習といった 「趣味」 の情報をAIに覚えさせることが可能で、前後の文脈を加味した会話体験が提供される。

Metaのスマートグラス 「Ray-Ban Meta」 との連携も強化されている。スマートグラスで始めた会話をアプリで引き継ぎ、過去の会話履歴を確認できるようになった。アプリ内の 「デバイスタブ」 では、ペアリング済みのデバイスの設定管理やメディアの転送も引きつづき利用できる。なお、従来のコンパニオンアプリ 「Meta View」 を廃止し、新たに 「Meta AI」 アプリ内に統合するかたち。

また、同時にWEB版 「Meta AI」 も同時にアップデートされており、音声入力やDiscoverフィード、画像生成機能の強化が図られているほか、一部地域では画像付きドキュメントを作成・エクスポートできるリッチドキュメントエディターのテストも開始されている。さらに将来的には、ユーザーがドキュメントをインポートし、Meta AIがその内容を解析・理解する機能の実装も視野に入れる。

Metaは、この発表を同日開催されたAI開発者向けカンファレンス「LlamaCon」にあわせて実施した。Meta AIが目指すところは、単なるAIチャットボットではなく、日常の課題解決や情報検索を自然な会話でサポートするパーソナライズされたAIアシスタントだ。今回のアプリ提供は、スマートフォンという主戦場から始まり、スマートグラス、デスクトップWebへと連携を拡張するMetaのAI戦略の一環だ。

Metaによると、同社のAIアシスタントの月間アクティブユーザー数は2023年末時点で約6億人に達しており、SNSを通じた広大なユーザーベースが大きな強みとされる。対照的に、ChatGPTやGeminiなどの競合はすでに単体アプリとして市場をリードしていたが、MetaはSNSとAIの融合によって独自のポジションを確立しようとしている。

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(画像:Meta)

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