メルカリ、香港市場へ本格進出。越境EC強化で “日本の中古品” の国際流通拡大へ

国内最大手のフリマサービス「メルカリ」が、グローバル展開の一環として香港市場へ進出する。2025年5月7日より、香港在住のユーザーは「メルカリ」への会員登録が可能となり、Web版を通じて日本国内で出品された商品を直接購入できるようになる。台湾に次いで2か所目の「直接購入可能地域」となる。

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越境ECの潮流に乗るメルカリの戦略

メルカリは、同社の中期的な経営戦略としてグローバル展開に力を入れており、2019年より越境取引を開始。現在では79の越境EC事業者と連携し、約120の国・地域に向けて購入代行を展開した。

そして、2024年8月からは台湾在住者向けに会員登録およびWeb版を通じて直接購入できるようになっており、今年3月には登録者数が20万人を超えるなど、サービスが拡大している状況だ。

経済産業省のデータによれば、2021年の世界の越境EC市場は7,850億ドルに達し、2030年には約10倍の7兆9,380億ドルに成長すると見込まれている。メルカリの国際戦略は、この成長トレンドに照準を合わせたものだ。

香港市場は、すでに越境ECが活発な地域のひとつだ。eコマース全体のうち約25%が越境取引で構成されており、取引先として日本は、中国・米国に次ぐ第3位の存在。さらに、2024年における訪日外国人客の割合では、国・地域別で香港が1位となり、日本文化や製品への親和性の高さが浮き彫りになっている。

加えて、メルカリによると、すでに香港からの越境購入は取引金額・件数ともに第4位にランクインしているとのこと。中でもキャラクターグッズ分野の人気が高く、他国と比較して一回あたりの平均取引額も突出しているという。

言われてみれば、香港行きの飛行機に乗ると、日本のキャラクターグッズを購入したと思われる方がチラホラと見受けられたりもする。日本の商品が受け入れられていることは、今回の香港進出の背景を語る上で重要な視点だろう。

香港市場への本格進出にあわせて、アプリの言語に「繁体字」および「英語」を用意し、価格表示も日本円または香港ドルを選択可能に。また、サービス開始を記念し、2025年5月8日から5月14日の期間限定で、初回購入者に対して30%オフ(最大3,000円、約160香港ドル)のクーポンを提供するキャンペーンも実施する。

メルカリは「グローバルマーケットプレイス」の構築を掲げ、今後も越境EC事業を核とした海外展開を加速していく構えだ。ゲームやホビーグッズなどのジャパンコンテンツの流通インフラとして、メルカリが果たす役割はますます大きくなることだろう。

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(画像:メルカリ)

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