
ありがたいことに、昨年から今年にかけて国内外問わず多数の取材機会に恵まれ、飛行機で移動する機会が増えている。そのなかで筆者が大事にしていることは、「移動時間をいかに有効活用するか」 ということだ。
特に、海外取材において大部分を占める飛行機の移動については、できればフライトの間も作業をしたいところ。というのも、海外では取材スケジュールが過密になりやすく、まとまった作業時間を確保するのが難しいからだ。
筆者が取材に携行する機材は、記録用のカメラやボイスレコーダー、通信やメモ用のiPhoneやAndroidスマートフォン、そして原稿執筆や写真・動画編集用のMacBook Proなど。中でもMacBook Proは原稿を書いたり、写真・動画を編集するために使用することが多い。
では、飛行機内でMacBook Proは現実的に使えるのか。結論から言えば、「条件さえ揃えば快適に使える」 に尽きる。
その 「条件」 とは、前の座席に人が座っていないこと。なぜなら、機内でMacBook Proを使う際、最も大きな障害となるのが 「前席のリクライニング」 だからだ。
前席の深いリクライニングがいちばんの恐怖

筆者が使用している14インチMacBook Proは、エコノミークラスのトレイテーブルにも無理なく収まるサイズ感。前の座席が直立していれば、快適に作業できる。
問題は、前席が深くリクライニングされてしまうと、画面との距離が極端に狭まるだけでなく、最悪の場合は画面が圧迫され、座席に押し潰されかねない。実際、筆者自身は経験していないが、この記事を書くきっかけになったアクシデントとして、同業記者が前席の急なリクライニングでMacBookのディスプレイを破損したというケースが先日あった。
座席テーブルをスライドできる機材であれば多少の回避は可能だが、それでも完全に安心とは言い切れない。テーブルを手前に引けるタイプであれば、多少のリクライニングにも耐えられる角度を確保できる場合がある。とはいえ、前席に人がいないときの安心感は格別で、それが分かった瞬間には、思わず心の中でガッツポーズをしてしまうほどだ。
対策としては以下のようなものが考えられる:
- なるべく非常口座席や最前列など、前に座席がない座席を選ぶ
- 座席がリクライニングされても問題ないよう、ディスプレイを手前にやや倒した状態で使う
- ビジネスクラスなど広い座席に座る
ちなみに、リクライニング以外ではどうだろうか。長距離便の場合は、快適に寝るため昼であっても機内を暗くするのが通例だが、 MacBook Proは画面輝度をかなり抑えることができるため、もし隣に人がいても迷惑になることは少ないはずだ。
もしかするとタイピングの音をうるさく感じるパターンもあるかもしれないが、筆者はそこまで音を立ててタイプするタイプではないためか、エンジン音が比較的小さな機体前方に座っても、うるさいと文句は言われたことはないので、普段よりも気持ち控えめにタイプしていれば大丈夫だろうと勝手に思っている。
Apple Siliconの高電力効率のおかげでロングバッテリーを実現。長距離便でも到着までみっちり作業できる

あとはバッテリー持ちが気になるところだが、内蔵するSoCが以前のインテルからApple Siliconに変更されてから、MacBook Proのバッテリー持続時間は大幅に向上し、飛行中にバッテリー切れを心配する必要はなくなった。
筆者が実際に経験した例では、昨年ニューヨーク〜東京間の約14時間のフライト中、7時間ほど連続作業してもバッテリーは約半分残っていた。
ちなみに、機内のUSBポートやACコンセントは故障していたり、十分な電力供給ができないことも多い。特に、高負荷作業 (写真・動画編集など) を想定する場合、フライト前に搭乗ゲート前の待合所、あるいは空港ラウンジなどでフル充電に近づけておくことが大事だろう。
- 空港のラウンジまたは搭乗ゲート近くでフル充電
- 飛行機内ではWi-FiやBluetoothをオフにしてバッテリー節約
また、機内Wi-Fiが使えない機材だったり、音楽などをMacから再生する必要がないようなら、Wi-FiやBluetoothの機能をオフにしておくことでバッテリーの消費を減らすことができるはずだ。
加えて、必要なファイルは事前にローカル保存しておくことも重要だ。機内Wi-Fiは、利用できる便でも接続が不安定なことが多く、大容量のデータ転送やクラウドサービスとの同期には向いていない。フライト中に作業予定のドキュメントや素材ファイルは、あらかじめMacのローカルストレージに保存しておくことで、接続トラブルの影響を回避できるだろう。
まとめ:MacBook Proは飛行機で 「使える」 。ただし、戦略・準備も大事

飛行機内でMacBook Proを使った作業は、環境や座席の条件次第では確かに制限を受けることもある。だが、リクライニング対策やバッテリー管理、事前準備をしっかり行えば、飛行中でも十分に実用的なワークスペースとなる。
取材や出張、あるいは旅行中の移動時間を少しでも有効活用したいと考えるなら、MacBook Proのような高性能なラップトップは心強い存在だ。そして、それを最大限に活用するためには、少しの工夫と 「使う前の戦略」 が欠かせない。
筆者はこれからも、移動中のひとときを “デスクワークの時間” として活かしながら、MacBook Proを携えて世界中を飛び回るつもりだ。
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