現地時間11月10日、Appleは新製品発表イベント 「One more thing.」 を開催し、独自開発チップ 「Apple Silicon」 を搭載した新型MacBook Proを発売することを正式に発表した。
本製品は本日11月11日から予約受付が開始されており、来週に発売予定。オンラインでの予約はApple公式サイトから可能だ。
Apple Siliconを搭載した新型MacBook Proが登場
今回発表された新型MacBook Proは、Appleの自社製プロセッサチップ 「Apple Silicon (アップル シリコン) 」 を搭載した初のプロ向けラップトップMac。
デザインは従来製品から大きくは変わっていないが、プロセッサを初のApple Siliconとなる 「M1チップ」 に置き換えることで、低電力化とパフォーマンスの高速化を実現したモデル。
Apple SiliconはiPhoneやiPad、Apple Watchに搭載されているAシリーズプロセッサ (たとえばA14 Bionicなど) と同様のアーキテクチャを使用し、これらのデバイスとの親和性を高めながら、同時にMacに最適な形の低電力および高パフォーマンスを引き出すことが可能。
「M1チップ」 は、Macのために開発された初のApple Siliconプロセッサ。5nmプロセスを採用し160億トランジスタを搭載した8コアプロセッサで高性能コア4つ、高効率コア4つで構成されている。処理性能は一般的なラップトップ向けチップに比べて2倍以上のパフォーマンスを発揮するが、省電力性も高く従来から1/3に抑えられているという。
GPUも8コア構成になっており、約25,000スレッドを一度に処理することが可能。ニューラルエンジンは16コア構成で、Thunderbolt/USB 4もサポートする。
実際のパフォーマンスは、従来のMacBook Proにくらべて最大2.8倍、グラフィックは最大5倍高速に。さらにニューラルエンジンも先代モデルに比べて最大11倍の高速化を実現。同等クラスのWindowsノートパソコンとくらべて最大3倍高速とAppleはアピールする。
M1を搭載した13インチMacBook Proで可能になること (一世代前のモデルとの比較)
- Xcodeで最大2.8倍の速さでコードを書く。
- Final Cut Proで複雑な3Dタイトルを最大5.9倍の速さでレンダリングする。
- Unity Editorで複雑なゲームシーンを最大3.5倍の速さで思いのままにデザインする。
- Create MLで最大11倍の速さで機械学習のタスクを実行する。
- Neural Engineの驚異的な性能を活かして、djay Pro AIで録音からビート、楽器、ボーカルトラックをリアルタイムで分離する。
- フル品質の8K ProResビデオを、1フレームも落とさずにDaVinci Resolveで再生する。
- M1チップの革新的なワット当たりの性能を活かして、1回の充電で4倍の量のコードをコンパイルする。
バッテリー持ちはインターネットが最大17時間、動画再生が最大20時間可能。先代モデルに比べて実質2倍の性能と言える。この高パフォーマンスの中でこれだけの長時間駆動を可能にしたのは、アクティブ冷却システムと効率の高い 「M1チップ」 による恩恵だろう。Apple曰く、このバッテリー駆動時間はMac史上最大であるとのこと。
MacBook Proは16GBまでメモリを増量することが可能だ。また、搭載されているポートもUSB4に対応したThunderboltポートが2つに置き換えられたほか、最新のWi-Fi規格であるWi-Fi 6もサポートした。
さらにより高品質なスタジオ品質のマイクを搭載したほか、M1チップの最新のカメラISPのおかげで、内蔵カメラで撮影する映像をよりシャープに、そしてシャドウとハイライトの細部を向上させたという。
MacBook Proの価格は134,800円(税別)から。学生·教職員価格は123,800円(税別)から購入可能だ。本日から、Apple公式サイトで予約受付が開始されている。
ちなみにIntelプロセッサを搭載したモデルも並行する形で継続販売されるようだ。
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