
株式会社穴熊が提供するテキスト通話アプリ『Jiffcy(ジフシー)』に、最大4人まで同時に利用可能な「グループ通話」機能が追加された。音声ではなく文字でリアルタイムな会話体験を提供するというこのアプリの設計思想を、複数人でもそのまま拡張したかたちだ。
従来のJiffcyは1対1でのテキスト通話が主軸だったが、「まるで同じ空間にいるような」双方向性とリアルタイム性が若年層を中心に支持を集めていた。今回のアップデートでそれが複数人に拡張されることにより、「静かな場所でも話したいことを即座に伝えたい」「通話に近い温度感でグループの雑談をしたい」といったニーズに応えるコミュニケーション手段として、より実用性が高まった格好だ。
加えて、近くリリース予定のスタンプ機能も控えており、ビジュアルによる感情表現の補完も期待される。
『Jiffcy』ってどんなアプリ?
そもそも 「Jiffcy」 を聞き慣れないという読者も少なくないだろう。Jiffcyは、テキスト入力が1文字ずつリアルタイムで表示されるというユニークな仕様を持つ新感覚のソーシャルメディアだ。
ユーザーはまだ打ち終わっていない文章や、途中で消された単語すら相手と共有することができる。つまり、完成されたメッセージではなく、「書いている途中の思考」まで伝えることができるのが最大の特徴となっている。
アプリの基本設計は音声通話に近く、相手を「呼び出す」ところから会話が始まる。応答後はリアルタイムに入力内容が表示される。実際の対面での会話に近い「相手の発言を待つ時間」の共有や、一方的ではない反応の往復が、他のメッセージングサービスとは一線を画す体験を生んでいる。
Z世代やα世代を中心に支持を広げており、2024年には日経トレンディの「スタートアップ大賞」を受賞した実績もある。現在iOS版のみが提供されているが、Android版も開発中でウェイティングリストの登録が可能だ。
「リアルタイム ✕ 非音声」の新たな会話体験がZ世代・α世代を中心に求められている
音声通話が敬遠され、テキストメッセージは即時性に欠ける──。そんな現代の若年層の “通話観” の変化に対して、Jiffcyはまさにその中間を狙ったソリューションだ。声を発さず、けれども「そこにいる」ような感覚で他者と接続できるUXは、コロナ禍を経て加速した非接触でも温度感を求める時代の象徴ともいえる。
今回のグループ通話機能追加により、雑談・相談・共同作業といった複数人のシーンに対応できるようになったのは大きな進化だ。リアルタイムで4人の思考が交錯するチャット空間は、既存のテキストチャットにはない臨場感を生む。
SlackでもDiscordでも代替しきれないメディアとして、「Jiffcy」 は密かに存在感を強めつつある。筆者も割と最近知ったアプリだが、テキストの中に感情が流れる、そんな不思議な体験を得ることができた。気になる方はぜひ同サービスを試してみてほしい。
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(画像提供:株式会社穴熊)